電磁気学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電磁気学
科目番号 0075 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械電気工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書:安達三郎・大貫繁雄『電気磁気学』(森北出版)
担当教員 片山 光亮

到達目標

複合分野の基礎となる基本的素養を身に着けるため、電気と磁気の性質、及びそれらの相互作用に関する法則を理解する。また電磁気現象を応用した機器を設計するために必要な、知識と基本原理を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電気の性質の理解電気の性質に関する深い理解に基づき応用的な現象に関する計算が出来る電気の性質に関する理解に基づき簡単な計算が出来る電気の性質に関する基本的事項の説明が出来ない
磁気の性質の理解磁気の性質に関する深い理解に基づき応用的な現象に関する計算が出来る磁気の性質に関する理解に基づき簡単な計算が出来る磁気の性質に関する基本的事項の説明が出来ない
電気磁気の相互作用の理解電気と磁気の相互作用に関する深い理解に基づき、応用的現象に関する計算を行える。電気と磁気の相互作用に関する理解に基づき、基本的な計算を行える電気と磁気の相互作用に関する基本的事項の説明が出来ない

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
電磁気学は理工系分野の基礎をなすものであり、電気関係学科では必須科目である。LSIから巨大発電機に至るまで、その動作原理は自然界における電磁気法則の応用であり、ものづくりの独創的な着想を得るためには、電磁気学の基本原理を理解することが肝要である。授業は演習をまじえながら一歩ずつ進め、電磁気現象の原理原則の全体像を理解することを主眼とする。
この科目は企業で無線通信回路設計を担当していた教員が、その経験を生かして通信の基礎となる電磁気学について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教科書を使った講義を中心に授業を進める。講義内容を理解するために、適宜、問題演習を行う。問題演習は決められた担当者が演習問題を理解し他の学生に解説することとする。また、演習とは別に授業内容に関する調査レポートを課す。授業の内容を確実に身につけるため予習復習が必須である。

この科目は学習単位科目のため以下ののような自学自修を必要とします。
【授業の事前学習】教科書の次回授業に該当する部分の予習「0.5時間×25回=12.5時間(初回、試験、答案返却を除く)」
【授業の事後学習】配布した学習シートの演習問題「0.5時間×25回=12.5時間(初回、試験、答案返却を除く)」
【長期休暇中の課題】夏休み、及び冬休みの課題「2.5時間×2回」

注意点:
評価については、4回の定期試験の結果を80%ととし、レポート、課題等の評価を20%とする。
(前期の評価は、学習シートの評価(30%)授業中の小テスト(30%)、および課題(40%)によって評価する)
評価基準:60点以上を合格とする。

【関連科目】 本科:電気の基礎、電気回路I、 電気回路II、基礎物理II、アクチュエータ、微分積分学

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電磁気学とは 電磁気学を学ぶ意義について理解する。
電流について理解する。
2週 静電気の発生 静電気、クーロンの法則について理解する。
3週 電界 電気力線、電界、電束について理解する。
4週 電位 電位、仕事、電位差について理解する。
静電ポテンシャルについて理解する。
5週 ガウスの定理 ガウスの定理、電気影像について理解する。
ベクトルの発散について理解する。
6週 コンデンサの静電容量 平行平板コンデンサの静電容量について理解する。
7週 コンデンサの合成 誘電率、コンデンサの接続について理解する。
8週 誘電体 誘電体の性質について理解する。
誘電分極、変位電流について理解する。
2ndQ
9週 中間試験 上記項目に関する理解度を確認する。
10週 電界のエネルギー 静電エネルギーについて理解する。
11週 電気抵抗 電圧降下、温度による抵抗変化について理解する。
電源の内部抵抗について理解する。
12週 電流による熱の発生 ジュール熱、銅損について理解する。
電圧と電力の関係について理解する。
13週 磁荷の作る磁界 磁界と磁力線の関係を理解する。
磁気のクーロンの法則について理解する。
14週 磁界と磁束 磁界と磁束の関係について理解する。
磁界の強さと磁束密度の関係について理解する。
15週 期末試験 上記項目に関する理解度を確認する。
16週 答案返却など 学期末試験の答案を返却し解説する。
後期
3rdQ
1週 電流の作る磁界(1) 右ネジの法則、ビオ・サバールの法則について理解する。
2週 電流の作る磁界(2) アンペアの周回積分の法則について理解する。
ベクトルの回転について理解する。
3週 導線とコイルに働く力 平行導線に働く力とコイルに働くトルクについて理解する。
4週 磁界中の荷電粒子に働く力 ローレンツ力について理解する。
磁界中における荷電粒子の運動を理解する。
5週 磁性体 磁性体の種類と性質について理解する。
6週 磁気回路 磁気のオームの法則、キルヒホッフの法則について理解する。
7週 電磁誘導に関する法則 フレミングの右手及び左手の法則について理解する。
ファラデーの法則、レンツの法則について理解する。
8週 中間試験 上記項目に関する理解度を確認する。
4thQ
9週 うず電流 うず電流の発生、うず電流の利用について理解する。
10週 発電機 コイルに発生する起電力について理解する。
交流発電について理解する。
11週 自己インダクタンス コイルの自己誘導と自己インダクタンスについて理解する。
12週 相互インダクタンス コイルの相互誘導と相互インダクタンスについて理解する。
13週 磁界のエネルギー ヒステリシス損について理解する。
コイルに蓄積される、磁気エネルギーについて理解する。
14週 電磁波 マクスウェルの方程式と、電磁波の性質について理解する。
15週 期末試験 上記項目に関する理解度を確認する。
16週 答案返却など 学年末試験の答案を返却し解説する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4
静電エネルギーを説明できる。4
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4
ローレンツ力を説明できる。4
磁気エネルギーを説明できる。4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
自己誘導と相互誘導を説明できる。4
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4
電子工学金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4

評価割合

試験課題・レポート合計
総合評価割合8020100
電気の性質の理解20525
磁気の性質の理解20525
電気磁気の相互作用の理解401050