到達目標
複合分野の設計能力を身に付ける。具体的には、材料力学に関する以下の設計能力を身に付ける。
1.引張り・圧縮およびせん断に関する各種問題において、応力やひずみ、伸び(縮み)を計算でき、許容応力や安全率を考慮して部材の寸法を決定できる。
2.丸棒および中空丸棒のねじりに関する各種問題において、せん断応力やねじれ角を計算でき、部材の寸法を決定できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 引張り・圧縮およびせん断に関する演習問題レベルの問題において、応力やひずみ、伸び(縮み)を計算でき、許容応力や安全率を考慮して部材の寸法を決定できる。 | 引張り・圧縮およびせん断に関する例題レベルの問題において、応力やひずみ、伸び(縮み)を計算でき、許容応力や安全率を考慮して部材の寸法を決定できる。 | 引張り・圧縮およびせん断に関する例題レベルの問題において、応力やひずみ、伸び(縮み)を計算できない。 |
評価項目2 | 丸棒および中空丸棒のねじりに関する各種問題において、せん断応力やねじれ角を計算でき、部材の寸法を決定できる。 | 丸棒および中空丸棒のねじりに関する各種問題において、せん断応力やねじれ角を計算できる。 | 丸棒のねじりに関する問題において、せん断応力やねじれ角を計算できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
機械や構造物などを安全で経済的に設計するには、それらを構成する部品や部材に生じる力や変形を的確に知る必要がある。材料力学は、機械や構造物などを簡単なモデルに置き換えて、各部分に生じる力や変形を大雑把ではあるものの定量的に明らかにする学問である。3年次では、設計の基本となる応力とひずみについて学び、引張りと圧縮およびねじりに関する例題を通して、基礎力と応用力を養う。※本授業は必修科目であり、卒業までに修得しなければならない。
授業の進め方・方法:
おおむね教科書に沿って講義を進め、個々の現象が共通の原理に支配されていることを示すとともに、その物理的意味を把握できるようにする。学習シートを毎回用意し、理解を深めることに役立てる。受講者には、演習問題を自力で解けるように自学自習する姿勢が必要となる。なお、授業の進行度合いに応じて、授業計画を変更することがある。
注意点:
【評価方法】
最終評価は中間と期末の試験成績(92%)と課題(8%)により行う。
最終評価点=試験成績×0.92+課題の点数(8点満点)
【関連科目】
本 科:数学、物理、工業力学、材料力学II、弾塑性論、材料学I、材料学II、機械設計論I、機械設計論II、有限要素法、計算力学
専攻科:弾性力学、材料強度学、材料設計工学、CAE
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
【ガイダンス】 材料力学の位置づけを明確にし、目的や内容、授業の進め方や評価法などについて説明する。 |
材料力学の目的や授業の評価方法を理解する。
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2週 |
【力学の基礎】 荷重と支持方法の種類、反力の求め方について説明する。 |
力とモーメントのつり合いから反力を求める。
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3週 |
【応力とひずみ】 内力、応力、ひずみ、フックの法則 |
基本となる応力とひずみを確実に理解する。フックの法則において、弾性係数の大小の意味を理解する。
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4週 |
【応力とひずみ】 丸棒の伸び、横ひずみ、せん断応力 |
丸棒のひずみと伸びを求める。せん断応力を求める。
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5週 |
【応力とひずみ】 応力とひずみの関係、許容応力と安全率 |
塑性域まで含めた応力-ひずみ線図と許容応力を理解する。 許容応力や安全率を用いて部材の寸法を求める。
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6週 |
【引張りと圧縮】 複数の荷重を受ける棒、断面が変化する棒 |
重ね合わせの法則を理解する。段付き棒および円錐棒の引張り問題を解く。
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7週 |
【引張りと圧縮】 自重・慣性力を受ける物体 |
自重を受ける棒および慣性力を受ける物体の問題を解く。(課題)
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8週 |
【中間試験】 右に記載の内容について確認する。 |
支点反力を求められる。 応力とひずみを理解している。 引張りや圧縮について、応力や変形を求められる。
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4thQ |
9週 |
【中間試験の解答、引張と圧縮】 中間試験の解答。シラバスで学習状況の確認。遠心力を受ける棒。 |
遠心力を受ける棒の問題を解く。
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10週 |
【引張りと圧縮】 不静定問題、熱応力 |
両端固定棒と組合せ棒の圧縮問題で不静定問題の取扱い方を理解する。熱応力が生じる理由を理解し、熱応力を求める。
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11週 |
【ねじり】 ねじりの基礎式の導出 中実丸棒と中空丸棒の比較 |
ねじりを受ける中実丸棒および中空丸棒の最大せん断応力の式を導出する。 円形断面の断面二次極モーメントを導出する。 中実丸棒と中空丸棒を比較し、中空丸棒がねじりに対して強いことを理解する。
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12週 |
【ねじり】 動力軸 |
動力軸において動力、トルク、回転数の相互関係を使って軸の直径を求める。
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13週 |
【ねじり】 ねじり変形 |
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみ、比ねじれ角、ねじれ角を求める。 ねじり剛さについて理解する。
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14週 |
【ねじり】 両端固定棒 応力状態と破断面 |
両端固定棒のねじりを通してねじりの不静定問題の取扱い方を理解する。 延性材料と脆性材料の破断面の違いを理解する。部材が弱い方向に壊れることを理解する。(課題)
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15週 |
【期末試験】 右に記載の内容について確認する。 |
遠心力を受ける棒の応力や変形を求められる。 不静定問題の応力や熱応力を求められる。 ねじりの基本的な問題を解ける。
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16週 |
【答案返却など】 後期末試験の解答。 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。 | 3 | 後2 |
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。 | 3 | 後2 |
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。 | 3 | 後2 |
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。 | 3 | 後2 |
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。 | 3 | 後2 |
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 4 | 後4 |
応力とひずみを説明できる。 | 4 | 後3,後4 |
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。 | 4 | 後3 |
許容応力と安全率を説明できる。 | 4 | 後5 |
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。 | 3 | 後10 |
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。 | 4 | 後10 |
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。 | 4 | 後6,後7,後9 |
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。 | 3 | 後11 |
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。 | 3 | 後11,後12 |
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。 | 3 | 後13,後14 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 92 | 8 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 92 | 8 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |