技術者倫理

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 技術者倫理
科目番号 0124 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械電気工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 齋藤了文・坂下浩司:「はじめての工学倫理」(昭和堂)及び(社)日本技術士協会著:「技術士の倫理(改訂新版)」
担当教員 大西 祥作

到達目標

社会や自然に及ぼす技術の効果と影響について、技術者がその責任を負っていることに気付き、将来技術者をめざす者として技術者の責務について自覚をもつようになること。
また、将来技術者倫理に沿った行動をする必要がある時の参考にする知識や応用力を身につけること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1社会や自然に及ぼす技術の効果と影響について、技術者がその責任を負っていることに気付き、将来技術者をめざす者として技術者の責務について自覚をもち、実行できるようになること。社会や自然に及ぼす技術の効果と影響について、技術者がその責任を負っていることに気付き、将来技術者をめざす者として技術者の責務について自覚をもつ。社会や自然に及ぼす技術の効果と影響について、技術者がその責任を負っていることに気付き、将来技術者をめざす者として技術者の責務について自覚をもつまでに至らない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 2 説明 閉じる
JABEE b 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現在、技術者としてのモラルが問われる事故や事件が多く報じられている。それらのことがらに対し、何が問題でどうしなければならなかったのか、事例を取り上げながら、問題意識を高め、活用できる知識と応用力を得ることを目標とする。
授業の進め方・方法:
教科書やWeb情報を参考に、まず身近な興味のある事件や事故について受講生が検討結果を報告し、それについて討論を行う形式で授業を進める。そのため、担当するテーマについて、事前に自学自習を含めた十分な調査・検討が必要となる。また、最終レポート作成に備え、毎回の事例報告を整理し、まとめておくことが必要である。
また、後半は仮想事例について総合的な演習を行う。さらに場合によっては特定のテーマによる特別講演を行う。(2018年度はコンプライアンス関連として労働条件について学ぶ)
注意点:
本 科:哲学、心理学
専攻科:技術者の倫理、安全工学概論

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーションで授業の概要と進め方について説明する。
技術者の倫理とは何かについて、概要を説明する。
尚、概要には、技術者倫理の基本と実践、情報倫理、環境倫理、国際貢献・地域貢献、知的財産、法令順守、持続可能性を含む
左記の理解
2週 技術者倫理の概要を踏まえ、学生の興味がある過去の事件や事故について学生が独自に調査する。尚、対象は教科書の事例でもいいし、それ以外のものでもいい。それを整理&調整し、グループに分け(3人から4人が基準)、担当するテーマと発表日を決める。
プレゼンテーションの方法については教員が説明する。
左記の理解
3週 グループごとに集まり、切り口や分担などについて検討しパワーポイントによる資料を作成する。
資料の作成を通じた技術者倫理の理解
4週 同上 同上
5週 検討結果の発表(各回2組が目安) 発表や聴講、質疑を通じた理解
6週 検討結果の発表(各回2組が目安) 同上
7週 検討結果の発表(各回2組が目安) 同上
8週 検討結果の発表(各回2組が目安) 同上
2ndQ
9週 検討結果の発表(各回2組が目安) 同上
10週 検討結果の発表(各回2組が目安) 同上
11週 課題演習 同上
12週 課題演習 同上
13週 特別講演(コンプライアンス関連として労働条件セミナー) 同上
14週 発表事例をもとにしてのレポート作成(進捗に応じ課外学習で作成) 同上
15週 最終レポートの提出、総括 同上
16週 ※1 事例研究のポイント
・事件や事故の概要    ・何が問題か    ・技術者としてどうすべきだったか
・この事例から、技術者としてなにを学ぶべきか ・情報の出典は必ず明記する
※2 各回の発表に対するレポートのまとめ方
・ふたつのテーマのうちどちらかひとつを選び、その事例から、「将来技術者をめざす者として何を学んだか」についてまとめる
※3 課題演習
・いままでに概要及び事例研究で学んだ知識等を活用し仮想事例について技術者倫理の対応についてグループで演習する
※4 最終レポートのまとめ方
この授業を受け、多くの事例を通して学んだ「技術者倫理」についてまとめる。
まとめる際には、「将来技術者をめざす者として学んだことがら」をいくつかの項目について類別し、どのような心がけでどのように対応すべきか、社会一般のことがらとして捉えるとともに、自分自身のことがらとしても捉えるようにすること。
レポートはA4判とし、4ページ程度を目安とする。


モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3

評価割合

発表資料発表課題演習発表レポート最終レポート合計
総合評価割合20201020300100
基礎的能力0000000
専門的能力20201020300100
分野横断的能力0000000