加工学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 加工学
科目番号 0058 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械電気工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:機械系教科書シリーズ3「機械工作法(増補)」、参考図書:金属加工の本 海野邦昭、日刊工業新聞社,「工作実習 I・II」教科書
担当教員 大西 祥作

到達目標

加工学の基礎(鋳造、溶接、塑性加工、切削加工、研削加工等)を理解すること。 さらに取り上げたものづくりに関し代表的な加工法とともに、特徴や用途を理解することをめざす。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1加工学の基礎(鋳造、溶接、塑性加工、切削加工、研削加工等)を理解し、それが応用出来る事。加工学の基礎(鋳造、溶接、塑性加工、切削加工、研削加工等)を理解し、それが適用出来る事。加工学の基礎(鋳造、溶接、塑性加工、切削加工、研削加工等)を理解している程度。
評価項目2取り上げたものづくりに関し代表的な加工法とともに、特徴や用途を理解し、応用出来る事。取り上げたものづくりに関し代表的な加工法とともに、特徴や用途を理解し適用出来る事。取り上げたものづくりに関し代表的な加工法とともに、特徴や用途を理解している程度。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
高専の学生にとって、ものづくり技術はきわめて大きな素養の一つである。しかし、その素養は、自然と身につくものではない。この授業では、今後の創造的なものづくり活動に生かすべく、まず、身近に存在するさまざまなメカトロニクス製品の作り方を学ぶことにより、ものづくりに関する知識やヒントを得る。続いて、基本的な機械加工法について学び、メカトロニクス技術者としての生産技術知識を習得する。
授業の進め方・方法:
授業は以下の2部構成で進める。
(1)教科書や資料に基づき、教員が加工学の基礎(鋳造、溶接、塑性加工、切削加工、研削加工等)についての講義を行う。
(2-1)複数の学生がチームを作り、それぞれが興味のあるメカトロニクス製品について、ものづくり方法について調べ、それを発表し質疑応答する自学自習方式を採用する。
(2-2)加工学の基礎とそれの適用についての理解を深めるために、適宜、学生の発表した内容に関する加工法について補足説明を教員が実施する。
    また、必要に応じて、生産現場がわかるようなTV動画なども紹介する。
補足説明(加工学の基礎とは)
 a)鋳造
      ・鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。
  ・精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。
  ・鋳物の欠陥について説明できる。
 b)溶接
     ・溶接法を分類できる。
 ・ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。
 ・アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。
 ・サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。
 c)塑性加工
 ・塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。
 d)切削加工
    ・切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。
 ・切削工具材料の条件と種類を説明できる。
 ・切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。
 ・切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。
e)研削加工
・ 研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。
・砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。
・ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。
 f)その他
   ・加工学の基礎を理解する上で最低限必要な材料学の基礎の基礎


注意点:
本 科:工作実習(1、2年)、総合実地演習(2年)、創造製作(2、4年)、機構学(3年)、材料学(3、4年)
専攻科:自動加工学(2年)/・

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ①オリエンテーション
授業の概要や進め方、評価方法、グループ発表の手順などについて説明。
②加工学の基礎((鋳造、溶接、塑性加工、切削加工、研削加工等)について講義する。
授業の概要や進め方、評価方法、グループ発表の手順などについて理解していること。
また、加工学の基礎を理解していること。
2週 ①加工学の基礎((鋳造、溶接、塑性加工、切削加工、研削加工等)について講義する。
②前年度までの学生プレゼンテーション例などを示し、発表のためには、どのような観点に留意して資料を作成すべきか、パワーポイント資料の作成方法について評価基準を示しながら説明する。併せて、プレゼンテーションのやり方についても、評価基準を示しながら説明する。
また、グループ分けやテーマ選定、およびプレゼンテーション日程について決定する。
左記の内容を理解していること。
3週 3回~14回:
以下の代表的な加工法について学習する。
(1)鋳造、(2)鍛造(塑性加工)、(3)切削、(4)研削、(5)溶接、(6)粉末冶金、(7)射出成型、(8)NC制御、(9)自動加工、(10)特殊加工、その他 
左記内容の実施と内容の理解。
4週 4回~14回:各班の準備状況を見ながら、プレゼンテーションを行い、内容については学生全員で質疑応答を行う。回答が不十分な場合は、さらに翌週まで調査を続けて対応する。また、プレゼンは、進捗状況により2巡目を行う場合もある。
左記内容の実施と内容の理解。
5週 発表に際しては、以下の内容をまとめておくとよい。
(イ)どのような加工法か
(ロ)加工のしかた(できるだけ図を入れ、わかりやすく説明すること)
(ハ)加工の特徴(長所と短所) (ニ)加工例や製品例(3例程度)
左記内容の実施と内容の理解。
6週 同上
左記内容の実施と内容の理解。
7週 同上 左記内容の実施と内容の理解。
8週 中間試験
満点の取得
4thQ
9週 3回目&4回目と同じ 左記内容の実施と内容の理解。
10週 同上 左記内容の実施と内容の理解。
11週 同上 左記内容の実施と内容の理解。
12週 同上 左記内容の実施と内容の理解。
13週 同上 左記内容の実施と内容の理解。
14週 同上 左記内容の実施と内容の理解。
15週 15回:加工学の基礎とその適用、応用について復習する 左記内容を理解し適用出来る事。
16週 答案を返却し、解答の後、総括。 左記解答内容の理解と具体的問題への適用が出来る事。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。4
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。4
鋳物の欠陥について説明できる。4
溶接法を分類できる。4
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。4
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。4
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。4
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。4
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4
切削工具材料の条件と種類を説明できる。4
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。4
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。4
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。4
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。4

評価割合

試験(中間)発表ノート態度ポートフォリオその他試験(期末)合計
総合評価割合40101000040100
基礎的能力00500005
専門的能力401050004095
分野横断的能力00000000