建築設計製図Ⅳ

科目基礎情報

学校 呉工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 建築設計製図Ⅳ
科目番号 0099 科目区分 専門 / 選択必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 日本建築学会編『コンパクト設計資料集成』第3版、丸善、2005年。
担当教員 篠部 裕,間瀬 実郎,下倉 玲子,鍵山 昌信,穂垣 友康,吉田 豊,安 箱敏,宮崎 崇文

到達目標

1.中規模程度の建築に於ける所要室の的確な規模と配置、的確な動線計画ができる(公共建築)
2.意匠性のある設計ができる(公共建築・デザインコンペティション)
3.コンセプトメイキング(構想力)と新しい空間の提案ができる(デザインコンペティション)
4.適切な図面表現、空間表現、および立体表現ができる(公共建築・デザインコンペティション)
5.効果的なプレゼンテーション能力の習得(公共建築・デザインコンペティション)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1中規模程度の建築に於ける所要室の的確な規模と配置、的確な動線計画が適切にできる中規模程度の建築に於ける所要室の的確な規模と配置、的確な動線計画ができる中規模程度の建築に於ける所要室の的確な規模と配置、的確な動線計画ができない
評価項目2意匠性のある設計が適切にできる意匠性のある設計ができる意匠性のある設計ができない
評価項目3コンセプトメイキング(構想力)と新しい空間の提案が適切にできるコンセプトメイキング(構想力)と新しい空間の提案ができるコンセプトメイキング(構想力)と新しい空間の提案ができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 本科の学習・教育目標 (HC) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 建築設計製図は総合的な視点で建築技術を捉え、具体的な建築を設計し図面で表現する科目である。本科目では、中規模程度の公共建築を計画、設計、製図できる能力を習得するために、以下の項目を目的とする。 本演習は建築を体系的に捉えながら学力を身につけ、就職および進学に関連する。
①美術館を含む複合施設、小学校といった公共建築を計画設計できる能力を習得する。
②コンセプチュアルな課題に対する設計・製図手法を習得する。
③製図法に則った図面表現および、建築の空間的、立体的な表現ができる能力を習得する。
④自分が設計した建築を発表する能力を習得する。
⑤デザイン探求の3次元的思考能力、建築史と倫理、芸術、技術、人文科学を応用する能力、美的・技術的なデザイン能力、建築デザイン力を習得する。
授業の進め方・方法:
 演習はグループに分け、担当教員が学生の能力に応じ個別指導する。初期段階では、コンセプトやエスキスなどを添削する。製図段階では、図面作成や模型写真、レイアウトを指導する。講評会を行い設計案の講評をする。
注意点:
 建築設計の能力を向上させるためには、日頃から図書館にある最新の建築雑誌や建築作品集などを見ることが重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第1課題:美術館を含む複合施設 説明 地域の活性化の一環として、各地でその地域性を生かした特色のある複合施設が建てられている。ここでは、ある特定の場所に特定の目的をもたせた美術館を含む建築物である。周辺環境をよく考慮し、美術館機能を含む複合的な機能を的確に配置した複合施設を設計する。 
2週 コンセプト・エスキス
3週 コンセプト・エスキス
4週 コンセプト・エスキス
5週 コンセプト・エスキス
6週 コンセプト・エスキス
7週 製図
8週 製図
2ndQ
9週 製図
10週 提出、講評会
11週 第2課題:デザインコンペティション 説明
 全国高専デザインコンペティションの課題は毎年異なるため、出題意図をよく理解して、コンセプトを作成する必要がある。規模や計画性を押さえることはもちろんであるが、新しい空間の提案性が求められるため、コンセプトメイキングに時間を掛け設計する。
12週 コンセプト・エスキス
13週 製図
14週 製図
15週 提出、講評会
16週 提出、講評会
後期
3rdQ
1週 第3課題:小学校 説明
 近年、地域が求める小学校は、児童の安全性と地域への開放であり、IT化が進む中、教室等の室内空間も大きく変わりつつある。児童が安心して勉強でき、積極的な学習意欲が啓発され、しかも地域と連携し得るような小学校を設計する。
2週 コンセプト・エスキス
3週 コンセプト・エスキス
4週 コンセプト・エスキス
5週 コンセプト・エスキス
6週 コンセプト・エスキス
7週 コンセプト・エスキス
8週 コンセプト・エスキス
4thQ
9週 製図
10週 製図
11週 製図
12週 製図
13週 提出、講評会
14週 第4課題:短期課題
 短期課題/設計演習・トレース/2級建築士設計製図試験課題
15週 第4課題:短期課題
16週 第4課題:短期課題

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野設計・製図製図用具の特性を理解し、使用できる。4
線の描き分け(3種類程度)ができる。4
文字・寸法の記入を理解し、実践できる。4
建築の各種図面の意味を理解し、描けること。4
図面の種類別の各種図の配置を理解している。4
図面の尺度・縮尺について理解し、図面の作図に反映できる。4
立体的な発想とその表現(例えば、正投象、単面投象、透視投象などを用い)ができる。4
ソフトウェアを用い、各種建築図面を作成できる。4
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。4
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。4前1
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。4前2
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。4前3
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。4前4
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。4前5
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる。4前6
建築の構成要素(形と空間の構成)について説明できる。4前7
建築における形態(ものの形)について説明できる。4前8
分野別の工学実験・実習能力建築系分野【実験・実習能力】建築系【実験実習】実験の目的と方法を説明できる。4
建築に用いる構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)の物理的特性を実験により明らかにすることができる。4
実験結果を整理し、考察できる。4
実験の目的と方法を説明できる。4
構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)によるいずれかの構造形式(ラーメン、トラスなど)の試験体を用い、載荷実験を行い、破壊形状と変形の性状を観察することができる。4
実験結果を整理し、考察できる。4
実験の目的と方法を説明できる。4
建築を取巻く環境(例えば音、光、温度、湿度、振動など)を実験により把握できる。4
実験結果を整理し、考察できる。4
建築生産で利用されている測量(例えば、レベル、トランシット、トータルステーション、GPS測量など)について機器の取り扱いができる。4
測量の結果を整理できる。4
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合010010800100
基礎的能力0000000
専門的能力010010800100
分野横断的能力0000000