到達目標
1.自ら問いを立て、それを解決へと導くための方法・思考力を身につけ、それを実践できる。
2.一つの事象や表現を、様々な角度から粘り強く分析する能力および習慣を身につける。
3.ストーリーのみならず、構造や細部、時代背景に着目しながら作品を読み解く技法を身につける。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 自ら問いを立て、それを解決へと導くための方法・思考力を身につけ、それを実践できる。 | 自ら問いを立て、それを解決へと導くための方法・思考力を身につけている。 | 自ら問いを立て、それを解決へと導くための方法・思考力を身につけていない。 |
評価項目2 | 一つの事象や表現を、様々な角度から粘り強く分析する能力および習慣を身につけている。 | 一つの事象や表現を、特定の観点から分析する能力を身につけている。 | 一つの事象や表現を、特定の観点から分析する能力を身につけていない。 |
評価項目3 | ストーリーのみならず、構造や細部、時代背景に着目しながら作品を読み解く技法を身につける。 | ストーリーに着目しながら作品を読み解く技法を身につけている。 | 作品を読み解く技法が身についていない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本講義では、現代における小説・漫画・アニメーションの作品を取り上げ、作者や時代に関する背景や言説を俎上に載せながら読み解いていく。その際、作品を分析するだけにとどまらず、同時代に在る者として作品を通しいかなる思索が可能かをも問題とする。こうした内容を通じて、受講生の自由な発想と、より高度な分析力を涵養することが、この授業の主たる目的である。
授業の進め方・方法:
教員による講義を軸に授業を進める。作品ごとに、講義によって得られたことなどを中心とした小文の作成を必須とする。学期末に教材プリントや書き込み用のプリント、ワークシートなどをまとめたポートフォリオのチェックを行う。テスト情報等、Microsoft Teams上での連絡を見落とさないように注意すること。
注意点:
学修単位科目であることに鑑み、受講態度に加えて、平素の課題(授業内課題やワークシート等)への取り組み方を重視する。また受講態度が不適切である場合、相応に減点するので注意すること。学期末のポートフォリオチェックは提出点の最重要項目とする。自由な発想に基づく、積極的な理解が促進されることを期待している。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
近代社会における「日本文学」の在りようを検討し、自覚的に本授業の意義を確認できる。
|
2週 |
現代文学の形相 |
村田沙耶香、宇佐美りん、西村賢太、市川沙央などを中心に、現代日本文学の可能性について理解を深めることができる。
|
3週 |
宮﨑駿『君たちはどう生きるか』①ー「非日常」のなかの「日常」 |
作品内の「日常」と「非日常」の交差と構造を捉え、考察を深めることができる。
|
4週 |
宮﨑駿『君たちはどう生きるか』②ー「宮﨑駿の世界」と私たち |
我々の日常に自然とある「宮﨑作品」という現象が、いかなる意味を持つかについて思索を深めることができる。
|
5週 |
宇佐美りん『推し、燃ゆ』①ー「推し」という他者 |
現代社会の「推し」という現象と、そこから構築されるアイデンティティーに関して作品から考察できる。
|
6週 |
宇佐美りん『推し、燃ゆ』②ー脆弱性と多様化の現代 |
SNSの身体化と喪失から現代社会を捉え、本作品自体の社会のなかでのメカニズムや位置づけを把握できる。
|
7週 |
中間試験 |
|
8週 |
答案返却、図書館授業 |
本紹介のワークシートを作成することで、他者に対する「本」を媒介した関係という本質的文学理解の促進と実践ができる。
|
4thQ |
9週 |
東浩紀『訂正する力』①ー「訂正」はなぜ必要なのか |
現代日本の「訂正不能」状況の認識をして、学問の細分化や政治的閉塞感からなぜいま「哲学」が必要とされているのかを思索することができる。
|
10週 |
東浩紀『訂正する力』②ーシンギュラリティと人間 |
人工知能の発達がもたらすシンギュラリティと実存的人間による作家性の関係について、比較考察できる。
|
11週 |
吉田秋生①ー『ラヴァーズ・キス』の性質 |
青春ストーリーとしての切り口で普遍的問題を語るという吉田秋生の「表現」を考察することができる。
|
12週 |
吉田秋生②ー「傷」と「生きづらさ」を描くということ |
吉田秋生の作品が与える「肯定感」は誰しもが持つ可能性のある「傷」の描写からきているが、その評価がどのような性質のものであるか説明できる。
|
13週 |
岡田磨里①ー『あの花』はなぜ生まれたのか |
脚本家・岡田磨里の人生と思考をたどることで、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』の背後にある「創作」につき考察することができる。
|
14週 |
岡田磨里②ー鬱屈する登場人物たちの「魅力」 |
岡田磨里の脚本は鬱屈からの再生というグランドデザインを有しているが、各人物の「鬱屈」がどのように共感を呼ぶのか思索することができる。
|
15週 |
期末試験 |
|
16週 |
答案返却、授業ふりかえり |
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 70 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |