電子回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電子回路Ⅰ
科目番号 0050 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械電気工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 髙木茂孝、堀桂太郎他「電子回路」(実教出版)
担当教員 片山 光亮

到達目標

複合分野の基礎となる基本的素養を身につけるため、以下の項目を到達目標とする。
①数体系や基数変換について理解し、課題に対する計算を行うことができる。
②半導体に関する基礎的な知識をベースとして、トランジスタ、TTLおよびFET、CMOSの構造や特徴を説明することができる。
③他の回路とのインターフェースに必要な回路や基本的な演算回路について理解し、回路設計を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標①数体系や基数変換について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。数体系や基数変換についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。数体系や基数変換についての理解が不十分であり、課題に対する基本的な計算を行うことができない。
到達目標④半導体に関する基礎的な知識をベースとして、トランジスタ、TTLおよびFET、CMOSの構造や特徴を詳細に説明することができる。半導体に関する基礎的な知識をベースとして、トランジスタ、TTLおよびFET、CMOSの構造や特徴の概略を説明することができる。半導体に関する基礎的な知識をベースとして、トランジスタ、TTLおよびFET、CMOSの構造や特徴を説明することができない。
到達目標⑤他の回路とのインターフェースに必要な回路や基本的な演算回路について理解し、回路設計を間違いなく行うことができる。他の回路とのインターフェースに必要な回路や基本的な演算回路についてほぼ理解し、基本的な回路設計を行うことができる。他の回路とのインターフェースに必要な回路や基本的な演算回路についての理解が不十分であり、回路設計を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気系における基本的な科目は、電気回路、電子回路および電磁気学である。電子回路にはアナログ回路とディジタル回路が含まれているが、電子回路Iでは、特にアナログ回路を取り扱う。アナログ回路は、メカトロ系の技術者にとって不可欠の重要な科目である。PICなどの安価なペリフェラルにはアナログーディジタル変換機などのインタフェースが搭載されているが、それらインタフェースをフィジカル空間、つまり実社会と接続するためにはアナログ回路が必要不可欠である。
授業の進め方・方法:
基本的に教科書に沿って講義を行うが、適宜必要な資料を配布する。
毎時間、課題を与え、授業の最後に小テストを行う。
注意点:
評価方法
【試験4回均等評価】100%

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 半導体 半導体の定義を知り、半導体材料の性質を理解する。
2週 ダイオード PN接合ダイオードの動作原理を理解する。
3週 トランジスタ トランジスタの基本構造と動作原理を理解する。
4週 FET(電界効果トランジスタ) FETの動作原理と特性を理解する。
5週 その他の半導体素子 サイリスタ、フォトトランジスタなどの動作原理と特性を理解する。
6週 集積回路 ICとは何かを理解し、各種ICの構造と特徴について学ぶ。
7週 増幅とは 増幅について理解し、増幅の種類を学ぶ。
8週 前期中間試験 理解度の確認をする。
2ndQ
9週 トランジスタ増幅回路の基礎 トランジスタによる微小な交流信号の増幅原理を学ぶ。
10週 トランジスタのバイアス回路 各種バイアス回路の動作と特徴を理解する。
11週 トランジスタによる小信号増幅回路 小信号増幅回路におけるコンデンサの役割を理解する。
12週 トランジスタによる小信号増幅回路の設計 小信号増幅回路を設計できるようにする。
13週 FETによる小信号増幅回路 FETを用いた小信号増幅回路を理解する。
14週 前期のまとめ 前期の学びを振り返ります。
15週 前期末試験 理解度の確認をする。
16週 試験の解答および復習 試験範囲の復習を行い、不十分な箇所の理解を深める。
後期
3rdQ
1週 負帰還増幅回路 帰還回路について理解する。
2週 差動増幅回路と演算増幅器 演算増幅器を用いた各種回路を理解する。
3週 電力増幅回路 A級、B級アンプの動作について理解する。
4週 高周波増幅回路 動作周波数や帯域について学ぶ。
5週 発振回路の基礎 発振現象を理解し、発振回路の種類を知る。
6週 LC発振回路・CR発振回路 各種LC発振器と各種CR発振器を学び、違いを知る。
7週 水晶発振回路 水晶発振器の発振原理について理解する。
8週 後期中間試験 理解度の確認をする。
4thQ
9週 変調・復調の基礎 変調と復調の意味を理解する。
10週 振幅変調・復調、周波数変調・復調 各種変復調方式を知り、特徴を理解する。
11週 その他の変調方式 位相変復調、ディジタル変調などを学ぶ。
12週 パルス回路 各種回路のパルス波による応答を学ぶ。
13週 電源回路 電源回路の構成を理解する。
14週 後期のまとめ 後期の学びを振り返る。
15週 後期末試験 理解度の確認をする。
16週 試験の解答および復習 試験範囲の復習を行い、不十分な箇所の理解を深める。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4前12
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4前13
FETの特徴と等価回路を説明できる。4前14
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。4前13
演算増幅器の特性を説明できる。4
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。4
発振回路の特性、動作原理を説明できる。4
変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。4
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4前12
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4前12
原子の構造を説明できる。4前12
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4前12
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4前12
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4前12
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4前12
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4前12
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4前13
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4前14

評価割合

前期中間試験前期末試験後期中間試験後期末試験合計
総合評価割合25252525100
到達目標①10105530
到達目標②1010101040
到達目標③55101030