数学応用工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 呉工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 数学応用工学Ⅰ
科目番号 0005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 プロジェクトデザイン工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 適宜プリントなどを配布する。
担当教員 平松 直哉

到達目標

1. 線形空間の構造と、線形写像と行列の関係が理解できる。
2. 符号理論の考え方が理解できる
3. 力学系の考え方が理解できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1線形空間の構造と、線形写像と行列の関係が適切に理解できる線形空間の構造と、線形写像と行列の関係が理解できる線形空間の構造と、線形写像と行列の関係が理解できない
評価項目2符号理論の考え方が適切に理解できる符号理論の考え方が理解できる符号理論の考え方が理解できない
評価項目3力学系の考え方が適切に理解できる力学系の考え方が理解できる力学系の考え方が理解できない

学科の到達目標項目との関係

専攻科 (SB) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ベクトル,関数,行列など通常取り扱う集合の多くは、その要素同士の和・差などの演算が定義されている。その枠組みを研究するのが代数といわれる分野である。本講義では、その一分野である線形代数について、本科で習得した内容を基礎として、これを発展・拡張した内容を学ぶ。さらに、線形代数の工学への応用例である符号理論や力学系について学ぶ。(本授業は学力を身につけることができる.)
授業の進め方・方法:
講義および演習を基本とする.
注意点:
最初はイメージがつかめなくて理解が難しいかもしれません、そのようなときは、具体的な例について考察し、抽象的な定義と比較することで概念が理解できると思います。例えば、線形空間の定義が分かりにくければ、平面ベクトルの場合を考えてみましょう。線形写像が分かりにくければ、行列を考えてみましょう。教科書の指定はしませんが、授業中に適宜、関連する参考書を紹介します。図書館などで文献を探して、積極的に学習してください。担当教員への質問も大いに歓迎します。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、有限体について
主:三浦准教授 副:平松講師
授業の進め方が理解できる。有限体の構造が説明できる。
2週 線形空間(1)
主:三浦准教授 副:平松講師
線形空間の定義が説明でき、1次独立と1次従属の判定ができる。
3週 線形空間(2)
主:三浦准教授 副:平松講師
部分空間について説明でき、基底を次元の定義を述べることができる。
4週 線形空間(3)
主:三浦准教授 副:平松講師
線形写像と行列の関係を説明でき、像空間と核空間を求めることができる。
5週 線形空間(4)
主:三浦准教授 副:平松講師
連立1次方程式の考え方を説明でき、実際に解くことができる。
6週 符号の考え方(1)
主:石田准教授 副:平松講師
符号化について説明でき、種々の符号化の具体例を理解する。誤り訂正符号について説明できる。
7週 符号の考え方(2)
主:石田准教授 副:平松講師
ハミング符号について説明でき、ハミング符号の生成行列を判定できる。
ハミング符号の誤り訂正を行うことができる。
8週 符号の考え方(3)
主:石田准教授 副:平松講師
線形符号について説明でき、線形符号の生成行列を求めることができる。
4thQ
9週 符号の考え方(4)
主:石田准教授 副:平松講師
巡回符号について説明でき、生成多項式を求めることができる。
10週 符号の考え方(5)
主:石田准教授 副:平松講師
BCH符号について説明でき、BCH符号の誤り訂正を行うことができる。
11週 力学系の考え方(1)
主:西澤准教授 副:平松講師
2次元線形系の準備のための基底、固有値などが説明でき、線形微分方程式形の問題を解くことができる。
12週 力学系の考え方(2)
主:西澤准教授 副:平松講師
相異なる2つの実固有値の場合について、2次元線形微分方程式の相図を書くことができる。
13週 力学系の考え方(3)
主:西澤准教授 副:平松講師
複素固有値、重複した固有値の場合について、2次元線形微分方程式の相図を書くことができる。
14週 力学系の考え方(4)
主:西澤准教授 副:平松講師
2次元線形微分方程式の相図について、座標変換が説明でき、問題を解くことができる。
15週 学年末試験
16週 力学系の考え方(5)
主:西澤准教授 副:平松講師
2次元線形微分方程式について、跡と行列式に関して分類を説明でき、問題を解くことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、基本的な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解している。3
行列の和・差・数との積の計算ができる。3
行列の積の計算ができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解している。3
合成変換と逆変換を求めることができる。3
平面内の回転を表す線形変換を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力70000300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000