機械力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械力学Ⅰ
科目番号 0077 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械電気工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 横山隆ほか「基礎 振動工学」(共立出版)
担当教員 櫻本 逸男

到達目標

複合分野の基礎となる基本的素養を身につけるため、以下の項目を到達目標とする。
①振動現象や関連の計算手法について理解し、課題に対する計算を行うことができる。
②1自由度系の自由振動について理解し、課題に対する計算を行うことができる。
③1自由度系の強制振動(力励振)について理解し、課題に対する計算を行うことができる。
④1自由度系の強制振動(変位励振)について理解し、課題に対する計算を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標①振動現象や関連の計算手法について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。振動現象や関連の計算手法についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。振動現象や関連の計算手法についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。
到達目標②1自由度系の自由振動について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。1自由度系の自由振動についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。1自由度系の自由振動についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。
到達目標③1自由度系の強制振動(力励振)について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。1自由度系の強制振動(力励振)についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。1自由度系の強制振動(力励振)についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。
到達目標④1自由度系の強制振動(変位励振)について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。1自由度系の強制振動(変位励振)についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。1自由度系の強制振動(変位励振)についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学で学ぶ材料力学、水力学、熱力学を三力学と呼び、更に機械力学を加えて四力学と呼ぶ。機械力学は、振動現象に関連した工学の応用分野を取り扱う。振動は物理現象であるが、それを表現するための道具としての数学の知識が不可欠である。また、物理現象を感覚的にイメージしながら数式と結びつけて考える習慣が必要とされる。必要とされる数学は、三角関数、微積分、微分方程式、ベクトルと行列および複素数や調和解析である。4年次後期の機械力学の授業では、基本的な1自由度系の振動現象を取扱う。初期条件により運動が決まる自由振動および時間的に大きさが変化する加振力が加わったときの応答である強制振動を、それぞれ減衰のある場合とない場合に分けて説明する。
授業の進め方・方法:
基本的に教科書に沿って講義を行うが、適宜必要な資料を配布する。
毎時間、課題を与え、次回の授業の最初に小テストを行う。
授業の復習に要する時間の目安は1.5時間である。
注意点:
評価方法
【2回の定期試験を均等評価】70%、【すべての小テストを均等評価】30%

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業内容:機械力学の概要説明、各種振動問題および振動の種類
事後学習:課題1の問題
機械力学の概要と振動に関する現状や問題および種類を理解する。
2週 授業内容:調和振動の定義、調和振動のベクトルや複素数表示
事後学習:課題2の問題
機械力学に必要な調和関数に関する数学的事項を理解する。
3週 授業内容:調和分析(フーリエ級数)
事後学習:課題3の問題
フーリエ級数の内容および振動現象での必要性を理解する。
4週 授業内容:1自由度不減衰系の自由振動
事後学習:課題4の問題
最も単純な1自由度系の振動を学ぶ。最初に、減衰のない1自由度系の自由振動を理解する。
5週 授業内容:エネルギー法
事後学習:課題5の問題
エネルギー保存の法則に基づき、運動方程式や固有振動数を求める方法を理解する。
6週 授業内容:1自由度減衰系の自由振動
事後学習:課題6の問題
減衰のある1自由度系の自由振動を理解する。
7週 授業内容:1自由度系の自由振動に関する演習問題 1自由度系の自由振動に関する問題が解ける。
8週 後期中間試験 振動現象や関連の計算手法および1自由度系の自由振動についての理解を問う。
4thQ
9週 授業内容:試験の解答および復習 試験の復習を行い、不十分な箇所の理解を深める。
10週 授業内容:1自由度不減衰系の強制振動
事後学習:課題7の問題
強制振動とは外部から加振力が加わったときの応答である。ここでは、減衰のない1自由度系の強制振動を理解する。
11週 授業内容:1自由度減衰系の強制振動
事後学習:課題8の問題
減衰のある1自由度系の強制振動を理解する。
12週 授業内容:強制振動の複素数による解法、Q係数
事後学習:課題9の問題
強制振動解を複素数で求めることができる。Q係数を理解する。
13週 授業内容:変位励振による強制振動、振動の絶縁
事後学習:課題10の問題
自動車や地震など外部からの変位入力に対する振動および機械が外部に伝える振動を理解する。
14週 授業内容:一般的加振力による過渡振動
事後学習:全体の演習問題
一般的加振力による過渡振動を理解する。
15週 後期末試験 主として、1自由度系の強制振動(力励振、変位励振)についての理解を問う。
16週 授業内容:試験の解答および復習 試験の復習を行い、不十分な箇所の理解を深める。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学振動の種類および調和振動を説明できる。4後2
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後4
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後6
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後11
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後12

評価割合

後期中間試験後期末試験小テスト等合計
総合評価割合70030100
到達目標①②3501550
到達目標③④3501550