熱工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 呉工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 熱工学Ⅰ
科目番号 0092 科目区分 専門 / 選択必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 平田哲夫、田中誠、熊野寛之 「例題でわかる工業熱力学」(森北出版)
担当教員 高田 一貴

到達目標

1.SI単位系に関する換算ができ、関連する問題が解けること。
2.熱と仕事に関する熱力学第一法則について理解し、関連する問題が解けること。
3.理想気体の状態変化について理解し、関連する問題が解けること。
4.熱力学第二法則とエントロピーの概念について理解し、関連する問題が解けること。
5..有効エネルギーについて理解でき、関連する問題が解けること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学の基本法則を十分に理解し、関連付けて説明できる。熱力学の基本法則を説明できる。熱力学の基本法則の一部を説明できる。
評価項目2熱力学の基本法則に関する応用問題を解くことができる。熱力学の基本法則に関する基礎的な問題を解くことができる。熱力学の基本法則に関する平易かつ基礎的な問題を解くことができる。
評価項目3熱力学の基本法則を応用した機器に関する問題を解くことができる。熱力学の基本法則を応用した機器に関する平易な問題を解くことができる。熱力学の基本法則を応用した機器に関する平易な問題の一部を解くことができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械4力学のひとつである熱力学に関する基礎的内容について理解し、より高度な技術の開発や新しい技術に対応できる能力を養成する。熱力学の知見は火力発電所、車のエンジン、冷凍機等に広く適用されており産業界を支える基幹技術でもある。第4学年前期に開講する熱工学Ⅰでは、熱工学の中でも熱力学に関する基本的事項について学習する。本科目は、企業において熱流体機器の開発・設計を担当した経験を有する教員が行う。
授業の進め方・方法:
授業では教科書に沿って基礎的事項の解説をおこない、実際にどのような場面で熱力学の知見が役に立つかを解説しながら、具体的な例題や演習をとおして理解を深める。学生にも課題を課し、基礎的事項は無論のこと、実務で必要な素養を、知識、スキルを修練する。この科目は上記内容について講義形式で授業を進める。
注意点:
専門科目は復習が極めて重要である。授業では板書を使うが、復習時には必ず自身の手で式の導出等をおこなうこと。熱力学は大学編入や専攻科入学試験の試験科目にもなっているのでしっかり取り組んでもらいたい。また、新型コロナウイルスの影響により、シラバスの一部を変更する可能性がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱力学Ⅰのシラバス説明
SI単位系の基礎
単位換算
2週 SI単位系の基礎
閉じた系、開いた系、仕事
内部エネルギー、絶対仕事、p-V線図の理解
3週 熱力学第一法則
熱と仕事の関係
エンタルピー、比熱、工業仕事の理解
4週 熱力学第一法則
演習
内部エネルギー、絶対仕事、エンタルピー、工業仕事に関する演習をとおして計算方法を習得
5週 理想気体の状態変化 理想気体のpVT関係式、等温、等圧、等容変化の理解
6週 理想気体の状態変化
演習
断熱、ポリトロープ変化の理解
各種状態量、仕事量の具体的計算方法の習得
7週 中間試験
8週 中間試験返却、解説
湿り空気の性質
空気の性質、空気線図の理解
2ndQ
9週 熱力学第二法則
可逆変化と不可逆変化
可逆・不可逆機関、熱力学第二法則の定義を理解
10週 熱力学第二法則
カルノーサイクル
サイクルの熱効率の理解と計算方法の習得
11週 熱力学第二法則
カルノー逆サイクル、冷凍サイクル
COPの理解と計算方法の習得
12週 熱力学第二法則
エントロピー
エントロピー概念の理解と計算方法の習得
13週 最大仕事と有効エネルギー エクセルギー、アネルギー、自由エネルギー概念の理解と計算方法の習得
14週 演習 熱力学第一法則、第二法則の複合演習課題
15週 学期末試験
16週 答案返却、解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4
熱力学の第一法則を説明できる。4
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4
熱力学の第二法則を説明できる。4
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4
サイクルをT-s線図で表現できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力4010000050
専門的能力4010000050
分野横断的能力0000000