高度専門特別講義Ⅱ(モーターエレクトロニクス)

科目基礎情報

学校 呉工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 高度専門特別講義Ⅱ(モーターエレクトロニクス)
科目番号 0097 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 プロジェクトデザイン工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 片岡昭雄著「電動機の可変速駆動入門」(森北出版),プリント
担当教員 横沼 実雄

到達目標

1.代表的なモーターおよび電力用素子について,特長および使用条件等を説明し,必要な計算や検討が行えること。
2.各種DCおよびACモーター制御回路の動作および特長を説明し,出力や効率等の計算が行えること。
3.各種障害等への対策を検討できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1代表的なモーターおよび電力用素子について,原理,動作,応用について適切に理解できる。代表的なモーターおよび電力用素子について,原理,動作,応用について理解できる。代表的なモーターおよび電力用素子について,原理,動作,応用について理解できない。
評価項目2モーター制御回路の動作,特長,諸計算が適切に理解できる。モーター制御回路の動作,特長,諸計算が理解できる。モーター制御回路の動作,特長,諸計算が理解できない。
評価項目3各種障害等の発生原理と対策について適切に理解できる。各種障害等の発生原理と対策について理解できる。各種障害等の発生原理と対策について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 専攻科の学習・教育目標 (SC) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義では,制御用モーター,電力用半導体素子,回路技術について取り上げ,モーター制御のためのパワーエレクトロニクス技術について理解することを目的とする。講義の前半は,各種モーターおよび電力用素子の,特長および使用条件等を説明する。後半は,DCおよびACモーター制御回路を中心に,各種障害等への対策まで実際の応用例を交えて講義を行う。
授業の進め方・方法:
教科書の内容を基に講義を行うが,特に各種のモーター制御回路については実物を用いた組み立て演習および実験も含めて行う。
この科目は学習単位科目のため、事前・事後学習としてレポート・課題等を実施する。
注意点:
本科のパワーエレクトロニクスが理解できているものとして,モーター制御を中心にして講義を進めていく。様々な知識を必要とし,応用分野が広い技術であるので,学ぶにも活用するにも有意義な科目である。また,エコ・テクノロジとしても重要な位置づけであるので,学ぶ価値は十分である。講義中の演習および小テストで,必要な計算がすぐにできるように関数電卓は必携である。また,必要があれば教科書以外の書籍を持ち込んでも構わない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 概説 モーター制御,パワーエレクトロニクスとの統合について説明できる。
2週 各種モーターの構造,動作原理,特長 代表的なモーターおよび電力用素子について,原理,動作,応用について説明できる。
3週 代表的な電力用半導体素子 代表的なモーターおよび電力用素子について,原理,動作,応用について説明できる。
4週 電力用半導体素子の制御用信号と熱対策 代表的な電力用素子の制御用信号と熱対策について説明できる。
5週 各種整流回路 整流回路の動作,特長,諸特性について説明および必要な計算ができる。
6週 DCモーター制御回路への応用Ⅰ DCモーター制御回路の動作,特長,諸特性について説明および必要な計算ができる。
7週 DCモーター制御回路への応用Ⅱ DCモーター制御回路の動作,特長,諸特性について説明および必要な計算ができる。
8週 ステッピングモーター制御回路への応用 ステッピングモーター制御回路の動作,特長が説明できる。
2ndQ
9週 交流電圧・周波数制御回路 多相インバータ回路の動作,特長,諸特性について説明および必要な計算ができる。
10週 ACモーター制御回路への応用Ⅰ ACモーター制御回路の動作,特長,諸特性について説明および必要な計算ができる。
11週 ACモーター制御回路への応用Ⅱ ACモーター制御回路の動作,特長,諸特性について説明および必要な計算ができる。
12週 ACモーター制御回路への応用Ⅲ VVVF制御とベクトル制御の動作,特長について説明できる。
13週 各種障害とその対策 各種障害等の発生原理と対策について説明できる。
14週 新エネルギ技術としての応用 新エネルギ技術としてのモーターエレクトロニクス技術について説明できる。
15週 期末試験
16週 答案返却・解答説明 答案返却・解答説明

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3前1,前3
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。3前1,前3
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3前1,前2,前3
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3前1,前3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3前1,前3
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4前1,前3,前4,前5
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4前1,前3,前4,前6,前7
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4前1,前3,前4,前6,前7
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。5前2,前5,前9
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。5前2,前5,前9
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。5前2,前5,前9
直流機の原理と構造を説明できる。5前1,前2,前6,前7,前13,前14
誘導機の原理と構造を説明できる。5前1,前2,前10,前11,前12,前13,前14
同期機の原理と構造を説明できる。5前1,前2,前12,前13,前14
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。5前5,前9,前10
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。5前1,前3,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。2前5,前13,前14
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。2前5,前13,前14
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。5前13,前14
電力システムの経済的運用について説明できる。2前13,前14
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。5前9,前14
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。5前13,前14
制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4前7,前11,前12
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4前7,前11,前12
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。2前11,前12
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。2前7,前11,前12

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力6030000090
分野横断的能力100000010