鋼構造Ⅰ

科目基礎情報

学校 呉工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 鋼構造Ⅰ
科目番号 0191 科目区分 専門 / 選択必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 原,山口,北原,和多田:「鋼構造学」(コロナ社)
担当教員 河村 進一

到達目標

1.鋼構造物の種類や特徴を理解している。
2.橋梁の計画,設計,施工,維持管理の概略を理解している。
3.鋼橋を構成する部材の力学的特性を理解している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1鋼構造物の種類や特徴を理解し,わかりやすく説明できる。鋼構造物の種類や特徴を理解している。鋼構造物の種類や特徴をほとんど理解していない。
評価項目2橋梁の計画,設計,施工,維持管理の概略を理解し,わかりやすく説明できる。橋梁の計画,設計,施工,維持管理の概略を理解している。橋梁の計画,設計,施工,維持管理の概略をほとんど理解していない。
評価項目3鋼橋を構成する部材の力学的特性をふまえ,部材の安全性照査を適切に行うことができる。鋼橋を構成する部材の力学的特性を理解し,部材の安全性照査ができる。鋼橋を構成する部材の力学的特性をほとんど理解していない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE 環境都市(F) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
土木分野の代表的な鋼構造物である鋼橋を対象として,鋼材の性質を踏まえ,長期にわたって健全な鋼構造物を計画・設計・施工・維持管理するために必要となる知識と設計に関する基本的な考え方を教授する。本授業では鋼構造物を扱う企業等の進路に関係するトピックスを適宜紹介する。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って鋼橋の特徴,計画,設計,施工,維持管理に関して講義する。
オンライン授業・対面授業にかかわらず,資料配布・宿題等提出等はTeamsで行う。
オンライン授業の場合は,同時双方向授業をTeams会議で行う。
【自学自習の実施内容と確認方法】(学修単位は,1単位当たり15時間の授業と30時間の自学自習が必要です。)
予習: 授業で進む範囲の教科書を読んで,予備知識をつけて授業に臨むこと。
復習: 授業中に配布したプリント・宿題や演習問題を解いて理解度をチェックする。Teams課題で宿題の提出をさせポートフォリオとして評価する。
注意点:
鋼構造はコンクリート構造とならんで,社会基盤施設に多用される構造である。橋梁の設計では,材料の特性や構造形式の特徴を生かしたデザインが重要である。しっかりと基礎を学んで構造物のデザインに生かせるようになってほしい。
提出物等は各自でオリジナルのものを作成すること。他の学生の提出物やインターネット上の文書の丸写しなど盗作に当たるようなものは合格点を与えない。
(5/16~6/20)広島県に緊急事態宣言が発令され授業回数が週2回となった。授業日および授業計画の変更はTeamsに掲載しているので確認しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
1章 鋼構造概論(p.1-8)
1.1 鋼構造の歴史,1.2 鋼構造の実構造物への適用
鋼構造の歴史,鋼構造の実構造物への適用について説明できる
2週 1章 鋼構造概論(p.8-22)1.3 鋼構造の特徴,1.4 鋼材の種類と性質 鋼構造の特徴,鋼材の種類と性質について説明できる
3週 1章 鋼構造概論(p.19-23)1.4 鋼材の種類と性質 (前回の続き),1.5 鋼構造部材に求められる性能 部材に求められる性能について説明できる
4週 2章 鋼橋の計画および設計(p.24-33)
2.1 鋼橋の構成,2.2 鋼橋の分類
鋼橋の構成,鋼橋の分類,構造形式について説明できる
5週 2章 鋼橋の計画および設計(p.33-42)
2.3 構造形式,2.4 調査および計画
橋梁の調査および計画の概略について説明できる
6週 2章 鋼橋の計画および設計(p.43-58)
2.5 設計,2.6 設計荷重,2.7 疲労設計
設計荷重,疲労設計について説明できる
7週 平成29年道路橋示方書改定の要点 平成29年道路橋示方書の改定について,限界状態設計法・部分係数設計法による照査と従来の許容応力度設計法との違いが説明できる
8週 中間試験までのまとめ
4thQ
9週 中間試験
10週 3章 鋼橋に用いられる部材の力学的特性(p.59-75)
3.1 圧縮部材,3.2 引張部材,3.3 曲げ部材
圧縮部材の力学的特性,特にオイラーの座屈荷重と設計における考え方を説明できる引張部材および曲げ部材の設計の概略について説明できる
11週 3章 鋼橋に用いられる部材の力学的特性(p.75-80)
3.4 接合
鋼材の接合,特に溶接と高力ボルト接合について説明できる
簡単な部材の摩擦接合型高力ボルト接合の設計計算ができる
12週 4章 プレートガーダー橋の設計実務(p.81-109)
 主に 4.4 床版設計 4.5主桁の設計
鋼プレートガーダー橋のRC床版および主桁の設計計算の概要を説明できる
13週 5章 鋼橋の製作と架設(p.143-171)
5.1 鋼橋の製作,5.2 鋼橋の架設
鋼橋の製作および架設について説明できる
14週 6章 鋼構造物の維持管理(p.172-196)
6.1 鋼橋の損傷事例,6.2 疲労と腐食,6.3 点検調査,6.4 補修・補強,6.5 ライフサイクルと環境負荷
鋼橋の維持管理,ライフサイクルについて説明できる
15週 期末試験
16週 答案返却・解答説明

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4後10
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。4後2
橋の構成、分類について、説明できる。4後4
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。4後6
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。4後7
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。4後10
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。4後11
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。4後12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力0000000
専門的能力60000400100
分野横断的能力0000000