到達目標
引張圧縮ならびに曲げ、どちらの場合も考え方は共通していることを授業やレポートで扱った問題を通じて理解し、それに関連した同レベルの応用問題には、60%は対応できることをもって最低の到達レベルとする。
1.引張り・圧縮およびせん断に関する各種問題において、応力や歪、伸び(縮み)を計算でき、許容応力や安全率を考慮して部材の寸法を決定できる。
2.簡単な梁(はり)について、せん断力図(SFD)と曲げモーメント図(BMD)を描くことができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 引張り・圧縮およびせん断に関する理解度チェックレベルの問題において、応力や歪、伸び(縮み)を計算でき、許容応力や安全率を考慮して部材の寸法を決定できる。 | 引張り・圧縮およびせん断に関する例題レベルの問題において、応力や歪、伸び(縮み)を計算でき、許容応力や安全率を考慮して部材の寸法を決定できる。 | 引張り・圧縮およびせん断に関する例題レベルの問題において、応力や歪、伸び(縮み)を計算できない。 |
評価項目2 | 簡単な梁(はり)について、せん断力図(SFD)と曲げモーメント図(BMD)を描くことができる。 | 簡単な梁について、反力、せん断力、曲げモーメントを計算できる。 | 簡単な梁について、反力、せん断力、曲げモーメントを計算できない。 |
| | | |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
機械や構造物の寸法は、安全でしかも経済的に使用する観点から決めることが肝要である。そのためには、そこに作用する力と変形を的確に知る必要があり、材料力学ではこれについて学ぶ。3年次では最も重要な引張圧縮と曲げに関する多くの例題を通して、基礎力と応用力を養う。※本授業は必修科目であり、卒業までに修得しなければならない。
授業の進め方・方法:
おおむね教科書に沿って講義を進め、個々の現象が共通の原理に支配されていることを示すとともに、その物理的意味を把握できるようにする。学習シートは毎回用意し、理解を深めることに役立てる。また、理解度を確認するために、適宜レポートを課す。受講者には、指定した演習問題を自力で解けるように自学自習する姿勢が必要となる。授業内容の理解のためにグループワークを適宜実施し、その成果を成績に反映させる。なお、授業の進行度合いに応じて、授業計画を変更することがある。
注意点:
【評価方法】
最終評価は中間と期末の試験成績の平均(80%)とレポート(10%)、グループワークの評価(10%)により行う。グループワークの評価は、グループワークの取り組み姿勢と各試験におけるグループの平均点で評価する。
最終評価点=((中間試験成績+期末試験成績)/2)×0.8+レポート(10点満点)
+グループワークの成果(10点満点)
【関連科目】
本 科:数学、物理、工業力学、材料力学II、弾塑性論、材料学I、材料学II、機械設計論I、機械設計論II、有限要素法、計算力学
専攻科:弾性力学、材料強度学、材料設計工学、CAE
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
【ガイダンス】 材料力学の位置づけを明確にし、目的や内容、授業の進め方や評価法などについて説明する。 |
材料力学の目的や授業の評価方法を理解する。
|
2週 |
【応力、ひずみ、フックの法則】 基本となる応力とひずみを確実に理解する。フックの法則において、弾性係数の大小の意味を理解する。 |
丸棒のひずみと伸びを計算する。
|
3週 |
【せん断応力、応力とひずみの関係、許容応力と安全率】 せん断応力を理解する。塑性域まで含めた応力-ひずみ線図を説明する。許容応力の意味を図上で確実に理解する。 |
せん断応力を計算する。 許容応力を用いて部材の寸法を決める。
|
4週 |
【引張りと圧縮(断面が変化する棒)】 断面が変化する棒について、力の釣り合いから、任意の断面に作用する力を求めればいいことを理解する。 |
段付き棒および円錐棒の引張り問題を解く。
|
5週 |
【引張りと圧縮(トラス)】 トラスについて、荷重点の力の釣り合いから、各棒材に作用する力を求めればいいことを理解する。 |
トラスの問題を解く。
|
6週 |
【引張りと圧縮(内圧を受ける物体)】 内圧を受ける薄肉円筒には二つの引張力が生じることを理解し、導出できるようにする。その大小関係から、薄肉容器の特性を理解する。 |
円筒薄肉容器および球形薄肉容器の問題を解く。
|
7週 |
【復習】 これまでの授業内容を復習する。 |
例題や理解度チェックの解法を説明できる。
|
8週 |
【中間試験】 引張りと圧縮について、代表的な各種静定問題で力の求め方が理解でき、生じる応力やひずみを求めうるか、同レベルの応用問題で確認する。 |
