電気回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電気回路Ⅱ
科目番号 0118 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械電気工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 早川義晴ほか「電気回路(1)直流・交流回路編」、 阿部減一ほか「電気回路(2)回路網・過渡現象編」(コロナ社)
担当教員 櫻本 逸男

到達目標

①複素数を用いた交流回路の計算方法(記号法)および電気回路の諸法則について理解し、課題に対する計算を行うことができる。
②相互誘導に関する内容について理解し、課題に対する計算を行うことができる。
③三相交流に関する内容について理解し、課題に対する計算を行うことができる。
④過渡現象に関する内容について理解し、課題に対する計算を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標①記号法および諸法則について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。記号法および諸法則についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。記号法および諸法則についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。
到達目標②相互誘導について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。相互誘導についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。相互誘導についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。
到達目標③三相交流について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。三相交流についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。三相交流についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。
到達目標④過渡現象について理解し、課題に対する計算を間違いなく行うことができる。過渡現象についてほぼ理解し、課題に対する基本的な計算を行うことができる。過渡現象についての理解が不十分であり、課題に対する計算を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
4年生前期の電気回路は、3年生で学習した基礎的内容を発展させ、 記号法による交流回路計算、三相交流回路、過渡現象について学習する。必要となる数学は、三角関数、ベクトル、複素数、微分方程式である。
授業の進め方・方法:
基本的に教科書に沿って講義を行うが、適宜必要な資料を配布する。毎時間、学習シートを配布し、基本的な例題や演習問題を課題として与える。なお、学習シートは、次の時間に提出させ、自己評価で授業内容の理解度を記述させる。また、課題のレポートとしての機能も果たす。
注意点:
評価方法
【中間試験】×0.4+【期末試験】×0.4+【学習シートの課題20点満点】
再試験の評価方法は次のどちらかの高い方とする。 ①【再試験】のみ ②【再試験】×0.8+【学習シート】×0.2

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業内容:複素数の計算
事後学習:学習シート1の問題を解く。目安は1.5時間。
複素数の計算方法を理解する。
2週 授業内容:記号法による交流回路の計算、インピーダンスの直列、並列
事後学習:学習シート2の問題を解く。目安は1.5時間。
R、L、Cの単独回路と複合回路に関する記号法による計算方法を理解する。
3週 授業内容:ブリッジ回路、複素電力
事後学習:学習シート3の問題を解く。目安は1.5時間。
ブリッジ回路および記号法を使用した電力の計算方法を理解する。
4週 授業内容:キルヒホッフの法則
事後学習:学習シート4の問題を解く。目安は1.5時間。
交流回路に適用するキルヒホッフの法則を理解する。
5週 授業内容:重ね合わせの理、テブナンの定理、最大有効電力定理
事後学習:学習シート5の問題を解く。目安は1.5時間。
重ね合わせの理とテブナンの定理を理解する。電源が負荷に与える電力が最大となる最大有効電力定理を理解する。
6週 授業内容:相互誘導回路、結合係数
事後学習:学習シート6の問題を解く。目安は1.5時間。
変圧器の原理である磁気的結合をもつ電気回路を理解する。
7週 授業内容:磁気結合回路の等価回路、コイルの合成インダクタンス
事後学習:学習シート7の問題を解く。目安は1.5時間。
磁気結合回路を回路図で表現する方法を理解する。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 授業内容:中間試験の解答および復習、三相交流の概略 中間試験の範囲の復習を行い、不十分な箇所の理解を深める。
10週 授業内容:三相交流の発生と性質、三相交流と三相結線
事後学習:学習シート8の問題を解く。目安は1.5時間。
三相交流の性質について学習する。三相結線の種類、相電圧、相電流、線間電圧、線電流を理解する。
11週 授業内容:三相電力と電力ベクトル図、三相交流とV結線
事後学習:学習シート9の問題を解く。目安は1.5時間。
三相電力とベクトル図、Δ結線の一相を除いたV結線、スターデルタ変換を理解する。
12週 授業内容:演習問題 三相交流回路に関する演習問題を行う。
13週 授業内容:直流電圧による過渡現象(RL直列回路)
事後学習:学習シート10の問題を解く。目安は1.5時間
過渡現象の概略を説明し、RL直列回路に直流電圧(ステップ入力)を加えた場合の応答を理解する。
14週 授業内容:直流電圧による過渡現象(RC直列、RL直並列)
RCの直列回路およびRL直並列回路に、直流電圧(ステップ入力)を加えた場合や取り去った場合の応答を理解する。
15週 前期末試験
16週 授業内容:期末試験の解答および復習 期末試験の復習を行い、不十分な箇所の理解を深める。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4前2
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4前3
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4前2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4前2
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4前4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4前2
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4前5
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4前6
理想変成器を説明できる。4前6
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4前3
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4前13
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4前14
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4
電磁気電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4前6
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4前10
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4前11
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4前10
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4前7
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。4前11
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4前9
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4前9
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4前9
電力システムの経済的運用について説明できる。4前9
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4前9
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4前9
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4前9
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4前9
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4前9
計測ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4

評価割合

前期中間試験前期末試験学習シート合計
総合評価割合404020100
到達目標①200525
到達目標②200525
到達目標③020525
到達目標④020525