高度専門特別講義Ⅱ(振動工学)

科目基礎情報

学校 呉工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 高度専門特別講義Ⅱ(振動工学)
科目番号 0050 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 プロジェクトデザイン工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 岩壺,松久編著 「振動工学の基礎」 森北出版
担当教員 尾川 茂

到達目標

1.1自由度から多自由度の振動系の運動方程式が導出できる,固有振動数を求めることができる。
2. 連続体と回転機械の振動が理解できている。
3. 振動計測とデータ処理が理解できている。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目11自由度から多自由度の振動系の運動方程式が導出と固有振動数の計算が応用できる。1自由度から多自由度の振動系の運動方程式が導出と固有振動数の計算ができる1自由度から多自由度の振動系の運動方程式が導出と固有振動数の計算ができる。
評価項目2連続体と回転機械の振動について説明と応用問題が解ける。連続体と回転機械の振動について説明できる。連続体と回転機械の振動について説明できない。
評価項目3振動計測とデータ処理について説明でき,その応用問題ができる。振動計測とデータ処理について説明できる。振動計測とデータ処理について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 専攻科の学習・教育目標 (SC) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
5年の機械力学で学んだことを基礎として,振動現象を1自由度系から多自由度系に,さらに連続体・回転体に拡張してより深く理解する。また,実践的視点から振動計測とデータ処理についても学習する。本授業は,就職および進学の両方に関連する。
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習としてレポートを実施する。
注意点:
振動現象に興味を持ち,積極的に学習して欲しい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第1章 機械の振動
第2章 振動の基礎知識
物体の運動に関する,自由度・慣性モーメントなどが説明できる。
2週 第3章 1自由振動系Ⅰ 非減衰及び減衰1自由度振動系の自由振動が説明できる。
3週 第3章 1自由振動系Ⅱ 1自由振動系強制振動の運動方程式の導出およびその解析解が計算できる。
4週 第3章 1自由振動系Ⅲ 周波数応答曲線から振動の状態が説明できる。
振動絶縁及び基礎絶縁の原理が説明できる。
5週 第4章 多自由度系の振動Ⅰ 2自由度系の運動方程式から2つの固有角振動数およびその固有振動モードを求めることができる。
2自由度系の連成・非連成振動が説明できる。
6週 第4章 多自由度系の振動Ⅱ 最適同調と最適減衰の条件から動吸振器の設計ができる。
7週 第4章 多自由度系の振動Ⅲ ラグランジュの運動方程式を用いて,多自由度系の運動方程式が導出できる。
8週 中間試験 第1章から第4章までが理解できている。
2ndQ
9週 第5章 連続体の振動Ⅰ 弦の横振動,棒の縦振動の運動方程式が導出できる。
その各振動の固有振動数,固有振動モードが導出できる。
10週 第5章 連続体の振動Ⅱ はりと棒の横振動の運動方程式が導出でき,固有振動数,固有モードの計算ができる。
11週 第6・7章 回転機械の振動と自励振動 静不釣り合い,動不釣り合が説明できる。
危険速度が計算できる。
12週 第8章 非線形系の振動 非線形要素と非線形方程式が説明できる。
13週 第9章 振動計測とデータ処理Ⅰ 振動計測のためのセンサの種類と原理が説明できる。
インパルス加振が説明できる。
14週 第9章 振動計測とデータ処理Ⅱ 高速フーリエ変換が説明できる。
15週 第10章 実験モード解析 実験モード解析の必要性とその理論が説明できる。
16週 期末試験 第5章から第10章までが理解できている。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。5前1
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。5前1,前2
動力の意味を理解し、計算できる。5前2
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。5前3
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。5前4
振動の種類および調和振動を説明できる。5前5,前11
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。5前6
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。5前9
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。5前10,前11
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。5前11

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力301040
専門的能力401050
分野横断的能力10010