機械力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械力学Ⅱ
科目番号 0111 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械電気工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 横山隆ほか「基礎 振動工学」(共立出版)
担当教員 櫻本 逸男

到達目標

複合分野の基礎となる基本的素養を身につけるため、以下の項目を到達目標とする。
①2自由度系の自由振動について理解し、課題に対する計算を行うことができる。
②2自由度系の強制振動(動吸振器)、影響係数について理解し、課題に対する計算を行うことができる。
③ラグランジェの方程式、振動センサの種類、特徴、精度について理解し、課題に対する計算を行うことができる。
④振動制御(受動制御、能動制御)について理解し、課題に対する計算を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標①2自由度系の自由振動について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。2自由度系の自由振動についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。2自由度系の自由振動についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。
到達目標②2自由度系の強制振動(動吸振器)、影響係数について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。2自由度系の強制振動(動吸振器)、影響係数についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。2自由度系の強制振動(動吸振器)、影響係数についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。
到達目標③ラグランジェの方程式、振動センサの種類、特徴、精度について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。ラグランジェの方程式、振動センサの種類、特徴、精度についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。ラグランジェの方程式、振動センサの種類、特徴、精度についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。
到達目標④振動制御(受動制御、能動制御)について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。振動制御(受動制御、能動制御)についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。振動制御(受動制御、能動制御)についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学で学ぶ材料力学、水力学、熱力学を三力学と呼び、更に機械力学を加えて四力学と呼ぶ。機械力学は、振動現象に関連した工学の応用分野を取り扱う。振動は物理現象であるが、それを表現するための道具としての数学の知識が不可欠である。また、物理現象を感覚的にイメージしながら数式と結びつけて考える習慣が必要とされる。必要とされる数学は、三角関数、微積分、微分方程式、ベクトルと行列および複素数や調和解析である。4年次後期の機械力学の授業では、基本的な1自由度系の振動現象について学習した。複数の自由度が存在すると多自由度系となるが、最も次数の低い2自由度系について自由振動と強制振動に分けて説明する。さらに、振動の計測でセンサの種類と原理、最後に振動の制御について具体的な例も示しながら原理を説明する。
授業の進め方・方法:
基本的に教科書に沿って講義を行うが、適宜必要な資料を配布する。
毎時間、課題を与え、次回の授業の最初に小テストを行う。
問題を解く目安は1.5時間である。
注意点:
評価方法
【2回の定期試験を均等評価】70%、【すべての小テスト等を均等評価】30%

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業内容:2自由度不減衰系の自由振動
事後学習:課題1の問題
多自由度系で最も次数の低い2自由度系の自由振動に関する内容を減衰のない場合について理解する。
2週 授業内容:2自由度不減衰系の自由振動の例題
事後学習:課題2の問題
例題を通して、2自由度不減衰系の自由振動についての理解を深める。
3週 授業内容:並進運動と回転運動の連成
事後学習:課題3の問題
自動車の振動モデルを例にとり、並進運動と回転運動の連成について理解する。
4週 授業内容:2自由度不減衰系の強制振動
事後学習:課題4の問題
2自由度不減衰系の強制振動について理解する。
5週 授業内容:減衰系振動(粘性動吸振器)
事後学習:課題5の問題
2自由度減衰系の強制振動を粘性動吸振器で理解する。
6週 多自由度系の振動、影響係数
事後学習:課題6の問題
一般的な多自由度系の振動と影響係数を理解する。影響係数について理解する。
7週 前期中間試験 2自由度系の自由振動および強制振動(動吸振器)ての理解を問う。
8週 授業内容:振動モード解析の概略、ラグランジェの方程式
事後学習:課題7の問題
振動モード解析の概略を理解する。複雑な系の運動方程式を求める場合に有効なラグランジェの方程式を理解する。
2ndQ
9週 授業内容:振動センサの種類
事後学習:復習
振動センサの種類について学ぶ。
10週 授業内容:サイズモ系の測定原理
事後学習:課題8の問題
サイズモ系の測定原理について理解する。
11週 授業内容:変位センサの応答と精度
事後学習:課題9の問題
変位センサの応答と精度について理解する。
12週 授業内容:振動制御の種類
事後学習:課題10の問題
振動制御の種類について資料をもとに理解する。
13週 授業内容:振動の受動制御、能動制御
事後学習:課題11の問題
系内部の減衰要素を調整する受動制御、エネルギーを与えて制御する能動制御について理解する。
14週 授業内容:一般的な加振力の過渡応答
事後学習:復習
一般的な加振力に対する過渡応答について理解する。
15週 前期末試験 ラグランジェの方程式、振動センサ、振動制御(受動制御、能動制御)についての理解を問う。
16週 授業内容:試験の解答および復習 試験範囲の復習を行い、不十分な箇所の理解を深める。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4
振動の種類および調和振動を説明できる。4
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4

評価割合

前期中間試験前期末試験小テスト等合計
総合評価割合353530100
到達目標①②3501550
到達目標③④0351550