1. 初等関数の定義を把握し、基本的な性質の利用法について習熟する.
2. 関数の極限について理解し、種々の極限を求める事が出来る.
3. 初等関数の微分を計算し、種々の解析に用いる事が出来る.
4. 部分積分・置換積分を含む様々な積分に習熟し、各自の専門に応用する事が出来る.
概要:
一変数関数について微分法と積分法の基本的な概念や相互の関係を把握し、
基本的な関数の導関数や不定積分、定積分の計算に習熟する。さらに工学的な問題にも触れながら、
微分・積分法の応用について、その考え方、適用法を理解し修得する。
「微分を使って関数を解析する事」は、関数のグラフを考えた時に、「グラフを接線で近似する事によって関数を解析する事」である。
また「ある関数の不定積分を計算する」とは「微分するとその関数になる関数を探す」という事であり、
「ある関数の定積分を計算する」とは大まかな意味で「その関数とx軸で囲まれる図形の面積を求める」事を意味している。
本科目を受講する諸君には、受講後に上記のようなことを把握している事を望む。
数学をやる時はいつも
①今、何をやっているか? ②その変形をすると何を主張できるのか? ③変形の為にどんなルールを使えるのか?
を常に考える事が肝心要である。
授業の進め方・方法:
講義の基本的な流れは下記のようなものである
①前回の復習 ②板書を用いた内容の説明 ③例題の解答を示す ④演習
また、試験前には集中的な演習と、質疑応答の時間を設ける。
本講義ではスライドを用いず黒板で授業を行う。
また、各自が手書きのノートを作成する事を推奨する。
これは担当教員の経験から「数学をやるには、紙とペンを用意し、実際に書くことが最も重要」と考えられるからである。
*1 過去の定期試験の内容はBlackboardのコース「201535takuo.yamamoto」を参照されたい。
*2 再試験は年度に1度限り行う。9月末の補講期間に実施するのが慣例である。
*3 成績は基本的に定期試験のみで評価するが、レポート等を課すこともある
注意点:
1.数学は暗記科目ではない
100個の問題に対して100通りの解答法を暗記してはならない。
100個の問題を5通りの方法で解決できるなら良い勉強をしていると言ってよい。
また、それは実際に可能である。
2.他科目との関連(数学は工学の要であるから関連科目は多い)
数学IA、数学IB、数学IIB、数学IIIA、微分積分学Ⅰ・Ⅱ、
応用解析学概論、ベクトル解析、一般物理、力学、電磁気学、等多数
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
【内容】1年次の関数の復習 【方法】1年次に出会った4つの関数。すなわち、べき関数、指数関数、対数関数、三角関数の復習を行う。 |
1年次の関数の復習を理解し、種々の計算する事が出来る。
|
2週 |
【内容】関数の極限と連続 【方法】関数の極限が正(負)の無限大であるという概念を導入し、記号(±∞)の取り扱いと極限の意味を理解する。また、点における関数の連続・不連続を理解し、グラフ上におけるその特徴を確認する。中間値の定理を利用して、閉区間における方程式の解の存在が示されることを学ぶ。 |
関数の極限と連続を理解し、計算する事が出来る。
|
3週 |
【内容】微分係数と導関数 【方法】微分係数の定義に基づいて、べき関数x^nの微分係数を求める。さらに微分係数と接線の傾きについて触れる。また、導関数の概念を理解する。 |
微分係数と導関数を理解し、計算する事が出来る。
|
4週 |
【内容】三角関数と指数関数の導関数 【方法】いくつかの三角関数の極限を計算したあと、三角関数(sin、cosのみ)の導関数を三角関数の諸公式などを活用して求める。さらにネピアの数を定義し、ネピアの数を底とする指数関数の導関数を求める。 |
三角関数と指数関数の導関数を理解し、計算する事が出来る。
|
5週 |
【内容】和・差・積・商の導関数 【方法】関数の和・差・積・商の導関数の公式を求め、4回までに求めた3種類の関数(x^n、sinx、cosx、e^x)に適用してみる。またx^(p/q)、tanx等の導関数を求める。 |
和・差・積・商の導関数を理解し、計算する事が出来る。
|
6週 |
【内容】合成関数の導関数1 【方法】2つの関数の合成関数の微分の公式を証明し、自然対数logxを定義したのちその導関数を求める。また、担当を割り当てて板書で演習を行う。 |
合成関数の導関数を理解し、計算する事が出来る。
|
7週 |
【内容】演習 【方法】担当を割り当てて板書で演習を行う。 |
これまでの内容の演習問題を自力で解決する事が出来る。
|
8週 |
【内容】中間試験 【方法】以上の範囲で試験を行う。 |
これまでの内容で中間試験を実施し、講義内容の理解度を確認する。
|
2ndQ |
9週 |
【内容】答案返却及び逆三角関数 【方法】答案の返却と説明を行う。また、1年生のときに学習した逆関数とその求め方について復習し、逆正弦、逆余弦、逆正接関数を求めそのグラフをかく。 |
逆三角関数を理解し、計算する事が出来る。
|
10週 |
【内容】合成関数の導関数2 【方法】逆三角関数の微分法と対数微分法を学ぶ。 |
逆三角関数の微分を理解し、計算する事が出来る。
|
11週 |
【内容】微分法まとめ 【方法】以上の範囲のまとめを行う。また、担当を割り当てて板書で演習を行う。 |
これまでの内容の演習問題を自力で解決する事が出来る。
|
12週 |
【内容】接線と法線及び関数の増減 【方法】導関数の符号の変化を調べて、その関数の増加、減少の状態を調べる。 |
接線と法線及び関数の増減を理解し、計算する事が出来る。
|
13週 |
【内容】極大・極小及び不定形の極限(ロピタルの定理)接線と法線及び関数の増減 【方法】極値の概念、ロピタルの定理を解説したのちグラフの概形を書きかたを習得する。 |
極大・極小及び不定形の極限(ロピタルの定理)接線と法線及び関数の増減を理解し、計算する事が出来る。
|
14週 |
【内容】関数の最大・最小 【方法】増減表を利用して、関数の最大値・最小値を求める。また、担当を割り当てて板書で演習を行う。 |
関数の最大・最小を理解し、計算する事が出来る。
|
15週 |
【内容】期末試験 【方法】前期中間試験以後学習した内容について試験をする。 |
これまでの内容で期末試験を実施し、講義内容の理解度を確認する。
|
16週 |
【内容】答案返却など 【方法】答案の返却と説明を行う。またロルの定理、平均値の定理、ロピタルの定理の証明の概略を学ぶ。 |
これまでの内容の全体像を俯瞰する事が出来る。
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
【内容】高次導関数・曲線の凹凸 【方法】関数の積の第n次導関数を求められるようにする。曲線の凹凸の判定や変曲点が求められるようにする。 |
高次導関数・曲線の凹凸を理解し、計算する事が出来る。
|
2週 |
【内容】曲線の媒介変数表示 【方法】媒介変数を用いて、曲線の方程式を求める。媒介変数表示による関数の導関数 媒介変数で表された関数の導関数を求める。 |
曲線の媒介変数表示を理解し、計算する事が出来る。
|
3週 |
【内容】速度と加速度及び演習 【方法】速度と加速度の概念について学ぶ。また時間があれば簡単な運動方程式にも触れ、担当を割り当てて板書で演習を行う。 |
速度と加速度及び演習を理解し、計算する事が出来る。
|
4週 |
【内容】不定積分 【方法】微分法の逆演算として不定積分を導入し、微分法と関連づけながら計算方法を理解する。 |
不定積分を理解し、計算する事が出来る。
|
5週 |
【内容】不定積分の計算(1) 【方法】様々な不定積分の求め方を学ぶ。 |
不定積分の計算(1)を理解し、計算する事が出来る。
|
6週 |
【内容】不定積分の計算(2) 【方法】様々な不定積分の求め方を学ぶ。 |
不定積分の計算(2)を理解し、計算する事が出来る。
|
7週 |
【内容】不定積分の計算(3) 【方法】様々な不定積分の求め方を学ぶ。 |
不定積分の計算(3)を理解し、計算する事が出来る。
|
8週 |
【内容】中間試験 【方法】前期期末試験以後学習した内容について試験をする。 |
これまでの内容で中間試験を実施し、講義内容の理解度を確認する。
|
4thQ |
9週 |
【内容】定積分 【方法】定義に基づいて定積分の基本性質を理解し、その利用に習熟する。 |
定積分を理解し、計算する事が出来る。
|
10週 |
【内容】微積分学の基本定理と定積分の計算(1) 【方法】微積分学の基本定理を証明した後、定積分の具体的な計算方法を学ぶ。 |
微積分学の基本定理と定積分の計算(1)を理解し、計算する事が出来る。
|
11週 |
【内容】微積分学の基本定理と定積分の計算(2) 【方法】微積分学の基本定理を証明した後、定積分の具体的な計算方法を学ぶ。 |
微積分学の基本定理と定積分の計算(2)を理解し、計算する事が出来る。
|
12週 |
【内容】置換積分 【方法】不定積分と定積分の置換積分を学ぶ。 |
置換積分を理解し、計算する事が出来る。
|
13週 |
【内容】部分積分 【方法】不定積分と定積分の部分積分を学ぶ。 |
部分積分を理解し、計算する事が出来る。
|
14週 |
【内容】色々な関数の積分 【方法】色々な関数の積分を置換・部分積分を用いて行う。 |
色々な関数の積分を理解し、計算する事が出来る。
|
15週 |
【内容】期末試験 【方法】後期中間試験以後学習した内容について試験をする。 |
これまでの内容で期末試験を実施し、講義内容の理解度を確認する。
|
16週 |
【内容】答案返却など 【方法】答案の返却と説明を行う。 |
これまでの内容の全体像を俯瞰する事が出来る。。
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。 | 3 | |
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 4 | |
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。 | 4 | |
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。 | 3 | |
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。 | 3 | |
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。 | 3 | |
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。 | 3 | |
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。 | 3 | |
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。 | 3 | |