概要:
グローバル化の進む今日、技術者にも、文化や習慣、宗教や言語などの違いを前提として、多様な価値観や多元的な社会的背景をもつ人々と共存し、協調して業務を遂行することのできる「地球市民」としての素養が求められている。グローバル化した社会では、多様で多元的な社会的ニーズや要求を見出す力が求められるだけでなく、次から次へと発生するさまざまな問題に対して、倫理的な判断をしなければならない場面も多くなる。ここでは、グローバル社会で直面しうるこれらの問題に対し、主として技術者の立場において生じうる倫理的課題に焦点を当て、問題点を的確に把握する力を養うとともに、自ら考えだした対応策について倫理的に判断できる力を養い、グローバル社会で活躍できる人材である「グローバル技術者」の育成を目的とする。【複数教員担当方式,オムニバス方式,連携教育科目】
授業の進め方・方法:
講義と討論を基本とする。講義や討議した内容について、学生自らふりかえり、何をどのように学んだか、どのように成長したのか、報告書を提出してもらいます。報告書の提出を確認することで、自学自習を促進していきます。
注意点:
講義に主体的に参加しないと、報告書が提出できません。主体的かつ積極的に参加するようにしてください。
なお、本講義は、呉高専と大島商船高専との連携教育科目です。第1回から第4回までを野本が、第5回から第15回までを藤本が担当します。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。 | 4 | |
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 4 | |
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。 | 4 | |
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。 | 4 | |
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。 | 4 | |
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。 | 4 | |
公民的分野 | 自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。 | 4 | |
現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 4 | |
工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 5 | |
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 5 | |
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。 | 5 | |
社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 5 | |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 5 | |
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。 | 5 | |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 5 | |
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 5 | |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 5 | |
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。 | 4 | |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 5 | |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 5 | |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 5 | |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 5 | |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 5 | |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 5 | |
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。 | 4 | |
グローバリゼーション・異文化多文化理解 | グローバリゼーション・異文化多文化理解 | それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。 | 4 | |
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。 | 4 | |
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。 | 4 | |
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。 | 4 | |