エネルギ制御工学実験

科目基礎情報

学校 呉工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 エネルギ制御工学実験
科目番号 0255 科目区分 専門 / 選択必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材
担当教員 横沼 実雄,外谷 昭洋

到達目標

1.トランジスタの動作と特性,各種増幅回路の原理と特性を理解する。
2.サイリスタ(SCR),ユニジャンクショントランジスタ(UJT)の静特性および位相制御回路の動作原理を理解する。
3.高周波インピーダンスの原理を理解し,計測方法を習得する。
4.四端子定数の求め方を理解する。
5.マイコンの開発手法を習得し,組込技術について理解する。

6.電力用抵抗,変圧器など基本的な実験装置の取り扱い方法を習得する。
7.各種直流機の構造と動作原理を理解し,取り扱い方法を習得する。
8.各種直流機の諸特性とその計測方法を理解する。
9.交流機の構造と動作原理を理解し,取り扱い方法を習得する。
10.交流機の諸特性とその計測方法を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1トランジスタの動作と特性,各種増幅回路の原理と特性が適切に理解できるトランジスタの動作と特性,各種増幅回路の原理と特性が理解できるトランジスタの動作と特性,各種増幅回路の原理と特性が理解できない
評価項目2マイコンの開発手法を習得し,組込技術について適切に理解できるマイコンの開発手法を習得し,組込技術について理解できるマイコンの開発手法を習得し,組込技術について理解できない
評価項目3各種電気機器の諸特性とその計測方法を適切に理解できる各種電気機器の諸特性とその計測方法を理解できる各種電気機器の諸特性とその計測方法を理解できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 本科の学習・教育目標 (HC) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前半では,交流回路網,電子デバイス,電子回路について,後半では電気機器,電力変換回路,および電力変換制御の基礎的な法則・理論について電気計測実験を行う。
授業の進め方・方法:
実験は4~5人を1班とする班単位で行い,各実験で得たデータを処理した報告書(レポート)の完成と提出をもって,その実験の完了とする。実験中,口頭試問する場合もある。
注意点:
 全ての実験テーマについてレポートを完成・提出することが,評価の必須条件となる。また,遅滞して提出されたレポートについては原則減点のため,提出期限を遵守すること。
 実験当日までに,テーマ確認および必要な事前学習を行い,手順および注意事項を頭に入れて実験に臨むこと。実験当日は,テキスト,実験ノート,関数電卓,レポート用紙および定規類を各自持参すること。実験テーマによっては危険を伴うものもあり,実験中の服装には細部まで安全配慮を徹底すること。
 実験後のデータ解析,レポート作成は極力早期に行い,不明な点があれば提出期限までに担当教員に質問して適切な指導を受けること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験全般およびレポート作成説明
2週 前期実験説明
3週 トランジスタの静特性とバイアス回路 トランジスタの静特性測定実験,実用的な回路設計法の演習・実験ができる。
4週 トランジスタ低周波増幅器の特性試験 トランジスタによるRC結合型増幅器の諸特性試験ができる。
5週 トランジスタ各種増幅器の特性試験 トランジスタによる負帰還増幅器の諸特性試験ができる。
6週 SCR及びUJTの諸特性試験 SCR,UJTの静特性測定実験,位相制御回路の諸特性試験ができる。
7週 中間試験
8週 OpenCVによる画像処理実験 Python+OpenCVを用いた画像処理プログラムを制作できる。
2ndQ
9週 Matlab/Simulinkによる制御実験 Simulinkを用いて制御工学の演習ができる。
10週 アナログフィルタ実験 フィルタ設計ツールを用いてアクティブフィルタが設計できる。
11週 マイコン実習 UARTによるシリアル通信のプログラムが制作できる。
12週 OPアンプ基礎実験 OPアンプの各種演算回路の諸特性試験ができる。
13週 提出分レポートに関する指導
14週 エネルギ制御工学演習
15週 エネルギ制御工学演習
16週
後期
3rdQ
1週 後期実験前半説明・安全指導
2週 直流分巻電動機の起動法,速度特性 直流電動機の起動試験,速度制御実験ができる
3週 直流分巻発電機の負荷特性 直流分巻発電機の無負荷試験および負荷試験ができる
4週 誘導機Ⅰ(負荷試験および力率改善,円線図法) 三相誘導電動機の諸特性試験と力率改善実験,円線図作成ができる
5週 変圧器Ⅰ(極性,三相結線) 単相変圧器による極性,巻線比測定,三相結線実験ができる
6週 エネルギ制御工学演習
7週 中間試験
8週 エネルギ制御工学演習
4thQ
9週 後期実験後半説明・安全指導
10週 同期発電機 同期インピーダンス測定のための各試験ができ,電圧変動率と規約効率の導出ができる
11週 太陽電池特性試験 太陽電池の開放および短絡試験,負荷試験ができる
12週 変圧器Ⅱ(無負荷,短絡試験) 単相変圧器の電圧変動率と規約効率の導出,実負荷試験ができる
13週 誘導機Ⅱ(誘導発電機) かご型誘導機による発電実験と出力特性の測定および円線図による検討ができる
14週 エネルギ制御工学演習
15週 エネルギ制御工学演習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,後2,後3,後4,後5,後10,後11,後12,後13
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,後2,後3,後4,後5,後10,後11,後12,後13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前12,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,後1,後2,後3,後4,後5,後9,後10,後11,後12,後13
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,後1,後2,後3,後4,後5,後9,後10,後11,後12,後13
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,後1,後2,後3,後4,後5,後9,後10,後11,後12,後13
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前1,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,後2,後3,後4,後5,後10,後11,後12,後13
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,後1,後2,後3,後4,後5,後9,後10,後11,後12,後13
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,後2,後3,後4,後5,後9,後10,後11,後12,後13
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,後1,後2,後3,後4,後5,後9,後10,後11,後12,後13
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,後1,後2,後3,後4,後5,後10,後11,後12,後13
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4前3,前4,前5,前9,前10,前12,後1,後2,後3,後4,後5,後10,後12,後13
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4前3,前4,前5,前6,前10,前12,後4,後5,後12,後13
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,後1,後2,後3,後4,後5,後10,後11,後12,後13
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。4前4,前5,前10,前12,後1,後4,後10,後13
共振について、実験結果を考察できる。4前10,後4,後13
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。4前3,前4,前5,前12
論理回路の動作について実験結果を考察できる。4前11
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4前3,前6,後11
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4前3,前4,前5,前6
ディジタルICの使用方法を習得する。4前11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00040600100
基礎的能力0000000
専門的能力00040600100
分野横断的能力0000000