機械力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機械力学Ⅰ
科目番号 0105 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械電気工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 横山隆ほか「基礎 振動工学」(共立出版)
担当教員 櫻本 逸男

到達目標

①振動現象や関連の計算手法について理解し、課題に対する計算を行うことができる。
②1自由度系の自由振動について理解し、課題に対する計算を行うことができる。
③1自由度系の強制振動(力励振)について理解し、課題に対する計算を行うことができる。
④1自由度系の強制振動(変位励振)について理解し、課題に対する計算を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標①振動現象や関連の計算手法について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。振動現象や関連の計算手法についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。振動現象や関連の計算手法についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。
到達目標②1自由度系の自由振動について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。1自由度系の自由振動についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。1自由度系の自由振動についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。
到達目標③1自由度系の強制振動(力励振)について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。1自由度系の強制振動(力励振)についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。1自由度系の強制振動(力励振)についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。
到達目標④1自由度系の強制振動(変位励振)について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。1自由度系の強制振動(変位励振)についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。1自由度系の強制振動(変位励振)についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE d-1 説明 閉じる
到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学で学ぶ材料力学、水力学、熱力学を三力学と呼び、更に機械力学を加えて四力学と呼ぶ。機械力学は、振動現象に関連した工学の応用分野を取り扱う。振動は物理現象であるが、それを表現するための道具としての数学の知識が不可欠である。また、物理現象を感覚的にイメージしながら数式と結びつけて考える習慣が必要とされる。必要とされる数学は、三角関数、微積分、微分方程式、ベクトルと行列および複素数や調和解析である。4年次後期の機械力学の授業では、基本的な1自由度系の振動現象を取扱う。初期条件により運動が決まる自由振動および時間的に大きさが変化する加振力が加わったときの応答である強制振動を、それぞれ減衰のある場合とない場合に分けて説明する。
授業の進め方・方法:
基本的に教科書に沿って講義を行うが、適宜必要な資料を配布する。毎時間、学習シートを配布し、基本的な例題や演習問題を課題として与える。なお、学習シートは、次の時間に提出させ、自己評価で授業内容の理解度を記述させる。また、課題のレポートとしての機能も果たす。
注意点:
評価方法
【中間試験】×0.4+【期末試験】×0.4+【学習シートの課題20点満点】
再試験の評価方法は次のどちらかの高い方とする。 ①【再試験】のみ ②【再試験】×0.8+【学習シート】×0.2

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 機械力学の概要説明
各種振動問題および振動の種類(学習シート1)
機械力学の概要と振動に関する現状や問題および種類を理解する。
2週 調和振動の定義
調和振動のベクトルや複素数表示(学習シート2)
機械力学に必要な調和関数に関する数学的事項を理解する。
3週 調和分析(フーリエ級数)(学習シート3) フーリエ級数の内容および振動現象での必要性を理解する。
4週 1自由度不減衰系の自由振動(学習シート4) 最も単純な1自由度系の振動を学ぶ。最初に、減衰のない1自由度系の自由振動を理解する。
5週 エネルギー法(学習シート5) エネルギー保存の法則に基づき、運動方程式や固有振動数を求める方法を理解する。
6週 1自由度減衰系の自由振動(学習シート6) 減衰のある1自由度系の自由振動を理解する。
7週 1自由度系の自由振動に関する演習問題 1自由度系の自由振動に関する問題が解ける。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 中間試験の解答および復習 中間試験の範囲の復習を行い、不十分な箇所の理解を深める。
10週 1自由度不減衰系の強制振動(学習シート7) 強制振動とは、外部から加振力が加わったときの応答である。ここでは、減衰のない1自由度系の強制振動を理解する。
11週 1自由度減衰系の強制振動(学習シート8) 減衰のある1自由度系の強制振動を理解する。
12週 Q係数
変位励振による強制振動(学習シート9)
Q係数および自動車や地震など外部からの変位入力に対する振動を理解する。
13週 振動の絶縁
一般的加振力による過渡振動(学習シート10)
機械が外部に伝える振動および一般的な加振力による過渡振動を理解する。
14週 1自由度系の強制振動に関する演習問題 1自由度系の強制振動に関する問題が解ける。
15週 後期末試験
16週 期末試験の解答および復習 期末試験の範囲の復習を行い、不十分な箇所の理解を深める。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学振動の種類および調和振動を説明できる。4後2
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後4
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後6
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後11
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後12

評価割合

後期中間試験後期末試験学習シート合計
総合評価割合404020100
到達目標①200525
到達目標②200525
到達目標③020525
到達目標④020525