熱工学

科目基礎情報

学校 呉工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 熱工学
科目番号 0250 科目区分 専門 / 選択必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 平田・田中・熊野共著「例題でわかる 工業熱力学」 (森北出版)
担当教員 高田 一貴

到達目標

前期
1.SI単位系に関する換算ができ、関連する問題が解けること.
2.熱力学第一法則とカルノーサイクルについて説明でき,関連する問題が解けること.
3.理想気体の状態変化について説明でき、関連する問題が解けること.
4.熱力学第二法則とエントロピーについて説明でき,関連する問題が解けること.
5.有効エネルギーについて説明でき、関連する問題が解けること.
後期
1.種々のガスサイクルについて説明でき、関連する問題が解けること.
2.実在気体(蒸気)について説明でき,関連する問題が解けること.
3.蒸気サイクルについて説明でき、関連する問題が解けること.
4.熱力学の一般関係式について説明でき、関連する問題が解けること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学の基本法則を十分に理解し、関連付けて説明できる.熱力学の基本法則を説明できる.熱力学の基本法則の一部を説明できる.
評価項目2熱力学の基本法則に関する応用問題を解くことができる.熱力学の基本法則に関する基礎的な問題を解くことができる.熱力学の基本法則に関する平易かつ基礎的な問題を解くことができる.
評価項目3熱力学の基本法則を応用した機器に関する問題を解くことができる.熱力学の基本法則を応用した機器に関する平易な問題を解くことができる.熱力学の基本法則を応用した機器に関する平易な問題の一部を解くことができる.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 本科の学習・教育目標 (HC) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械4力学のひとつである熱力学に関する基礎的知識について理解し,より高度な技術の開発や新しい技術に対応できる能力を養成する.熱は,エネルギーの一種であり,火力発電所,各種のエンジン,冷凍機等,その関連する分野はきわめて広い.第4学年では,熱工学のなかでも熱力学に関する基本的事項について学習する.
この科目は企業で熱流体機器の設計を担当していた教員がその経験を活かし,授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
授業では教科書に沿って基礎的事項の解説をおこない、実際にどのような場面で熱力学の知識が役に立つかを解説することに力点を置き、具体的な演習により理解を深める.学生にも演習課題を課し、基礎的事項は無論のこと、実務で必要となる知識とスキルを修練する.
この科目は上記内容について,講義形式で授業を行うものである.
注意点:
専門科目は復習が極めて重要である.授業の後は必ず自学自習をおこなうこと.熱力学は進学においても試験課題になっているので、しっかり取り組んでもらいたい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱力学の概要
SI単位系の基礎
単位換算
2週 SI単位系の基礎
閉じた系、開いた系、仕事
演習課題
内部エネルギー、内部仕事、外部仕事の理解
3週 熱力学第1法則
エンタルピー、比熱、工業仕事の理解
4週 熱力学第1法則
演習課題
内部エネルギー、エンタルピー、絶対仕事、工業仕事の計算方法の習得
5週 理想気体の状態変化 等温、等容、等圧変化の理解
6週 理想気体の状態変化
演習課題
断熱、ポリトロープ過程の理解
状態量、仕事量の具体的計算方法の習得
7週 中間試験
8週 答案返却、解説
カルノーサイクル
サイクルと熱効率の理解と計算方法の習得
2ndQ
9週 カルノー逆サイクル
冷凍サイクル
演習課題
COPの理解と計算方法の習得
10週 熱力学第2法則 可逆、非可逆機関の理解
11週 熱力学第2法則 エントロピーの概念の理解
12週 熱力学第2法則
演習課題
エントロピーの具体的計算方法の習得
13週 有効エネルギー エクセルギー、アネルギーの理解と計算方法の習得
14週 演習 熱力学第1法則、第2法則の複合課題
15週 期末試験
16週 答案返却、解説
後期
3rdQ
1週 ガスサイクル
ガス圧縮機
ガス圧縮機のP-V線図と具体的計算方法の習得
2週 ガスサイクル
オットー機関
P-V線図とT-S線図上におけるサイクルの理解
3週 ガスサイクル
ディーゼル機関
同上
4週 ガスサイクル
ブレイトンサイクル
演習
ガスタービンの効率計算、断熱効率の理解
5週 その他のガスサイクル解説 スターリングサイクル、サバテサイクルの理解
6週 ガスサイクル
演習
ガスサイクルの熱効率、排気量、出力の具体的計算方法の習得
7週 中間試験
8週 答案返却
解説
4thQ
9週 実在気体

Van der Waals式、ビリアル状態式等の理解
10週 実在気体(湿り空気) 空気の一般的性質の理解、空気線図の理解と基礎的な調湿計算の修得
11週 実在気体(蒸気) 蒸気の一般的性質の理解
蒸気線図、蒸気表の理解と乾き度の計算方法の習得
12週 実在気体(蒸気)
演習
蒸気表を用いた具体的な工業計算方法の習得
13週 蒸気サイクル P-V線図とT-S線図上におけるランキンサイクルの理解
14週 蒸気サイクル ランキンサイクル(再熱・再生サイクルを含む)の効率計算方法の習得
15週 試験
16週 答案返却
解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4
熱力学の第一法則を説明できる。4
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4後3,後10
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4後3,後10
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4後3
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4後10
熱力学の第二法則を説明できる。4
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4後3
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4後3
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4後3,後14
サイクルをT-s線図で表現できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80105500100
基礎的能力355550050
専門的能力355000040
分野横断的能力100000010