エネルギ変換工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 呉工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 エネルギ変換工学Ⅰ
科目番号 0126 科目区分 専門 / 選択必修/選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電気学会大学講座,「電気機器工学」(電気学会)
担当教員 横沼 実雄

到達目標

1.主な電気機器の種類および特長を基に応用分野を説明できる。
2.理想変圧器の特性に関する計算ができる。
3.変圧器の(簡易・精密)等価回路を描くことができ,各要素を説明できる。
4.変圧器の三相結線の方法と特性を,ベクトル図の描画と共に説明できる。
5.変圧器の試験方法について原理を含め説明できる。
6.損失と効率の計算ができる。
1.誘導電動機が回転する原理について説明できる。
2.誘導機の等価回路を描くことができ,各要素を説明できる。
3.単相および三相結線の方法と特性について,ベクトル図の描画と共に説明できる。
4.与えられた数値を基に円線図の作成ができる。
5.損失と効率の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1変圧器の(簡易・精密)等価回路を描くことができ,各要素を適切に説明できる変圧器の(簡易・精密)等価回路を描くことができ,各要素を説明できる変圧器の(簡易・精密)等価回路を描くことができない,または各要素を説明できない
評価項目2変圧器の結線や運用について適切に説明でき,各種試験方法から損失や効率を適切に計算できる変圧器の結線や運用,各種試験方法と損失や効率について説明できる変圧器の結線や運用,各種試験方法と損失や効率について説明できない
評価項目3誘導機の等価回路を描くことができ,各要素を適切に説明できる誘導機の等価回路を描くことができ,各要素を説明できる誘導機の等価回路を描くことができない,または各要素を説明できない
評価項目4作成した誘導機のベクトル図,円線図を用いて,損失や効率について説明および計算ができる誘導機のベクトル図,円線図が作成でき,損失や効率について説明できる誘導機のベクトル図,円線図が作成できない,または損失や効率について説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 本科の学習・教育目標 (HC) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
変圧器や誘導電動機の基礎と理論・特性を勉強することにより,これらの機器のエネルギー変換がどのように行なわれるかを理解習得する。授業では理論や特性の解説だけではなく,計算演習も取り入れている。
授業の進め方・方法:
講義を基本として行う。定期試験以外に,課題のレポート提出を課し,また講義中に小テストを実施する.
注意点:
 理解できない点が有れば随時質問し,講義内容を完全に理解すること。電気分野の重要な基礎科目であり,また電気主任技術者試験で絶対に必要な科目であるので,実験実習の内容や電気磁気学,電気回路の内容の復習を十分行って講義を受けること。省エネルギ技術の基礎として,今後とも重要な知識である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電気機器の概要 電気機器の概要(直流機,変圧器,交流回転機)について説明できる
2週 変圧器1 変圧器の材質と構造,保器類等について説明できる
3週 変圧器2 理想変圧器と実際の変圧器について説明できる
4週 変圧器3 変圧器の(簡易・精密)等価回路を描くことができ,各要素を説明できる
5週 変圧器4 変圧器の(簡易・精密)等価回路を描くことができ,各要素を説明できる
6週 変圧器5 変圧器の(簡易・精密)等価回路を描くことができ,各要素を説明できる
7週 中間試験
8週 変圧器6 変圧器の(簡易・精密)等価回路を描くことができ,各要素を説明できる
2ndQ
9週 変圧器7 変圧器の結線や運用,各種試験方法と損失や効率について説明できる
10週 変圧器8 変圧器の結線や運用,各種試験方法と損失や効率について説明できる
11週 変圧器9 変圧器の結線や運用,各種試験方法と損失や効率について説明できる
12週 変圧器10 変圧器の結線や運用,各種試験方法と損失や効率について説明できる
13週 変圧器11 変圧器の結線や運用,各種試験方法と損失や効率について説明できる
14週 変圧器12 変圧器の結線や運用,各種試験方法と損失や効率について説明できる
15週 答案返却・解答説明
16週
後期
3rdQ
1週 誘導機 誘導電動機の概要について説明できる
2週 誘導機 トルクの発生,回転機磁力について説明できる
3週 誘導機 トルクの発生,回転機磁力について説明できる
4週 誘導機 誘導電動機の材質と構造について説明できる
5週 誘導機 誘導機の等価回路を描くことができ,各要素を説明できる
6週 誘導機 誘導機の等価回路を描くことができ,各要素を説明できる
7週 中間試験
8週 誘導機  誘導機の等価回路から円線図を描くことができる
4thQ
9週 誘導機 誘導機のベクトル図,円線図が作成でき,損失や効率について説明できる
10週 誘導機 誘導機のベクトル図,円線図が作成でき,損失や効率について説明できる
11週 誘導機 誘導機のベクトル図,円線図が作成でき,損失や効率について説明できる
12週 誘導機 誘導機のベクトル図,円線図が作成でき,損失や効率について説明できる
13週 誘導機 単相誘導電動機
14週 誘導機 特殊かご形誘導電動機
15週 答案返却・解答説明
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4前4,前5,前10,後5,後6
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4前4,前5,前10,後5,後6
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4前4,前5,前10,後6
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4前4,前5,前10,後6
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4前1,前5,後1,後5,後6
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4前1,前5,後1,後5,後6
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4前4,前5,前8,後5,後6
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4前4,前5,前8,後5,後6,後13
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4前4,前5,前8,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4前4,前5,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4前4,前5,前8,前9,前10,後5,後6,後13
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4前4,前5,前8,前9,前10,後5,後6,後13
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4前3,前11,後10
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4前1,前2,前3,前5,前10,後1,後5,後6
理想変成器を説明できる。4前1,前2,前3,後1,後5
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4前1,前2,前4,前5,前10,後5,後9,後10,後11,後12,後13
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4前1,前11,後11,後12
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4前1,前11,後11,後12
電磁気導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4前2,前3,後4,後6
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4前2,前3,後4,後6
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4前2,前3,前11
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4前2,前3,前11
静電エネルギーを説明できる。4前2,前3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4前2,前3,後4
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4前2,前3,後4
ローレンツ力を説明できる。4前2,前3,後4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4前2,前3,前5,前8,前10,後1
自己誘導と相互誘導を説明できる。4前2,前3,前5,後4,後6
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4前2,前3,前5
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3前12
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3前12
FETの特徴と等価回路を説明できる。3前12
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4前8,前9,前10,後1,後14
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4前8,前9,前10,後6,後14
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4前8,前9,前10,後5,後6,後14
誘導機の原理と構造を説明できる。4後1,後2,後13,後14
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4前2,前3,前4,前5,前8,後5
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。2前1,前12,後11,後12
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。2前8,前9,前10,後10,後12
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。3前1,前12,前13
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。1前8,前9,前12,後10,後11,後12
電力システムの経済的運用について説明できる。1前8,前9,前12,後10,後11,後12
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。3前1,前13,後1,後12
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。2前1,前2,前9,前12,後12
計測SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。2前4,前5,後5,後6,後9,後10,後11,後12
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。2前4,前5,後6
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。3前4,前5,前8,前9,後6
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。3前4,前5,前8,前9,後6
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。3前4,前5,前8,前9,前12,後6,後9,後10,後11,後12
電力量の測定原理を説明できる。3前4,前5,前8,前9,前12,後6,後9,後10,後11,後12
オシロスコープの動作原理を説明できる。2前8,前9,前10,後5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000