概要:
前期は、水理学で学ぶ内容の妥当性を実験により確認することで、水理学の基礎知識と基本原理を体得する。。後期は、環境衛生実験と構造実験を行う。環境衛生実験では微生物の植菌の仕方、滅菌法や培養法などの扱い方、微生物からDNAの調整などの実験を行う。構造実験では鉄筋コンクリートはりの載荷実験を通じて、RC構造の破壊形態の違いを観察するとともに、たわみや各種耐力の算定を行う。本実験実習は就職と進学の両方に関連する。また、班編成による実験の実施や、データ整理・分析、レポート作成を通じて、コミュニケーション力、工夫する力、問題解決力、プレゼンテーション力など人間力を身に付けることができる。
授業の進め方・方法:
水理実験 : 6班に編成する。実験を行う班とデータの整理・分析を行う班に分かれ、実験①~⑦をローテーションで行う。
環境衛生実験,構造実験:2グループに分かれてそれぞれ7週の実験を交互に実施する。
注意点:
班によって実験の順序は異なる。実験に適した服装と履物を着用し、事故がないよう特に注意すること。レポート作成時に疑問点があれば積極的に図書館を利用するなど、自ら調べる姿勢を培うこと。
水理実験 : 流体の現象は目で見ても大変面白い。実験は比較的簡単であるので、その分よく現象を観察してほしい。
環境衛生実験 : 水酸化ナトリウムやフェノール:クロロホルム溶液などの劇物を扱う際は十分注意すること。また、外から他の微生物が入り込むことによるコンタミネーションが起こらないように注意を払いながら実験を行う。
構造実験 : 2、3年次に学習した内容も含まれるので,忘れている内容を復習して理解すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
実験のガイダンス |
水理実験の概要を理解し、座学の内容と関連付ける
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2週 |
水理実験① |
マノメーターによる圧力差の測定ができる
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3週 |
データ整理・分析、レポート仕上げ |
実験内容をレポートにまとめて、静水力学について理解を深める
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4週 |
水理実験② |
直角三角せきの検定を行い、流量測定ができる
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5週 |
データ整理・分析、レポート仕上げ |
実験内容をレポートにまとめて、ベルヌーイの定理について理解を深める
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6週 |
水理実験③ |
ベンチュリメーターの検定を行い、流量測定ができる
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7週 |
データ整理・分析、レポート仕上げ |
実験内容をレポートにまとめて、ベルヌーイの定理について理解を深める
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8週 |
水理実験④ |
層流・乱流を観測し、レイノルズ数を算定できる
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2ndQ |
9週 |
データ整理・分析、レポート仕上げ |
実験内容をレポートにまとめて、層流・乱流について理解を深める
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10週 |
水理実験⑤ |
管水路の摩擦損失係数の算定ができる
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11週 |
データ整理・分析、レポート仕上げ |
実験内容をレポートにまとめて、管水路流れについて理解を深める
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12週 |
水理実験⑥ |
常流・射流および跳水に関する実験ができる
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13週 |
データ整理・分析、レポート仕上げ |
実験内容をレポートにまとめて、常流・射流、跳水について理解を深める
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14週 |
水理実験⑦ |
開水路の流速分布の測定ができる
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15週 |
データ整理・分析、レポート仕上げ |
実験内容をレポートにまとめて、開水路流れについて理解を深める
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
環境衛生実験および構造実験の概要を理解し、座学の内容と関連付ける
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2週 |
遺伝子工学実験の準備 微生物培地の作製 |
寒天培地と液体培地の作製法を理解する。
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3週 |
微生物培養液からDNAの調整 |
培養液からDNAの調整法の原理、手順、薬品、器具などの理解を深める
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4週 |
微生物培養液からDNAの調整 制限酵素によるDNAの切断 |
手順に従い、適切に実験を進めることができる。制限酵素の使い方を理解し、実験を適切に行うことができる
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5週 |
PCR法によるDNAの増幅 |
手順に従い、適切に実験を進めることができる。
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6週 |
アガロースゲル電気泳動によるDNAの分析 |
手順に従い、適切に実験を進めることができる。アガロースゲル電気泳動の原理を理解し、実験を適切に行うことができる。
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7週 |
微生物の扱い方 |
手順に従い、適切に実験を進めることができる。滅菌法、植菌法、培養法を理解する。
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8週 |
遺伝情報解析演習、(パソコン使用) |
遺伝情報解析に用いられるソフトウエアの使い方を理解し、解析を適切に行うことができる
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4thQ |
9週 |
鉄筋コンクリートはりの作製 |
骨材準備,鉄筋加工,型枠組み,配合計算を行うことができる
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10週 |
鉄筋コンクリートはりの作製 |
骨材準備,鉄筋加工,型枠組み,配合計算を行うことができる
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11週 |
鉄筋コンクリートはりの作製 |
コンクリート打設を行うことができる
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12週 |
載荷実験準備 |
適切に作業を進めることができる
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13週 |
載荷実験 |
適切に実験を進め、力学的な視点で観察することができる
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14週 |
レポート作成 |
実験内容をレポートにまとめて、載荷試験について理解を�
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15週 |
供試体撤去 |
適切に作業を進めることができる
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術 | 工学実験技術 | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 建設系分野(実験・実習能力) | 建設系分野(実験・実習能力) | 各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。 | 4 | 後9,後10,後11,後12,後13 |
層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。 | 4 | 前8,前9 |
各種の流量測定の方法を理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7 |
常流・射流・跳水に関する実験について理解し、実験ができる。 | 4 | 前12,前13 |