概要:
建築設計製図は総合的な視点で建築技術を捉え、具体的な建築を設計し図面で表現する科目である。本科目では、中規模程度の公共建築を計画、設計、製図できる能力を習得するために、以下の項目を目的とする。 本演習は建築を体系的に捉えながら学力を身につけ、就職および進学に関連する。
①美術館を含む複合施設、小学校といった公共建築を計画設計できる能力を習得する。
②コンセプチュアルな課題に対する設計・製図手法を習得する。
③製図法に則った図面表現および、建築の空間的、立体的な表現ができる能力を習得する。
④自分が設計した建築を発表する能力を習得する。
⑤デザイン探求の3次元的思考能力、建築史と倫理、芸術、技術、人文科学を応用する能力、美的・技術的なデザイン能力、建築デザイン力を習得する。
授業の進め方・方法:
演習はグループに分け、担当教員が学生の能力に応じ個別指導する。初期段階では、コンセプトやエスキスなどを添削する。製図段階では、図面作成や模型写真、レイアウトを指導する。講評会を行い設計案の講評をする。
注意点:
建築設計の能力を向上させるためには、日頃から図書館にある最新の建築雑誌や建築作品集などを見ることが重要である。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 設計・製図 | 製図用具の特性を理解し、使用できる。 | 4 | |
線の描き分け(3種類程度)ができる。 | 4 | |
文字・寸法の記入を理解し、実践できる。 | 4 | |
建築の各種図面の意味を理解し、描けること。 | 4 | |
図面の種類別の各種図の配置を理解している。 | 4 | |
図面の尺度・縮尺について理解し、図面の作図に反映できる。 | 4 | |
立体的な発想とその表現(例えば、正投象、単面投象、透視投象などを用い)ができる。 | 4 | |
ソフトウェアを用い、各種建築図面を作成できる。 | 4 | |
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。 | 4 | |
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。 | 4 | 前1 |
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。 | 4 | 前2 |
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。 | 4 | 前3 |
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。 | 4 | 前4 |
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。 | 4 | 前5 |
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる。 | 4 | 前6 |
建築の構成要素(形と空間の構成)について説明できる。 | 4 | 前7 |
建築における形態(ものの形)について説明できる。 | 4 | 前8 |
分野別の工学実験・実習能力 | 建築系分野【実験・実習能力】 | 建築系【実験実習】 | 実験の目的と方法を説明できる。 | 4 | |
建築に用いる構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)の物理的特性を実験により明らかにすることができる。 | 4 | |
実験結果を整理し、考察できる。 | 4 | |
実験の目的と方法を説明できる。 | 4 | |
構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)によるいずれかの構造形式(ラーメン、トラスなど)の試験体を用い、載荷実験を行い、破壊形状と変形の性状を観察することができる。 | 4 | |
実験結果を整理し、考察できる。 | 4 | |
実験の目的と方法を説明できる。 | 4 | |
建築を取巻く環境(例えば音、光、温度、湿度、振動など)を実験により把握できる。 | 4 | |
実験結果を整理し、考察できる。 | 4 | |
建築生産で利用されている測量(例えば、レベル、トランシット、トータルステーション、GPS測量など)について機器の取り扱いができる。 | 4 | |
測量の結果を整理できる。 | 4 | |
分野横断的能力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 3 | |
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。 | 3 | |
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 3 | |
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 3 | |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 3 | |
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。 | 3 | |