電子物性工学

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電子物性工学
科目番号 19専16025 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 海事システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:S.M. Sze 「半導体デバイス」(産業図書)
担当教員 酒池 耕平

到達目標

(1)原子内の電子配置を理解できる
(2)半導体のキャリアとエネルギーバンド構造を理解できる。
(3)半導体におけるキャリアの挙動が理解できる。
(4)理想的なPN接合の電子の振る舞いが理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子内の電子配置を理解でき、各量子数を使って説明できる。原子内の電子配置を理解できる。原子内の電子配置を理解できない。
評価項目2半導体のキャリアとエネルギーバンド構造を定量的に理解でき、物理的振る舞いと数式を対応付けて説明できる。半導体のキャリアとエネルギーバンド構造を定量的に理解できる。半導体のキャリアとエネルギーバンド構造を理解できない。
評価項目3半導体のキャリアの挙動を定量的に理解でき、物理的振る舞いと数式を対応付けて説明できる。半導体のキャリアの挙動を定量的に理解できる。半導体のキャリアの挙動を理解できない。
評価項目4理想的なPN接合の電子の振る舞いを定量的に理解でき、物理的振る舞いと数式を対応付けて説明できる。理想的なPN接合の電子の振る舞いを定量的に理解できる。理想的なPN接合の電子の振る舞いを理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現代社会を支えている電子機器は、多くの半導体デバイスで構成されている。半導体内部の電子の振る舞いを理解することは、半導体デバイスさらには電子機器内部の動作を理解する上で必要不可欠である。本講義では、半導体中の電子現象を物性論的に解説し、これに基づいてダイオードなどの半導体素子の素子物性を説明できる能力を身に付ける。
※この科目では、民間企業での実務経験がある教員が、その経験を活かして実践的な電気・電子工学教育を行う。
授業の進め方・方法:
(1)電子工学系の応用となる科目であるので、これまでの電子工学系の学習内容を身に付けていることが前提である。
(2)学習内容の定着には、日々の予習復習が不可欠であり、主体的に学習すること。
(3)理解できないことは授業内外を問わず、積極的に質問すること。
注意点:
・授業内容は全て連続しているため,授業の前に事前学習として,それまでの授業内容を理解しておくことが重要である。
・予習として,それまでの授業内容をもう一度自分で学習してから次の授業に臨むこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 半導体内部の電子状態 水素原子模型を理解できる
2週 半導体内部の電子状態 電子の波動・粒子の二重性、波動関数を理解できる
3週 半導体内部の電子状態 光の放射と吸収を理解できる
4週 半導体のキャリアとバンド構造 固体のエネルギー帯構造について理解できる
5週 半導体のキャリアとバンド構造 伝導帯、価電子帯の構造を理解できる
6週 半導体のキャリアとバンド構造 真性半導体、不純物半導体の性質を理解できる
7週 半導体のキャリアとバンド構造 フェルミ-ディラックの分布関数を理解できる
8週 半導体のキャリアとバンド構造 電子と正孔のエネルギー分布を理解できる
4thQ
9週 半導体のキャリアの挙動 ドリフト電流を理解できる
10週 半導体のキャリアの挙動 導電率とキャリアの移動度を理解できる
11週 半導体のキャリアの挙動 キャリアの生成と再結合、拡散について理解できる
12週 半導体のキャリアの挙動 半導体における光学的な過程を理解できる
13週 理想的なPN接合 PN接合の整流作用、高電界現象を説明できる
14週 理想的なPN接合 PN接合の容量-電圧特性、過渡現象を説明できる
15週 到達度試験
16週 答案返却・解説・総復習

評価割合

試験小テストレポート・課題発表成果品・実技自学自習合計
総合評価割合700150015100
基礎的能力35010001055
専門的能力350500545
分野横断的能力0000000