熱機関

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 熱機関
科目番号 0133 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械電気工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 教科書:丸茂栄佑・木元恭司 共著「工業熱力学」コロナ社 ,参考書:一色尚次・北山直方 共著「わかりやすい熱力学」SI版 森北出版株式会社 ,田坂秀紀・佐藤忠数 共著「内燃機関」 森北出版株式会社など
担当教員 池田 光優

到達目標

現在用いられている熱機関の構造・原理などの理解を通して、現在私たちの生活を便利にしている熱機関に対する問題点などを認識する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
熱機関の各種サイクルが理解できる。熱機関の各種サイクルが理解でき,熱効率や発生仕事などの様々な値が計算できる。熱機関の各種サイクルが理解でき,熱効率などが計算できる。熱機関の各種サイクルが理解できず,熱効率などが計算できない。
熱機関の性能評価方法が理解できる。熱機関の性能評価方法が理解でき,実際に性能評価が行える。熱機関の性能評価方法が理解でき,与えられたデータより様々な値が計算できる。熱機関の性能評価方法が理解できず,与えられたデータより様々な値が計算できない。
実際の熱機関の燃焼形態が理解できる。ガソリン機関やディーゼル機関の燃焼経過が理解でき,不正燃焼の改善策まで議論することができる。ガソリン機関やディーゼル機関の燃焼経過が理解でき,説明することができる。ガソリン機関やディーゼル機関の燃焼経過が理解できず,説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
4年次で学んだ熱力学の基礎を用いて、熱エネルギを動力とする冷凍機、暖房機、熱機関に関する項目を数式を用いて理解する。そして、これからの機関で求められる性能などについて、自ら考えられる力を身につける。
授業の進め方・方法:
授業のはじめに、講義内で行う項目の説明を行い、その項目について60分程度の講義を行う。その後50分程度で解ける演習(学習シート)を行い、講義内で学んだ理論を実際の問題に結びつけられるようにする。
注意点:
上記の内容を確実に身につけるために教科書の章末問題を家庭でおこなうこととする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱力学の復習 熱力学で学んだことのうち、熱機関に関連する項目の復習を行う。(学習シート1)
2週 第0章 圧縮性流体の流れ
0.1 圧縮性流体の運動方程式
0.2 圧縮性流体の連続の式
圧縮性流体の運動方程式及び連続の式について理解する。(学習シート2)
3週 0.3 圧縮性流体のエネルギー保存 圧縮性流体の運動方程式からエネルギー保存式を導く。(学習シート3)
4週 0.4 圧縮性流体の流れと音速 圧縮性流体の龍右側と音速の関係からマッハ数の定義,衝撃波現象について理解する。(学習シート4)
5週 第1章 熱機関の分類
第2章 熱機関の動作
2.1往復型ピストン機関の作動
2.2タービン形機関の作動
熱機関の分類、往復型ピストン機関の作動、タービン形機関の動作について理解する。(学習シート5)
6週 第3章 熱機関のサイクル
3.1 Otto サイクル
3.2 Diesel サイクル
3.3 Sabate サイクル
3.4 Brayton-Joule サイクル
Otto,Diesel,Sabate,Brayton-Jouleの各サイクルの熱効率について理解する。(学習シート6)
7週 3.5 各サイクルの比較
3.6 燃料-空気サイクル
これまでに学んだサイクルの熱効率を比較し比較することの意味を理解する。(学習シート7)
8週 中間試験 熱機関の分類に関する語句説明問題、各熱機関のサイクルに関する問題を主に出題する。授業中に実施することもある。
2ndQ
9週 第4章 熱機関の性能解析1
4.1 図示出力と線図係数
4.2 正味出力と機械効率 4.3 出力の測定
4.4 熱勘定
熱機関の性能解析を行う際に必要な項目、熱機関における出力の測定および算出について理解する。またこれらの項目を用いて熱勘定を考える。(学習シート9)
10週 第5章 燃料及び燃焼
5.1 燃料
熱機関に主に用いられている燃料についてその性状などを理解する。(学習シート10)
11週 5.2 燃焼の基礎 熱機関せおこなわれる燃焼の基礎として、化学反応機構の基礎や熱発生率の算出などを理解する。(学習シート11)
12週 第6章 火花点火機関における燃焼
6.1 正常燃焼
6.2 火花ノッキング
6.3 異常燃焼
6.4 異常燃焼の防止策
火花点火機関における正常燃焼および異常燃焼、異常燃焼の解決法を理解する。(学習シート12)
13週 第7章 圧縮着火機関における燃焼
7.1 ディーゼル燃焼
7.2 噴霧
7.3 ディーゼルノッキング
7.4 ディーゼルノッキングの防止策
圧縮着火機関における燃焼、圧縮着火機関におけるノッキング現象 (ディーゼルノック) について理解し、その解決法を理解する。(学習シート13)
14週 第8章 熱機関における運動機構
第9章 熱機関における振動・騒音 
熱機関における運動機構 (クランク機構やバルブ機構など ) について理解する。また熱機関において発生する振動・騒音をその加振源を基に分類し、 それぞれの現象の発生原理を理解する。(学習シート14)
15週 期末試験 それぞれの機関における燃焼に関する語句説明問題、熱機関の性能解析に関する計算問題、熱機関の振動・騒音や運動機構に関する問題、熱力学全体に関する計算問題を出題する。
16週 まとめ 期末試験の採点済み解答の返却を行い、答え合わせを行う。その後この1年半の熱力学の総括を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験演習課題合計
総合評価割合9064100
熱機関の各種サイクルが理解できる。302436
熱機関の性能評価方法が理解できる。302032
実際の熱機関の燃焼形態が理解できる。302032