概要:
機械や構造物は一般に三次元応力下にあり、作用応力が降伏点を越えると機能しなくなるものが多い。弾塑性論では、そのような複雑な応力下における弾性域の応力とひずみの関係ならびに降伏条件の定め方について、基本的な考え方を養う。
授業の進め方・方法:
コンピュータの発達により、複雑な計算も有限要素法などにより容易に解くことができるようになったことから、ここではくらいテリオンを理解し、問題を解く力を確実に身につけられるよう、ポイントを明確にした説明を行う。
注意点:
この科目は学修単位科目のため、以下のような自学自修を必要とする。
事前・事後学習として教科書の該当ページの予習・復習 毎回各30分(計12時間)
中間課題作成 3時間
最終成績=各授業における課題の平均:50%+中間課題:20%+期末試験:30%
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オリエンテーション及び材料力学の復習 |
弾塑性論を学ぶ目的を理解し、材料力学で学習した基本的な問題を解くことができる。
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2週 |
ひずみエネルギー1 【事前・事後学習(各30分)】 教科書139〜142ページ |
エネルギー原理による解法を理解し、引張圧縮及びせん断を受ける場合のひずみエネルギーが計算できる。
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3週 |
ひずみエネルギー2 【事前・事後学習(各30分)】 教科書142〜146ページ |
曲げ及びねじりを受ける場合のひずみエネルギーが計算できる。
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4週 |
衝撃荷重による応力と変形 【事前・事後学習(各30分)】 教科書146〜148ページ |
ひずみエネルギーを用いて、衝撃荷重を受ける軸やはりに生じる応力と変形を求めることができる。
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5週 |
カスティリアノの定理 【事前・事後学習(各30分)】 教科書151〜156ページ |
カスティリアノの定理を理解し、軸荷重、曲げ、ねじりを受ける部材の変位やたわみを求めることができる。
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6週 |
カスティリアノの定理と応用1 【事前・事後学習(各30分)】 教科書156〜158ページ |
カスティリアの定理を曲がりはりの問題に適用できる。
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7週 |
カスティリアノの定理と応用2 【事前・事後学習(各30分)】 教科書158ページ |
最小仕事の原理を理解し、カスティリアの定理を不静定問題に適用できる。
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8週 |
中間課題 【事前準備3時間】 |
カスティリアノの定理を理解するための例題を考え、模範回答をつくる。
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2ndQ |
9週 |
相反定理 【事前・事後学習(各40分)】 教科書159〜160ページ |
ひずみエネルギーが荷重の順序に無関係であり、最終の荷重状態により決まるという相反定理が理解できる。
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10週 |
仮想仕事の原理 【事前・事後学習(各40分)】 教科書160〜161ページ |
仮想変位に対して外力のなす仕事と仮想変位によるひずみエネルギーの変化が等しいという、仮想仕事の原理が理解できる。
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11週 |
材料力学と設計基準 【事前・事後学習(各40分)】 教科書189〜191ページ |
許容応力について理解し、単純応力の場合の強度計算ができる。
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12週 |
降伏条件 【事前・事後学習(各40分)】 教科書192〜193ページ |
最大主応力説、最大せん断応力説、せん断ひずみエネルギー説の降伏条件を説明できる。
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13週 |
実用軸の強度設計1 【事前・事後学習(各40分)】 教科書193〜194ページ |
曲げ、ねじり、軸力を受ける軸の組合せ応力を計算することができる。
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14週 |
実用軸の強度設計2 【事前・事後学習(各40分)】 教科書195〜197ページ |
動荷重を受ける軸のせん断方力、曲げ応力を計算することができる。
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15週 |
期末試験
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降伏条件を理解し、実用軸の強度計算ができるかを問う。
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16週 |
答案返却など |
試験問題を解説し、理解度の不十分なところを詳述する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。 | 4 | 前7 |
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。 | 4 | 前3 |
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。 | 4 | 前3 |
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。 | 4 | 前5 |
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。 | 4 | 前3 |
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。 | 4 | 前3 |
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。 | 4 | 前3 |
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。 | 4 | 前3 |
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。 | 4 | 前3 |
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。 | 4 | 前4 |
多軸応力の意味を説明できる。 | 4 | 前13 |
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。 | 4 | 前13 |
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。 | 4 | 前2 |
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。 | 4 | 前3 |
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。 | 4 | 前7 |
工作 | 降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。 | 4 | 前11,前12 |
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。 | 4 | 前12 |
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。 | 4 | 前12 |