冷凍・空調工学

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 冷凍・空調工学
科目番号 19専26034 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 海事システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 初級冷凍受験テキスト(社)日本冷凍空調学会
担当教員 雷 康斌

到達目標

(1)潜熱と顕熱、エンタルピーと熱の移動、熱力学の法則等の冷凍・空調に関する基本的知識が理解できる。
(2)冷媒、冷凍サイクル、ガス圧縮冷凍法、モリエ線図、動作係数等を理解し、PH線図による計算ができる。
(3)冷凍機の四大要素である蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁などの動作原理が理解できる。
(4)液分離器、受液器、油分離器、切換弁等の冷凍回路の主要な補器について理解できる。
(5)空気調和、冷房と暖房、空気線図の状態量を理解し、空気線図による熱量の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1潜熱と顕熱、エンタルピーと熱の移動、熱力学の法則等の冷凍・空調に関する基本的知識を説明でき、複雑な熱の移動を計算できる。潜熱と顕熱、エンタルピーと熱の移動、熱力学の法則等の冷凍・空調に関する基本的知識を理解でき、簡単な熱の移動を計算できる。潜熱と顕熱、エンタルピーと熱の移動、熱力学の法則等の冷凍・空調に関する基本的知識を理解できない、簡単な熱の計算ができない。
評価項目2冷媒、冷凍サイクル、ガス圧縮冷凍法、モリエ線図、動作係数等を説明でき、PH線図による複雑な計算ができる。冷媒、冷凍サイクル、ガス圧縮冷凍法、モリエ線図、動作係数等を理解でき、PH線図による簡単な計算ができる。冷媒、冷凍サイクル、ガス圧縮冷凍法、モリエ線図、動作係数等を理解できない、PH線図による計算ができない。
評価項目3冷凍機の四大要素である蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁などの種類と動作原理が説明できる。冷凍機の四大要素である蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁の種類と動作原理が理解できる。冷凍機の四大要素である蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁の種類と動作原理が理解できない。
評価項目4液分離器、受液器、油分離器、切換弁等の冷凍回路の主要な補器の作動原理について説明できる。冷媒、冷凍サイクル、ガス圧縮冷凍法、モリエ線図、動作係数等を説明でき、PH線図による複雑な計算ができる。液分離器、受液器、油分離器、切換弁等の冷凍回路の主要な補器が理解できない。
評価項目5湿り空気の性質、空気調和、冷房と暖房、空気線図の状態量を説明でき、空気線図による複雑な熱量の計算ができる。湿り空気の性質、空気調和、冷房と暖房、空気線図の状態量を理解でき、空気線図による簡単な熱量の計算ができる。湿り空気の性質、空気調和、冷房と暖房、空気線図の状態量を理解できない、空気線図による計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では、流体と機械の間でエネルギー変換をする装置である冷凍空調に関する基礎知識を習得し、船内の冷凍や空調に応用できるようにする。そのために授業では、冷凍サイクル、冷凍機の原理、冷媒・ブライン、冷凍機の応用からなる冷凍工学と空気調和の基礎となる空調工学について学習する。
授業の進め方・方法:
本授業では、流体と機械の間でエネルギー変換をする装置である冷凍空調に関する基礎知識を習得し、船内の冷凍や空調に応用できるようにする。そのために授業では、冷凍サイクル、冷凍機の原理、冷媒・ブライン、冷凍機の応用からなる冷凍工学と空気調和の基礎となる空調工学について学習する。
注意点:
(1) 冷凍空調工学に使用される理論や原理は、先行している熱流体力学と流体機械を十分理解した上で履修すること。
(2) 冷凍空調に日頃触れる機会もあり、普段でもよく冷房暖房の運転を観察し、その構造、作動、取扱いから特性や現象の理解に役立てること。
(3) 本科目は船員二級海技士(機関)の指定教科であり、海技士(機関)に頻繁に出題される内容であることを理解して履修すること。
(4) 計算をすることが多いので、電卓は常に用意すること。
(5) 学習内容についてわからないことがあれば、積極的に質問すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 冷凍の基礎 温度、圧力、熱量、冷凍の原理が理解できる。
2週 冷凍の基礎 顕熱、潜熱、エンタルピー、熱力学の法則等を理解し、熱量の計算ができる。
3週 冷凍の基礎 冷媒、アンモニア、フルオロカーボン、ブラインと蒸気噴射式、吸収式等の冷凍原理が理解できる。
4週 冷凍サイクル ガス圧縮冷凍法、モリエ線図、動作係数が理解できる。
5週 冷凍サイクル 基準冷凍サイクル、PH線図の構成が理解できる。冷凍効果、冷凍能力、成績係数が計算できる。
6週 冷凍サイクル 飽和線、等温線、等エントロピー線等を理解し、比エンタルピーによる熱計算ができる。
7週 冷凍機の四大要素 往復圧縮機、回転圧縮機が理解できる。圧縮機の役割、構造、性能、制御、管理が理解できる。
8週 冷凍機の四大要素 蒸発器と凝縮器の役割、種類、構造、性能、管理が理解できる。
2ndQ
9週 冷凍機の四大要素 膨張装置の役割、構成、動作、選定、管理が理解できる。
10週 冷凍回路の主要な補器 液分離器、受液器、油分離器、切換弁等の作動原理が理解できる。
11週 冷凍回路の主要な補器 ドライヤ・ストレーナ、サイトグラス、クランクケースヒータ、安全措置が理解できる。
12週 空気調和と空気線図 空気の基本、湿り空気の状態量、絶対湿度、相対湿度、飽和度、顕熱比、熱水分比が理解できる。
13週 空気調和と空気線図 空気線図の構成と状態量を理解し、空気線図による熱計算ができる。
14週 空気調和機器と空調方式 空気調和機器と空調方式が理解できる。冷房負荷と暖房負荷の概略を理解し、簡易計算ができる。
15週 学年末試験
16週 答案返却・解説

評価割合

試験小テストレポート・課題発表成果品・実技その他合計
総合評価割合600200020100
基礎的能力0000000
専門的能力600200020100
分野横断的能力0000000