電子工学

科目基礎情報

学校 呉工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電子工学
科目番号 0252 科目区分 専門 / 選択必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 大村泰久著 半導体デバイス工学 オーム社
担当教員 外谷 昭洋

到達目標

1.半導体動作の基本となる量子論について理解する。
2.帯理論の基礎とその意味を理解する。
3.半導体中で電気伝導となる電子や正孔の数を表現する統計力学に基づく状態密度などを理解する。
4.全てのデバイスの基礎となるp-n接合の基本を理解し、その特性が計算できるようにする。
5.MOSトランジスタトランジスタやBipトランジスタの構造と動作を理解する。

6.CMOSデバイスデバイスの構造や製造方法を学ぶ。
7.演習を通じてCMOSデバイス関連の設計や動作解析を通じて、デバイス動作の基本を理解する。
8.発光素子や受講素子の構造と動作を学び、半導体に対する理解を深める。
9.CCDデバイスの動作や基本特性を学び、アナログ回路に対する理解を深める。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体動作の基本となる量子論,帯理論の基礎とその意味について適切に理解できる半導体動作の基本となる量子論,帯理論の基礎とその意味について理解できる半導体動作の基本となる量子論,帯理論の基礎とその意味について理解できない
評価項目2全てのデバイスの基礎となるp-n接合の基本を理解し、その特性が適切に計算できる全てのデバイスの基礎となるp-n接合の基本を理解し、その特性が計算できる全てのデバイスの基礎となるp-n接合の基本を理解し、その特性が計算できない
評価項目3演習を通じてCMOSデバイス関連の設計や動作解析を通じて、デバイス動作の基本を適切に理解できる演習を通じてCMOSデバイス関連の設計や動作解析を通じて、デバイス動作の基本を理解できる演習を通じてCMOSデバイス関連の設計や動作解析を通じて、デバイス動作の基本を理解できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 本科の学習・教育目標 (HC) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
半導体の動作原理や回路技術の基礎を学ぶ。電子産業で利用されるデバイスや回路技術などを織り交ぜながら電子工学を習得する
授業の進め方・方法:
講義を基本として行う。また講義中に演習問題の実施や小テストを実施する.
注意点:
理解出来ない点や質問等があれば,適宜指導教員に質問し,講義内容を完全に理解すること。この科目は,電気情報工学科の卒業生として,必ず理解していなければならない専門科目である。分からない所は,その日の内に質問するように。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 半導体工学基礎 量子論入門
2週 半導体工学基礎 固体の帯理論
3週 半導体工学基礎 統計力学の基礎
4週 半導体工学基礎 半導体の電導機構
5週 p-n接合 電圧-電流特性
6週 p-n接合 接合容量
7週 中間試験
8週 Bipトランジスタ 構造と動作
2ndQ
9週 Bipトランジスタ 特性と応用回路
10週 金属-半導体接合 帯理論の復習と動作の理解
11週 MOSトランジスタ 構造と動作
12週 MOSトランジスタ バンド構造と電気的特性
13週 MOSトランジスタ 基本特性と回路の動作
14週 MOSトランジスタ 基本特性と回路の動作
15週 答案返却・解答説明
16週
後期
3rdQ
1週 CMOSデバイス デバイスの構造と製造方法
2週 CMOSデバイス デバイスの構造と製造方法
3週 CMOSデバイス 回路設計と動作解析
4週 CMOSデバイス 回路設計と動作解析
5週 CMOSデバイス 回路設計と動作解析
6週 CMOSデバイス 回路設計と動作解析
7週 中間試験
8週 接合型トランジスタ 構造と動作
4thQ
9週 化合物半導体の基礎 ヘテロ接合構造と動作、高周波デバイスの例
10週 発光素子の基礎と応用 構造と基本特性
11週 発光素子の基礎と応用 LED・レーザダイオードの動作
12週 受光素子の基礎と応用 受光素子の基本動作
13週 受光素子の基礎と応用 太陽電池
14週 CCDデバイス 動作と応用
15週 答案返却・解答説明
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4前5,前6,後10,後11
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4前8,前9
FETの特徴と等価回路を説明できる。4前14
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3前9
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。3前9
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4前2
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4前1
原子の構造を説明できる。4前2
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4前2
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4前3
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4前4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4前4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4前4
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4前5,前6,後10,後11
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4前8,前9
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4前11,前12,前13,前14

評価割合

試験演習相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合702000100100
基礎的能力100000010
専門的能力60200010090
分野横断的能力0000000