概要:
機械設計は、機械工学の知識を活用して新しい機械製品を創りだす活動として重要であり、設計目標を達成する解を見出し、それが正しく機能することを確認する一連の知的作業である。本科目では機構、材料、加工法を始めとする工学の基礎を総合して機械設計の基本的な考え方を理解することをめざす。
授業の進め方・方法:
授業はおおむね教科書に沿って講義形式で進めるが、教科書だけでは説明不足の箇所に関しては適宜プリントを配布して説明する。
注意点:
授業の内容を確実に理解し身につけるには、予習復習が必須である。レポート課題を与え理解度を深める。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オリエンテーション |
機械設計論を学ぶ目的を理解し、材料学で学習した機械材料の説明ができる。
|
2週 |
機械設計の基礎および標準規格 |
機械設計の基本的な立場を理解し、標準規格の必要性を説明できる。
|
3週 |
標準数およびはめあい |
標準数およびはめあいの意味を説明できる。
|
4週 |
幾何公差および表面粗さ |
幾何公差および表面粗さの意味を説明できる。
|
5週 |
材料に作用する力および材料の引張・圧縮強さ、曲げ強さ |
材料に加わる荷重の種類を説明でき、部材に生じる引張、圧縮応力および曲げ応力が計算できる。
|
6週 |
材料のねじり強さおよび材料の破壊と強さ |
部材に生じるねじり応力が計算でき、許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。
|
7週 |
ねじの原理、規格およびねじの力学 |
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。
|
8週 |
ねじの設計法 |
ねじの設計法を理解し、強度計算を行うことができる。
|
2ndQ |
9週 |
中間試験 |
前期中間までに学習した基本的な事項について出題。
|
10週 |
締結用機械要素 |
ボルトナット、リベット継手の種類と用途を理解し、強度計算ができる。
|
11週 |
軸の種類と用途 |
軸の種類と用途が説明できる。
|
12週 |
軸の設計法 |
軸の設計法を理解し、軸の強度、変形、危険速度を計算できる。
|
13週 |
キー、ピン |
キーとピンの種類と用途を理解し、キーの強度を計算できる。
|
14週 |
軸継手 |
軸継手の種類と用途を理解し、軸継手の強度を計算できる。
|
15週 |
期末試験 |
前期末までに学習した基本的な事項について出題。
|
16週 |
答案返却など |
期末試験問題の解答と今後の対策について。
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
クラッチ |
クラッチの原理と種類を理解し、クラッチの強度を計算できる。
|
2週 |
滑り軸受 |
軸受の基礎事項を理解し、滑り軸受の強度を計算できる。
|
3週 |
転がり軸受 |
転がり軸受の強度が計算でき、潤滑法を説明できる。
|
4週 |
歯車の基礎 |
歯車の種類および基礎事項が説明できる。
|
5週 |
平歯車の強さ |
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。
|
6週 |
歯車列、歯車伝動装置 |
歯車列および歯車伝動装置の種類が説明でき、速度伝達比を計算できる。
|
7週 |
平ベルト伝動 |
平ベルトの基礎事項を理解し、平ベルト伝動装置の設計ができる。
|
8週 |
中間試験 |
後期中間までに学習した基本的な事項について出題。
|
4thQ |
9週 |
Vベルト伝動 |
Vベルトの基礎事項を理解し、Vベルト伝動装置の設計ができる。
|
10週 |
歯付ベルト伝動 |
歯付ベルトの基礎事項を理解し、歯付ベルト伝動装置の設計ができる。
|
11週 |
チェーン伝動 |
チェーンの基礎事項を理解し、チェーン伝動装置の設計ができる。
|
12週 |
ブレーキ |
ブレーキの原理と種類を理解し、ブレーキ容量の計算ができる。
|
13週 |
カム、リンク |
カム、リンク機構の基礎事項を理解し、機構の種類と解析方法が説明できる。
|
14週 |
ばね |
ばねの機能と規格を理解し、コイルばね、板バネ、トーションバーの設計ができる。
|
15週 |
期末試験 |
後期末までに学習した基本的な事項について出題。
|
16週 |
答案返却など |
後期末試験の解答をする。
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 機械設計 | 標準規格の意義を説明できる。 | 4 | 前2 |
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。 | 4 | 前6 |
標準規格を機械設計に適用できる。 | 4 | |
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。 | 4 | 前7 |
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。 | 4 | 前8 |
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。 | 4 | 前8 |
軸の種類と用途を理解し、適用できる。 | 4 | 前10 |
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。 | 4 | 前11 |
キーの強度を計算できる。 | 4 | 前12 |
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。 | 4 | 前13 |
滑り軸受の構造と種類を説明できる。 | 4 | 後1 |
転がり軸受の構造、種類、寿命を説明できる。 | 4 | 後2 |
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。 | 4 | 後3 |
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。 | 4 | 後3 |
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。 | 4 | 後3 |
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。 | 4 | 後4 |
歯車列の速度伝達比を計算できる。 | 4 | 後5 |
力学 | 周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。 | 4 | 前6 |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | 前6 |
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 4 | 前5 |
応力とひずみを説明できる。 | 4 | 前5 |
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。 | 4 | 前5 |
許容応力と安全率を説明できる。 | 4 | 前5 |
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。 | 3 | 前6 |
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。 | 3 | 前6 |
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。 | 3 | 前6 |
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。 | 3 | 前5 |
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。 | 3 | 前5 |
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。 | 3 | 前5 |
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。 | 3 | 前5 |
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。 | 3 | 前5 |
材料 | 疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。 | 4 | |