|
4thQ |
9週 |
【中間試験の解答、引張りと圧縮(自重・慣性力を受ける物体)】 中間試験の解答。シラバスで学習状況の確認。自重の影響、慣性力の扱い方を理解する。 |
自重を受ける棒および慣性力を受ける物体の問題を解く。
|
10週 |
【引張りと圧縮(遠心力を受ける物体)】 遠心力の扱い方を理解する。 |
遠心力を受ける物体の問題を解く。
|
11週 |
【引張りと圧縮(不静定問題、熱応力)】 両端が固定された棒、同心に配置された円筒の圧縮問題で不静定問題の取扱い方を理解する。熱応力が生じる理由を理解し、それが無視できないことを認識する。 |
不静定問題(熱応力含む)の代表例を解く。(レポート)
|
12週 |
【曲げの重要性、基本用語の説明、せん断力と曲げモーメントの定義】 実用面における曲げの重要性と基本用語を説明し、せん断力と曲げモーメントの定義を確実に理解する。 |
曲げの具体例を挙げる。 せん断力および曲げモーメントの符号を示す。
|
13週 |
【せん断力と曲げモーメント(片持梁)】 すべての基本となる集中荷重を受ける片持梁ならびに等分布荷重が作用する場合の考え方について理解する。 |
集中荷重や等分布荷重が作用する片持梁の反力R、せん断力Q、曲げモーメントMを求め、SFD、BMDを描く。
|
14週 |
【せん断力と曲げモーメント(片持梁、両端支持梁)】 片持梁に種々の負荷が加わる場合の解き方をまとめて復習する。両端支持梁の支点における反力の求め方を理解し、両端支持梁の問題は片持梁の考え方で解けることを理解する。 |
種々の負荷が加わる片持梁や集中荷重が作用する両端支持梁の反力R、せん断力Q、曲げモーメントMを求め、SFD、BMDを描く。
|
15週 |
【期末試験】 引張りと圧縮(自重,慣性力,遠心力を受ける物体)、引張圧縮の不静定問題、熱応力の基本問題、片持梁と両端支持梁のR、Q、Mなどの基本的な問題が解けるか確認する。 |
|
16週 |
【答案返却など】 後期末試験の解答。片持梁と両端支持梁の総復習。 |
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。 | 3 | 後5 |
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。 | 3 | 後5 |
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。 | 3 | 後5 |
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。 | 3 | 後14 |
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。 | 3 | 後14 |
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 3 | 後2,後6,後9,後10 |
応力とひずみを説明できる。 | 3 | 後2 |
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。 | 3 | 後2 |
応力-ひずみ線図を説明できる。 | 3 | 後3 |
許容応力と安全率を説明できる。 | 3 | 後3 |
断面が変化する棒について、応力と伸びを計算できる。 | 3 | 後4 |
棒の自重よって生じる応力とひずみを計算できる。 | 3 | 後9 |
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。 | 3 | 後11 |
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。 | 3 | 後11 |
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。 | 3 | 後12 |
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。 | 3 | 後13,後14 |
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。 | 3 | 後13,後14 |
評価割合
| 試験 | レポート | グループワーク | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 10 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 10 | 0 | 90 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 10 | 10 |