電子工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 呉工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電子工学Ⅰ
科目番号 0075 科目区分 専門 / 選択必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 大村泰久著 半導体デバイス工学 オーム社
担当教員 板東 能生

到達目標

1.半導体動作の基本となる量子論について理解する。
2.帯理論の基礎とその意味を理解する。
3.半導体中で電気伝導となる電子や正孔の数を表現する統計力学に基づく状態密度などを理解する。
4.全てのデバイスの基礎となるp-n接合の基本を理解し、その特性が計算できるようにする。
5.MOSトランジスタやBipトランジスタの構造と動作を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体動作の基本となる量子論,帯理論の基礎とその意味について適切に説明できる半導体動作の基本となる量子論,帯理論の基礎とその意味について理解できる半導体動作の基本となる量子論,帯理論の基礎とその意味について理解できない
評価項目2全てのデバイスの基礎となるp-n接合の基本を理解し、その特性が適切に説明できる全てのデバイスの基礎となるp-n接合の基本を理解し、その特性が計算できる全てのデバイスの基礎となるp-n接合の基本を理解し、その特性が計算できない
評価項目3トランジスタやMOSデバイスの動作原理と特徴を適切に説明できるトランジスタやMOSデバイスの動作原理と特徴を理解できるトランジスタやMOSデバイスの動作原理と特徴を理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
半導体の動作原理や回路技術の基礎を学ぶ。電子産業で利用されるデバイスや回路技術などを織り交ぜながら電子工学を習得する
授業の進め方・方法:
講義を基本として行う。また講義中に演習問題の実施や小テストを実施する.
注意点:
理解出来ない点や質問等があれば,適宜指導教員に質問し,講義内容を完全に理解すること。この科目は,電気情報工学科の卒業生として,必ず理解していなければならない専門科目である。分からない所は,その日の内に質問するように。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 電子工学の基礎 電子工学の基礎を理解する
2週 量子論的効果 量子論的効果について知る
3週 トンネル効果 トンネル効果の特性を理解する
4週 波動方程式 波動方程式の成り立ちを知る
5週 バンド理論 バンド理論について理解する
6週 金属電子論 金属電子論全般について知る
7週 中間試験
8週 電子状態密度 電子状態密度の考え方を理解する
4thQ
9週 半導体のバンド構造 半導体のバンド構造について理解する
10週 PN接合 PN接合の特性を理解する
11週 トランジスタ トランジスタの構造と原理を理解する
12週 電界効果トランジスタ 電界効果トランジスタの構造と原理を理解する
13週 光学デバイスの基礎 光学デバイスの基礎を理解する
14週 半導体工学 半導体工学全般について知る
15週 答案返却・解答説明
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4前5,前6
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4前8,前9
FETの特徴と等価回路を説明できる。4前14
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3前9
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。3前9
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4前2
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4前1
原子の構造を説明できる。4前2
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4前2
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4前3
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4前4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4前4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4前4
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4前5,前6
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4前8,前9
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4前11,前12,前13,前14

評価割合

試験演習相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合702000100100
基礎的能力100000010
専門的能力60200010090
分野横断的能力0000000