俯瞰学

科目基礎情報

学校 呉工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 俯瞰学
科目番号 0050 科目区分 一般 / 選択必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 各ワークに応じて提供する
担当教員 林 和彦,谷村 仰仕

到達目標

1.問題や課題の構造を多角視することができる。
2.エンパシーの必要性を認識できる。
3.立場や考え方の異なる他者と対話することができる。
4.自己の体験を振り返り、経験に編集することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1問題や課題の構造を多角視することができる。問題や課題に構造があることを理解できる。問題や課題に構造があることを理解することができない。
評価項目2エンパシーの必要性を認識できる。エンパシーとシンパシーの違いを説明できる。エンパシーとシンパシーの違いを説明できない。
評価項目3立場や考え方の異なる他者と対話することができる。会話と対話の違いを説明できる。会話と対話の違いを理解できない
評価項目4自己の体験を振り返り、経験に編集することができる。体験と経験の違いを説明できる。体験と経験の違いを説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 本科の学習・教育目標 (HD) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
俯瞰とは「高いところから見下ろす」という意味があります。しかし、俯瞰という行為には、単に「鳥の目」で見て全体を把握するだけでなく、ある視点から見ただけでは理解できなかった問題を視点を多角的にズラしたり、時間軸も含めた視る範囲を変化させることで、問題の原因を把握し、問題が起こった成り立ちを理解することで解決の糸口を見出すといった意味も含まれます。俯瞰学では、後者の広い意味での”俯瞰”について体験的に学ぶ機会を提供します。
現代社会では、”俯瞰”する必要性が高まっています。未曾有でかつ地球規模の問題が次々に起こり、解決するためには、一人一人が自分なりの視点から問題と向き合いつつ、自分とは異なる文化や価値観をもった他者と対話し、協働していくことが必要不可欠だからです。この授業では、仲間たちと対話しながら協働する課題を通じて、学生一人一人が、自己理解と他者理解を深め、過去-現在-未来の自己と社会の関係性を把握し、問題を協創的に解決するといった”俯瞰”スキルの習得を目指します。
授業の進め方・方法:
主にワークショップ形式で、体験をベースにした授業を行います。
注意点:
グループワークでは、発言することが求められます。上手く喋れる必要性はありませんので、発話することを意識して下さい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
俯瞰って何? 俯瞰がない時とある時 
「バイアス」の存在について
授業の目的と内容を確認する。
俯瞰の動機と俯瞰の限界性を理解できる。
2週 俯瞰の道具Ⅰ 反対側
「ルインの壺」
物事の見るときにある視点と反対側を意識して見れるようになる。
3週 俯瞰の道具Ⅱ 言語化
言葉の功と罪について、ファンタジー
言語化の良いところとその限界を理解できる。実際に言語化することで心境の変化を把握する。
4週 俯瞰の道具Ⅲ フィールドワーク
身の回りの観察をしてみる
身の回りのフィールドワークを通じて、多角的な視点で日常を見ることの面白さと限界について体験的に理解できている。
5週 俯瞰の道具Ⅳ ブリ・コラージュ 多面性
ありモノで仮面を作って被ってみる
身の回りにあるモノで即興で仮面を制作し、被ることで自分を相対化する面白さと限界について体験的に理解できている
6週 俯瞰の道具Ⅴ みる⇄描く
outputがinputの精度を高める
多視点で描くことで、見ることの限界と想像的な補完の面白さについて体験的に理解できている
7週 俯瞰の実践  スキットワーク基礎編①
シンパシーとエンパシー
シンパシーとエンパシーの違いを説明できる。即興演劇によって、色んな役になってみることでエンパシーの面白さと限界について体験的に理解できている。
8週 俯瞰の実践  スキットワーク基礎編②
心の受け身
エンパシーの重要性について説明できる。
スキットとエンパシーの関係性について体験的に理解できている。
2ndQ
9週 俯瞰の実践  スキットワーク応用編①
ワークショップでスキットを創作してみる⑴
エンパシーをテーマにスキットを創作することで、エンパシーの重要性について理解を深めることができる。
10週 俯瞰の実践  スキットワーク応用編②
創作したスキットを発表し合う⑴
エンパシーをテーマに創作したスキットを発表し合い、互いにコメントし合うことで、スキットやエンパシーについて理解を深めることができる。
11週 俯瞰の実践  スキットワーク応用編③
ワークショップでスキットを創作してみる⑵
エンパシーをテーマにスキットを創作することで、エンパシーの重要性について理解を深めることができる。
12週 俯瞰の実践  スキットワーク応用編④
創作したスキットを発表し合う⑵
エンパシーをテーマに創作したスキットを発表し合い、互いにコメントし合うことで、スキットやエンパシーについて理解を深めることができる。
13週 俯瞰の実践  スキットワーク応用編⑤
創作したスキットをブラッシュアップする
仲間と協働しながらスキットをブラッシュアップすることで対話することの面白さや重要性について理解することができる
14週 俯瞰の実践  スキットワーク最終発表①
グループ発表
エンパシーをテーマに創作したスキットを発表し合い、互いにコメントし合うことで、スキットやエンパシーについて理解を深めることができる。
15週 俯瞰の実践  スキットワーク最終発表②
全体発表
エンパシーをテーマに創作したスキットを発表し合い、互いにコメントし合うことで、スキットやエンパシーについて理解を深めることができる。
16週 振り返るという俯瞰Ⅲ
俯瞰学を振り返る
俯瞰を俯瞰することの効用を理解している。作り手目線(当事者側)で物事を捉えることができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00020800100
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力00020800100