制御工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 制御工学Ⅱ
科目番号 0097 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械電気工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 制御工学(日本機械学会 JSMEテキストシリーズ)、先端事例から学ぶ「機械工学」(JSME)
担当教員 池田 将晃

到達目標

古典制御理論によるフィードバック制御設計、現代制御理論の概念、状態方程式に基づく制御系設計などできるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
制御系の応答制御系の過渡特性,定常特性,周波数特性について解析し,応答について考察できる.制御系の過渡特性,定常特性,周波数特性について説明できる. 制御系の過渡特性,定常特性,周波数特性について説明できない.
古典制御理論による制御系設計根軌跡法,PID制御法,極配置法の関係について説明でき,各方法を用いて制御器の設計ができる.基本的な制御系について根軌跡法,PID制御法,極配置法による制御器の設計ができる.基本的な制御系について根軌跡法,PID制御法,極配置法による制御器の設計ができない.
現代制御理論の概要状態方程式,可制御性,可観測性を求め,考察することができる.状態方程式,可制御性,可観測性について説明できる.状態方程式,可制御性,可観測性について説明できない.
状態方程式に基づく制御系設計状態方程式による安定性の判別ができ,状態フィードバック制御,最適レギュレータ制御,ロバスト制御を用いて制御器を設計できる.状態方程式による安定性の判別,状態フィードバック制御,最適レギュレータ制御,ロバスト制御について説明できる.状態方程式による安定性の判別,状態フィードバック制御,最適レギュレータ制御,ロバスト制御について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE d-1 説明 閉じる
到達目標 C 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
4年次の制御工学Iで得た知識や実銭的な事例をさらに深めたメカトロニクス制御技術を学び、制御系設計に必要な電子制御工学を理解する。本授業では「古典制御理論と現代制御理論による制御工学」を修得し、制御系設計修得へとつなぐ。特に、機械システムの実践的な電子制御工学や制御理論を学ぶ。また、最小限に必要な数学の基礎についても演習を交えながら授業を行う。
授業の進め方・方法:
板書講義を中心に授業を進める。授業内容の理解度を確認し、不足を補うためのレポート課題の出題、授業に対する要望などを知るために、学習シートを配布する。特に、本科で学んだ物理学、機械力学、電気回路、電子回路、計測工学、数学等の知識および、実例を交えて実践的な電子制御工学を学ぶ。授業の内容を確実に身につけるため予習復習が必須である。
注意点:
[関連科目] 本科:基礎物理I(2年)、工業力学(3年)、機械力学I・II(4・5年)、制御工学I(4年)、電気回路I・II(3・4年)、電子回路I・II(3・4年)、計測工学(5年)
専攻科:システム設計工学(2年)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子制御工学の基礎概念 オリエンテーション(講義の目的,概要,進め方等)
2週 フィードバック制御(FB制御)系 フィードバック制御(FB制御)復習と実例(無人搬送車の走行操舵技術)を紹介する
3週 システムの時間応答(1) 過渡応答の時間応答計算法を理解する
4週 システムの時間応答(2) 過渡応答の代表根の計算方法を理解する
5週 システムの時間応答(3) 定常特性の目標値に対する定常偏差を理解する
6週 システムの時間応答(4) 定常特性の外乱に対する定常偏差を理解する
7週 システムの時間応答(1)-(4)復習 過渡特性と定常特性に関する復習を行い、理解する
8週 中間試験 中間試験を実施して理解度を確認する
2ndQ
9週 中間試験の解説と解答、制御系設計の実例紹介 中間試験の解説と解答を行い、学習の確認を行う。制御系設計の実例(HDD位置決め制御技術)を紹介する
10週 制御設計の古典手法(1) 根軌跡法による制御系設計を理解する
11週 制御設計の古典手法(2) 比例制御・微分制御・積分制御を理解する
12週 制御設計の古典手法(3) 極配置法による制御系設計を学ぶ
13週 制御設計の古典手法(4) 2自由度制御系、モデルマッチングを学ぶ
14週 制御設計の古典手法(1)-(4)の総復習 総復習、例題を解く
15週 期末試験 本授業で学んだ内容の理解度について確認する
16週 答案返却など 試験の解答と解説を行う
後期
3rdQ
1週 現代制御理論の概念(1) 現代制御理論による状態と観測、状態方程式を学ぶ
2週 現代制御理論の概念(2) 状態方程式の算出方法を学び、その例題を解く
3週 現代制御理論の概念(3) 状態方程式の例題を解く
4週 現代制御理論の概念(4) システムの結合方法を学び、その例題を解く
5週 現代制御理論の概念(5) 可制御性を理解し、その例題を解く
6週 現代制御理論の概念(6) 可観測性を理解し、その例題を解く
7週 現代制御理論の概念(1)-(6) 総復習 現代制御理論の概念を復習し理解する
8週 中間試験 中間試験を実施して理解度を確認する
4thQ
9週 中間試験の解説と解答、実例紹介1 中間試験の解説と解答を行い、学習の確認を行う。実例1(N700系新幹線の省エネ制御)を学ぶ
10週 状態方程式に基づく制御系設計(1) 状態方程式による安定性の判別方法を理解する
11週 状態方程式に基づく制御系設計(2) 状態フィードバック制御と極配置法を理解する
12週 状態方程式に基づく制御系設計(3) 最適レギュレータ制御と、その例題を学ぶ
13週 状態方程式に基づく制御系設計(4) ロバスト制御と、その例題を学ぶ
14週 実例紹介2 磁気デイスク装置などの実例を学ぶ
15週 期末試験 本授業で学んだ内容の理解度について確認する
16週 答案返却など 試験の解答と解説を行う

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。4
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4
伝達関数を説明できる。4
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4
制御系の過渡特性について説明できる。4
制御系の定常特性について説明できる。4
制御系の周波数特性について説明できる。4
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4
電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価レポートポートフォリオその他合計
総合評価割合80002000100
基礎的能力0000000
専門的能力80002000100
分野横断的能力0000000