技術者倫理

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 技術者倫理
科目番号 0141 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械電気工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 教科書:齋藤了文・坂下浩司「はじめての工学倫理」(昭和堂),参考図書:技術者倫理に関する図書や失敗学に関する図書等多数あり
担当教員 福田 明

到達目標

国際理解を深め、技術者としての倫理観とコミュニケーション能力を養うため、グループによる技術者倫理問題に関する事例研究と発表、および討論(質疑応答を含む)を中心とした学習形態とする。到達目標は次の通りである。
①社会や自然に及ぼす技術の効果と影響について、技術者がその責任を負っていることに気付くこと。
②将来技術者をめざす者として技術者の責務について自覚をもつようになること。
③将来技術者倫理に沿った行動をする必要がある時の参考にする知識を身につけること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1社会や自然に及ぼす技術の効果と影響について、技術者がその責任を負っていることについて、気付くと共に事例を挙げて説明することができる。社会や自然に及ぼす技術の効果と影響について、技術者がその責任を負っていることに気付くことができる。社会や自然に及ぼす技術の効果と影響について、技術者がその責任を負っていることに気付くことができない。
評価項目2将来技術者をめざす者として技術者の責務について、自覚をもつと共に事例を挙げて説明できる。将来技術者をめざす者として技術者の責務について自覚をもつことができる。将来技術者をめざす者として技術者の責務について自覚をもつことができない。
評価項目3将来技術者倫理に沿った行動をする必要がある時の参考にする知識を身につけ活用することができる。将来技術者倫理に沿った行動をする必要がある時の参考にする知識を身につけることができる。将来技術者倫理に沿った行動をする必要がある時の参考にする知識を身につけることができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 2 説明 閉じる
JABEE b 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現在、技術者としてのモラルが問われる事故や事件が多く報じられている。それらのことがらに対し、何が問題でどうしなければならなかったのか、事例研究を中心に授業を行い問題意識を高め、技術者倫理に沿った行動が行える知識を得ることを目標とする。
尚、この科目は企業に在籍していた教員がその経験を生かし講義等を行うものである。
授業の進め方・方法:
まず、技術者倫理の概要を説明する。
次に過去に発生した技術者倫理問題について教科書やWeb情報を参考に、グループで調査・検討した内容を報告する。それについて討論を行う形式で授業を進める。担当するテーマについて、事前に自学自習を含めた十分な調査・検討が必要となる。
各回の事例研究の内容について「将来技術者を目指すものとして何を学んだか」についてまとめ、相互評価を行う。
最後に授業により得たこと等をまとめた最終レポートを作成する。
また、eラーニングを受講し、理解度の確認テストを行う。
なお、授業の進行度合い等に応じて授業計画を変更することがある。
この科目は学修単位科目のため、年間15時間の自学自習を必要とします。自学自習時間の目安は次の通りです。
予習復習:4時間
事例研究の調査・発表資料作成:8時間
最終レポート作成:3時間
注意点:
【評価方法】
最終評価=事例研究(発表資料15%+プレゼンテーション15%)+各回まとめ(30%)+確認テスト(20%)+最終レポート(20%)
【関連科目】
本 科:技術発達史論(1年)、哲学(3年)
専攻科:技術者の倫理(2年)、安全工学概論(2年)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 【4/9】授業の概要と進め方について説明する。
プレゼンテーションの方法について事例を挙げて説明する。
eラーニング:科学技術と倫理
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識できる。(確認テスト)
2週 【4/16】事例研究テーマとグループを決定する。
学校における教育活動と著作権について説明する。
eラーニング:情報ネットワークに関する知識
著作権、プライバシー、個人情報保護および、ネチケット等、法律やマナーの基本について理解できる。(確認テスト)
3週 【4/30】事例研究(調査・発表資料作成)
eラーニング:科学技術のリスクと安全・安心
社会における技術者の役割と責任について理解できる。(確認テスト)
4週 【5/7】事例研究(調査・発表資料作成)
eラーニング:持続可能な社会への科学技術
持続可能性に関する原則を理解し、持続可能な社会に向けた科学技術の課題と、それを担う技術者の役割について理解できる。(確認テスト)
5週 【5/14】事例研究(調査・発表資料作成)
eラーニング:倫理実行の方法
倫理的に行動する方法として、エシックステスト、線引き法などを理解できる。(確認テスト)
6週 【5/21】事例研究の発表 事例から「将来技術者を目指すものとして何を学んだか」についてまとめる。
7週 【5/28】事例研究の発表 事例から「将来技術者を目指すものとして何を学んだか」についてまとめる。
8週 【6/18】事例研究の発表 事例から「将来技術者を目指すものとして何を学んだか」についてまとめる。
2ndQ
9週 【6/25】事例研究の発表 事例から「将来技術者を目指すものとして何を学んだか」についてまとめる。
10週 【7/9】事例研究の発表 事例から「将来技術者を目指すものとして何を学んだか」についてまとめる。
11週 【7/16】事例研究の発表 事例から「将来技術者を目指すものとして何を学んだか」についてまとめる。
12週 【7/30】ユニバーサルデザイン ユニバーサルデザインについて説明できる。
13週 【9/10】最終レポートの作成
eラーニング:知的財産とは
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を理解できる。(確認テスト)
14週 【9/14】最終レポートの作成 最終レポートを作成する。
15週 【9/24】最終レポートの提出,総括 最終レポートを提出する。
技術者倫理の理解とそれに基づく対応の仕方の考え方を再確認する。
16週 ※ 事例研究のポイント
 ・事件や事故の概要
 ・何が問題か
 ・技術者としてどうすべきだったか
 ・この事例から、技術者としてなにを学ぶべきか
 ・出典は必ず明記する
※ 最終レポートのまとめ方
 この授業を受け、多くの事例を通して学んだ「技術者倫理」についてまとめる。まとめる際には、「将来技術者をめざす者として学んだことがら」をいくつかの項目について類別し、どのような心がけでどのように対応すべきか、社会一般のことがらとして捉えるとともに、自分自身のことがらとしても捉えること。
レポートはA4判とし、4ページ程度を目安とする。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3

評価割合

事例研究各回まとめ確認テスト最終レポート合計
総合評価割合30302020100
基礎的能力1530202085
専門的能力00000
分野横断的能力1500015