熱機関

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 熱機関
科目番号 0114 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械電気工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 教科書:丸茂栄佑・木元恭司 共著「工業熱力学」コロナ社 ,参考書:一色尚次・北山直方 共著「わかりやすい熱力学」SI版 森北出版株式会社 ,田坂秀紀・佐藤忠数 共著「内燃機関」 森北出版株式会社など
担当教員 池田 光優

到達目標

複合分野の設計能力を身につけるため、現在用いられている熱機関について、その周辺機器であるノズルも含めて、次の項目について対応する計算などができるようになる。
・圧縮性流体の流れにおける各現象が理解でき、理想的なノズル形状が選択できる。
・熱機関の各種サイクルが理解でき、熱効率などの値が計算できる。
・熱機関の性能評価方法が理解でき、実際に性能評価が行うことができる。
・実際の熱機関の燃焼形態が理解でき、ガソリン機関やディーゼル機関の不正燃焼改善策まで議論することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
圧縮性流体の流れにおける各現象が理解できる。圧縮性流体の流れに関する現象が理解でき、ノズルの形状と流れの速度な関係などが説明できる。圧縮性流体の流れに関する現象が理解でき、ノズルの形状と流れの速度な関係などの計算が指示された通り行える。圧縮性流体の流れに関する現象が理解でき、ノズルの形状と流れの速度な関係などが計算できない。
熱機関の各種サイクルが理解できる。熱機関の各種サイクルが理解でき,熱効率や発生仕事などの様々な値が計算できる。熱機関の各種サイクルが理解でき,熱効率などが計算できる。熱機関の各種サイクルが理解できず,熱効率などが計算できない。
熱機関の性能評価方法が理解できる。熱機関の性能評価方法が理解でき,実際に性能評価が行える。熱機関の性能評価方法が理解でき,与えられたデータより様々な値が計算できる。熱機関の性能評価方法が理解できず,与えられたデータより様々な値が計算できない。
実際の熱機関の燃焼形態が理解できる。ガソリン機関やディーゼル機関の異常燃焼の改善策まで議論することができる。ガソリン機関やディーゼル機関の燃焼経過が理解でき,説明することができる。ガソリン機関やディーゼル機関の燃焼経過が理解できず,説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
4年次で学んだ熱力学の基礎を用いて、熱エネルギを動力とする熱機関に関する項目を数式を用いて理解する。そして、実際の機関の性能評価が行えるようになる。
授業の進め方・方法:
授業のはじめに、講義内で行う項目の説明を行い、その項目について60分程度の講義を行う。その後50分程度で解ける演習(学習シート)を行い、講義内で学んだ理論を実際の問題に結びつけられるようにする。
注意点:
上記の内容を確実に身につけるために教科書の章末問題を毎週60分程度自学自習としておこなうこととする。
総合評価(100%)=各テスト評価(60%)+学習シート演習評価(30%)+テキスト演習評価(10%)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱力学の復習 熱力学で学んだことのうち、熱機関に関連する項目の復習を行い、熱平衡などの計算ができる。(学習シート1)
2週 第0章 圧縮性流体の流れ
0.1 圧縮性流体の運動方程式
0.2 圧縮性流体の連続の式
圧縮性流体の運動方程式及び連続の式について理解し、圧縮性流体の流速係数などが計算できる。(学習シート2)
3週 0.3 圧縮性流体のエネルギー保存 圧縮性流体の運動方程式からエネルギー保存式を導き、ノズル出口流速などが計算できる。(学習シート3)
4週 0.4 圧縮性流体の流れと音速 圧縮性流体の龍右側と音速の関係からマッハ数の定義,衝撃波現象について理解し、ノズル内の音速などが計算できる。(学習シート4)
5週 第1章 熱機関の分類
第2章 熱機関の動作
2.1往復型ピストン機関の作動
2.2タービン形機関の作動
熱機関の分類、往復型ピストン機関の作動、タービン形機関の動作について理解し、熱機関の分類が様々な観点から行うことができる。(学習シート5)
6週 第3章 熱機関のサイクル
3.1 Otto サイクル
3.2 Diesel サイクル
3.3 Sabate サイクル
3.4 Brayton-Joule サイクル
Otto,Diesel,Sabate,Brayton-Jouleの各サイクルの熱効率について理解し、これらのサイクルの熱効率が計算できる。(学習シート6)
7週 3.5 各サイクルの比較
3.6 燃料-空気サイクル
これまでに学んだサイクルの熱効率を比較し比較することの意味を理解し、そのサイクルの熱効率が高いか説明することができる。(学習シート7)
8週 中間試験 熱機関の分類に関する語句説明問題、各熱機関のサイクルに関する問題を主に出題する。授業中に実施することもある。
2ndQ
9週 第4章 熱機関の性能解析1
4.1 図示出力と線図係数
4.2 正味出力と機械効率 4.3 出力の測定
4.4 熱勘定
熱機関の性能解析を行う際に必要な項目、熱機関における出力の測定および算出について理解し、熱勘定を示すことができる。(学習シート9)
10週 第5章 燃料及び燃焼
5.1 燃料
熱機関に主に用いられている燃料についてその性状などを理解し、空燃比などが計算できる。(学習シート10)
11週 5.2 燃焼の基礎 熱機関でおこなわれる燃焼の基礎として、化学反応機構の基礎を理解し、発熱量や熱発生率などが算出できる。(学習シート11)
12週 第6章 火花点火機関における燃焼
6.1 正常燃焼
6.2 火花ノッキング
6.3 異常燃焼
6.4 異常燃焼の防止策
火花点火機関における正常燃焼および異常燃焼について理解し、異常燃焼の解決法が説明できる。(学習シート12)
13週 第7章 圧縮着火機関における燃焼
7.1 ディーゼル燃焼
7.2 噴霧
7.3 ディーゼルノッキング
7.4 ディーゼルノッキングの防止策
圧縮着火機関における燃焼、圧縮着火機関におけるノッキング現象 (ディーゼルノック) について理解し、その解決法が説明できる。(学習シート13)
14週 第8章 熱機関における運動機構
第9章 熱機関における振動・騒音 
熱機関における運動機構 (クランク機構やバルブ機構など ) について理解する。また熱機関において発生する振動・騒音をその加振源を基に分類し、 それぞれの現象の発生原理が説明できる。(学習シート14)
15週 期末試験 それぞれの機関における燃焼に関する語句説明問題、熱機関の性能解析に関する計算問題、熱機関の振動・騒音や運動機構に関する問題、熱力学全体に関する計算問題を出題する。
16週 まとめ 期末試験の採点済み解答の返却を行い、答え合わせを行う。その後この1年半の熱力学の総括を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4
サイクルをT-s線図で表現できる。4

評価割合

確認テスト演習課題合計
総合評価割合603010100
圧縮性流体の流れにおける各現象が理解できる。105520
熱機関の各種サイクルが理解できる。105520
熱機関の性能評価方法が理解できる。2010030
実際の熱機関の燃焼形態が理解できる。2010030