混相流工学

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 混相流工学
科目番号 19専26046 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 海事システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 BUBBLES, DROPS and PARTICLES(Acad. Press)
担当教員 雷 康斌

到達目標

(1)混相流の基礎知識および基礎理論について学び、混相流の特徴について概略を説明できる。
(2)気液混相流のモデル及び構成方程式を理解し、気泡の運動特性、気泡・液相間相間作用を理解する。
(3)固気混相流における粒子および粒子と流体間の相互作用を理解し、気体内の粉体流動と粒子流体解析法を理解する。
(4)管内混相流の流動様式、混相流における体積率を理解できる。
(5)混相流における各種速度を理解する。混相流の計測法を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1混相流の基礎知識および基礎理論を理解し、混相流の特徴と概略を説明できる。混相流の基礎知識および基礎理論を理解し、混相流の特徴と概略を理解できる。混相流の基礎知識および基礎理論を理解していない。
評価項目2気液混相流のモデル及び構成方程式を理解し、気泡の運動特性、気泡・液相間の相互作用を説明できる。気液混相流のモデル及び構成方程式を理解し、気泡の運動特性、気泡・液相間の相互作用を理解できる。気液混相流のモデル及び構成方程式を理解していない、気泡の運動特性を理解していない。
評価項目3固気混相流における粒子および粒子と流体間の相互作用を理解し、気体内の粉体流動と粒子流体解析法を説明できる。固気混相流における粒子および粒子と流体間の相互作用を理解し、気体内の粉体流動と粒子流体解析法を理解できる。固気混相流における粒子および粒子と流体間の相互作用を理解していない。
評価項目4管内混相流の流動様式、混相流における体積率を理解し説明できる。管内混相流の流動様式、混相流における体積率を理解できる。管内混相流の流動様式、混相流における体積率を理解していない。
評価項目5混相流における各種速度を説明できる。混相流の計測法を説明できる。混相流における各種速度を理解する。混相流の計測法を理解できる。混相流における各種速度を理解していない。混相流の計測法を理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では、混相流という気体、液体、固体という形態の異なる3つの状態の物質のうち、2つ以上の異なる状態の物質が互いに影響を及ぼし合いながら流れる現象に関する基礎的な知識について学習する。そして、この授業を通じて、舶用機関における混相流に関する分野に精通し、研究状況や技術動向を把握する能力を養うことを目標とする。
授業の進め方・方法:
授業計画にしたがって授業を進める。本授業は、単相流体の支配方程式および固体粒子又は液滴の支配運動方程式を紹介してから、混相流の支配方程式の考え方及び定立された混相流の運動方程式を理解してもらうことに重点をおく。また、混相流の数値計算手法も紹介するが、シミュレーションのプログラミングの勉強はしない。ただし、本授業の内容は、流体のコンピュターシミュレーションに関する特別研究に役立てるように講義する。
注意点:
(1) 混相流工学に使用される理論や原理は、本科の基礎科学(数学、物理、力学)特に熱流体力学を十分理解した上で履修すること。
(2) 自然界及び工学における混相流現象は多種多様であり、理論特性や実際応用を理解するには、日々の予習復習が必要である。
(3) 本科目の授業では学習の進捗状況によってシラバスの内容を調整することがある。
(4) 計算をすることが多いので、電卓は常に用意すること。
(5) 学習内容についてわからないことがあれば、積極的に質問すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 気液混相流の基礎 混相流を扱う産業を概観する。
2週 気液混相流の基礎 混相流体の定義と基本的な性質について学習する。
3週 気液混相流の基礎 気液二流体モデルおよび構成方程式について概説する。
4週 気液混相流の基礎 気泡形状、気泡の運動特性、気泡・液相間相間作用を理解する。
5週 固気混相流の基礎 固気混相流の例および粒子状物質の持つ性質を概観する。
6週 固気混相流の基礎 粒子および粒子と流体間の運動量相互作用を学習する。
7週 固気混相流の基礎 粒子法や離散粒子法等の粒子流体解析法について概説する。
8週 固気混相流の基礎 粉体流動層、重力沈降、空気輸送、重力集塵、サイクロン、電気集塵を理解する。
4thQ
9週 管内混相流の流動様式 垂直管内の流動様式、水平管内の流動様式を理解する。相変化を伴う流動様式、流動様式線図を理解する。
10週 管内混相流の流動様式 全圧力損失、加速圧力損失、位置圧力損失、摩擦圧力損失を理解する。
11週 混相流における体積率 体積平均体積率、断面平均体積率を理解する。 線平均体積率、時間平均体積率を理解する。
12週 混相流における体積率 体積流量、質量流量、質量流量比を理解する。
13週 混相流における速度 見かけ速度、相平均速度、すべり速度を理解する。
14週 混相流における速度 終端上昇速度エトベス数とモルトン数を理解する。終端沈降速度、抗力係数を理解する。
15週 混相流の計測法 流速測定法、体積率測定法を理解する。流体の可視化手法、非接触測定法を理解する。
16週 学年末試験の答案返却・解説

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合600020020100
基礎的能力0000000
専門的能力600020020100
分野横断的能力0000000