エンジニアリングデザイン

科目基礎情報

学校 呉工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 エンジニアリングデザイン
科目番号 0139 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 環境都市工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 6
教科書/教材
担当教員 河村 進一,大田 一夫

到達目標

1. 道路計画にかかわる現状の分析と評価ができる
2. 道路計画案3ルートから経済性・社会的影響などを勘案して最適なルート選定ができる
3. 発表会において,道路計画の概要について効果的なプレゼンテーションができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1道路計画にかかわる現状の分析と評価が正しくできる道路計画にかかわる現状の分析と評価がある程度できる道路計画にかかわる現状の分析と評価ができない
評価項目2道路計画案3ルートから経済性・社会的影響などを勘案して最適なルート選定ができる道路計画案3ルートから経済性・社会的影響などを勘案してある程度説得力があるルート選定ができる道路計画案3ルートから経済性・社会的影響などを勘案してルート選定をすることができない
評価項目3発表会において,道路計画の概要について説得力のある効果的なプレゼンテーションができる発表会において,道路計画の概要についてある程度効果的なプレゼンテーションができる発表会において,道路計画の概要についてプレゼンテーションがほとんどできない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 本科の学習・教育目標 (HC) 説明 閉じる
JABEE 環境都市(G) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 道路の計画から設計までの概略を演習形式で体験し,建設技術者に必要なエンジニアリングデザイン能力を養う科目である。道路建設において,自然環境を全く破壊せずに低コストで高規格の道路を計画することは困難であり,各種条件を把握した上で,実施可能な計画を立案して,地域住民や関連する事業者等に説明する必要がある。この演習では,実際に建設事業を行うことを想定して,少人数のチームで,実現可能なプロジェクトの計画を立案して,その計画案を図面に示すとともにパワーポイントによるプレゼンテーションにより,そのプロジェクトについて説明できるようにする。専門分野における持続可能な開発計画事例(道路の計画)にかかわる応用発展的事項に関する知識を身に付け,問題解決に活かすことができる。地域の特徴・道路のニーズを把握し,自然環境や周囲の住民等へ配慮した道路計画ができることをめざす。
 この科目は,道路計画に関する実践的な演習形式で授業を行うものである。全16週のうち,6,9,11,13,14週を建設コンサルタントとして道路計画の実務経験を有する講師(大田)が演習指導を担当する。
授業の進め方・方法:
 道路計画など関連する内容の講義をした後,6人程度のグループで道路の現状評価から計画・概略設計までを行う。本演習では,実務に近い内容での作業を通して,リーダーシップ,チーム内でのコミュニケーション,協調性,問題解決能力,計画的に作業をすすめる能力,成果の概要を説明する能力など,実際に仕事をするときに必要な様々な能力を身に付ける。
注意点:
 高専5年間の学習の総仕上げとして,これまで学んできた科目等の知識をすべて使うとともに,実務で道路計画をする上でのバイブルである「道路構造令の解説と運用」の内容を確認しながら演習を進めます。
 公務員を目指す学生はもちろん,民間企業へ就職する学生も道路計画・設計の概略を体験し,インフラ整備のプロジェクト全体の流れをつかむことは,有意義であると思います。
 演習問題や概略設計図面の作成に必要ですので,各自,電卓・製図道具(製図用コンパス)・三角定規・三角スケールを持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 道路計画の概要 道路の役割,道路計画の流れ,調査項目と内容,交通量推計などを説明できる
2週 道路構造の基礎 道路構造の名称,構造物の機能,図面の見方が説明できる
3週 道路構造令の講義1 道路の区分と設計速度,横断面構成,線形および視距について説明できる
4週 道路構造令の講義2 平面交差,立体交差の構造と特徴を説明できる
5週 道路計画演習1 設計条件の整理(道路の性格,幅員構成,コントロールポイント)ができる
6週 道路計画演習2 路線選定 比較ルート3案を図面上に描くことができる
7週 道路計画演習3 道路平面図を作成できる
8週 道路計画演習4 縦断図と3案の比較資料を作成できる
2ndQ
9週 中間発表 本命ルート選定の過程について発表できる
10週 道路計画演習5 本命ルートの概略設計ができる
11週 道路計画演習6 本命ルートの平面図を作成できる
12週 道路計画演習7 本命ルートの縦断図を作成できる
13週 道路計画演習8 本命ルートの横断図を作成できる
14週 最終発表会 道路概略設計の過程および設計成果の内容を発表できる
15週 期末試験 課題の理解度,問題解決能力を問う問題,グループ内の相互評価を行う
16週 まとめ 計画概要書を取り纏めて提出できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野測量等高線の性質とその利用について、説明できる。4前2,前8
単心曲線、緩和曲線、縦断曲線が説明できる。4前6,前7
環境環境と人の健康との関わりを説明できる。4前5,前14
過去に生じた公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)について、説明できる。4前14
騒音の発生源と現状について、説明できる。4前14
環境影響評価の目的を説明できる。4前1
環境影響評価の現状(事例など)を説明できる。4前1
計画風景、景観と景観要素について、説明できる。4
都市の防災構造化を説明できる。4
交通流、交通量の特性、交通容量について、説明できる。4前1
性能指標に関する道路構造令の概要を説明できる。4前1,前2
製図線と文字の種類を説明できる。4前7,前8
平面図形と投影図の描き方について、説明できる。4前7,前8,前11,前12,前13
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合2040100300100
基礎的能力0000000
専門的能力10200020050
分野横断的能力102010010050