制御工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 制御工学Ⅰ
科目番号 0093 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械電気工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 佐藤和也,平元和彦,平田研二,『はじめての制御工学』,講談社
担当教員 池田 将晃

到達目標

古典制御理論によるフィードバック制御,フィードフォワード制御,伝達関数,周波数応答などを理解し,与えられた条件からフィードバック制御制御系(ブロック線図による表現)設計ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
自動制御の概要自動制御の定義と種類を具体的な例を挙げて説明でき,フィードバック制御の概念と構成要素の実用的な例を挙げて説明できる.自動制御の定義と種類を説明でき,フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる.自動制御の定義と種類を説明できず,フィードバック制御の概念と構成要素を説明できない.
ラプラス変換複雑な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができ,ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて物理現象の微分方程式を解くことができる.基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができ,ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる.基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることがでず,ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができない.
伝達関数とブロック線図制御系の伝達関数を構成でき,ブロック線図を用いた制御系の表現を考察できる.伝達関数を説明でき,ブロック線図を用いて制御系を表現できる. 伝達関数を説明できず,ブロック線図を用いて制御系を表現できない.
制御系の安定性安定判別法を制御系に適用し,安定から不安定に至る現象の解析ができる.安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる.安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できない.

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
メカトロニクス制御技術に必要な制御工学を理解するため,本授業では「古典制御理論による制御工学」を修得し,5年次での制御系設計修得へとつなぐ.特に,実践的な電子制御工学を学ぶ.また,最小限に必要な数学の基礎についても演習を交えながら授業を行う.
授業の進め方・方法:
ノート講義を中心に授業を進める,授業内容の理解度を確認し,不足を補うためのレポート課題の出題,授業に対する要望などを知るために,学習シートを配布する.特に,本科で学んだ物理学,機械力学,電気回路,電子回路,計測工学,数学等の知識及び,実例を交えて実践的な制御工学を学ぶ.授業の内容を確実に身につけるため予習復習が必須である.
注意点:
[関連科目]
本科:基礎物理 I(2年),工業力学(3年),機械力学 I・II(4・5 年),制御工学 II(5年),電気回路 I・II(3・4年),電子回路 I・II(3・4年),計測工学(5年)
専攻科:システム制御工学(2年),システム設計工学(2年),ロボット制御工学(2年)
[参考図書]
一般社団法人日本機械学会,『日本機械学会JSMEテキストシリーズ 制御工学』,丸善

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,微分方程式と制御の関係 講義の目的,概要,進め方等を理解する.微分方程式とのつながりを説明できる.
2週 制御とは 制御とは何かを簡潔に説明できる.
3週 システムの数式モデルとその例 静的システムと動的システムの違いを説明でき,例を挙げて簡潔に説明できる.
4週 伝達関数とブロック線図 伝達関数とブロック線図について簡潔に説明できる.
5週 ラプラス変換 簡単なラプラス変換および逆ラプラス変換の問題が計算できる.
6週 動的システムのインパルス応答 動的システムの応答とは何か説明できる.動的システムのインパルス応答を求めることができる.
7週 動的システムのステップ応答 動的システムのステップ応答を求めることができる.
8週 中間試験 中間試験を実施して理解度を確認する
4thQ
9週 過渡特性と定常特性 過渡特性と定常特性について簡潔に説明できる.
10週 1次遅れ系の応答,システムの極 1次遅れ系の応答から過渡特性や定常特性を調べることができる.システムの極について説明できる.
11週 2次遅れ系のインパルス応答 2次遅れ系のインパルス応答を求めることができる.パラメータの違いによる応答の違いを説明できる.
12週 2次遅れ系のステップ応答,応答と極の関係 2次遅れ系のステップ応答を求めることができる.パラメータの違いによる応答の違いを説明できる.応答と極の関係を簡潔に説明できる.
13週 定常特性,過渡特性と安定性 システムの定常特性と,最終値定理を用いた定常値の求め方を説明できる.システムの安定性とは何か説明できる.過渡特性と安定性の関係を調べ,システムの安定性を説明できる.
14週 極と過渡特性,ラウスの安定判別法 システムの極と過渡特性の関係からシステムの安定性を説明できる.ラウスの安定判別法を使ってシステムの安定性を判別できる.
15週 期末試験 本授業で学んだ内容の理解度について確認する
16週 答案返却など 試験の解答と解説を行う

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。4
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4
伝達関数を説明できる。4
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4
制御系の過渡特性について説明できる。4
制御系の定常特性について説明できる。4
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4
電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4

評価割合

試験発表レポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80020000100
基礎的能力0000000
専門的能力80020000100
分野横断的能力0000000