弾塑性論

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 弾塑性論
科目番号 0132 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械電気工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 中原一郎 「実践 材料力学」 (養賢堂)
担当教員 西村 太志

到達目標

1.カスティリアノの定理を用いて基本的問題を解くことができる。
2.応力やひずみ成分から、主応力・主せん断応力を求めることができる。
3.降伏条件を理解し、許容応力に基づいた強度計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1カスティリアノの定理を適切に理解し、基本的な問題を確実に解くことができる。カスティリアノの定理を理解し、基本的な問題を解くことができる。カスティリアノが理解できず、基本的な問題を解くことができない。
評価項目2応力やひずみ成分から、主応力・主せん断応力を確実に求めることができる。応力やひずみ成分から、主応力・主せん断応力を求めることができる。.応力やひずみ成分から、主応力・主せん断応力を求めることができない。
評価項目3降伏条件を適切に理解し、許容応力に基づいた強度計算が確実にできる。降伏条件を理解し、許容応力に基づいた強度計算ができる。降伏条件を理解できず、許容応力に基づいた強度計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械や構造物は一般に三次元応力下にあり、作用応力が降伏点を越えると機能しなくなるものが多い。弾塑性論では、そのような複雑な応力下における弾性域の応力とひずみの関係ならびに降伏条件の定め方について、基本的な考え方を養う。
授業の進め方・方法:
コンピュータの発達により、かなり複雑な計算でも有限要素法などにより容易に解くことができるようになったことから、ここでは根本的な考え方(問題を解くにはどんな式やクライテリオンが必要か、それらの意味するところは何か)を確実に身につけられるよう、ポイントを明確にした説明を行う。
注意点:
その内容を確実に理解し身につけるには、予習復習が必須である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション及び材料力学の復習 弾塑性論を学ぶ目的を理解し、材料力学で学習した基本的な問題を解くことができる。
2週 ひずみエネルギー エネルギー原理による解法について理解し、引張圧縮、曲げ、ねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。
3週 カスティリアノの定理 カスティリアノの定理を理解し、静定はりやトラスの問題に適用できる。
4週 カスティリアノの定理と応用1 カスティリアの定理を屈曲はりの問題に適用できる。
5週 カスティリアノの定理と応用2 カスティリアの定理を曲がりはりの問題に適用できる。
6週 カスティリアノの定理と応用3 最小仕事の原理を理解し、カスティリアの定理を不静定はりの問題に適用できる。
7週 衝撃荷重による応力と変形 ひずみエネルギーを用いて、衝撃荷重を受ける軸やはりに生じる応力と変形を求めることができる。
8週 カスティリアノの定理に関する演習 カスティリアノの定理を用いた種々の問題を解くことができる。
2ndQ
9週 中間試験 カスティリアノの定理を用いた計算方法が理解できているかを問う。
10週 主応力と主せん断応力 二次元応力状態における主応力と主せん断応力を求めることができる。
11週 組合せ応力 曲げとねじり受ける軸などの組合せ応力を計算することができる。
12週 モールの応力円 モールの応力円の作図法を理解し、応力円から任意断面の応力成分を求めることができる。
13週 応力とひずみの関係 三軸応力下における応力とひずみの関係式(一般化されたフックの法則)を説明できる。
14週 降伏条件 最大主応力説、最大せん断応力説、せん断ひずみエネルギー説の降伏条件を説明できる。
15週 期末試験 主応力の計算、三軸下のフックの法則および降伏条件について理解できているかを問う。
16週 答案返却など 試験問題を解説し、理解度の不十分なところを詳述する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4前1
応力とひずみを説明できる。4前1
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4前1
許容応力と安全率を説明できる。4前1
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4前1,前3
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4前1
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4前1
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4前1
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4前1
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4前1,前3
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4前1,前3,前4,前5,前6
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4前1
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4前1
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4前1
多軸応力の意味を説明できる。4前10,前13
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4前12
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前8
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4前3,前4,前5,前6,前8
工作降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。4
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000