計測工学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 計測工学
科目番号 0159 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械電気工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書 前田良明 他「計測工学」コロナ社
担当教員 垣内田 翔子

到達目標

・測定と計測システムの基礎的事項を説明できる。各種センサに関する基礎的事項や動作原理と応用例などを説明できる。
・提示されたデータに対して、指定された手法を習得し、データを適切に取扱うことができる。
上記の達成度を小テスト、定期試験、課題を通じて評価し、6割以上の評価を得ること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
単位系についてデータ取得に必要な単位系及びその基準を説明し、必要に応じて変換することができる。データ取得に必要な単位系及びその基準を説明できる。データ取得に必要な単位系及びその基準を説明できない。
測定と計測システムについて測定と計測システムの基礎的事項を説明し応用することが出来るセンサに関する基礎的事項や動作原理と測定と計測システムの基礎的事項を説明できる測定と計測システムの基礎的事項を説明できない
各種センサについて(機械要素、電気要センサに関する基礎的事項や動作原理と応用例などを説明し選定できるセンサに関する基礎的事項や動作原理を説明できるセンサに関する基礎的事項や動作原理を説明できない
データ処理について基本的なデータ処理を適切に選定し、利用できる基本的なデータ処理の手法を利用できる基本的なデータ処理の手法を利用できない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
測定と計測についての基本的事項、計測手法、電気信号・AD変換後のデータの取り扱い・各種センサに関連したことがらを学ぶ。
これにより、卒業研究や社会で扱われる数値データの取得の上で必要な知識と数値データの取り扱いができるようになるよう、演習、課題を用いて学習していく。
授業の進め方・方法:
卒業研究等で日常的に扱う測定機器、数値データの扱い方と密接に関わる。また、社会において扱われる数値の手法原理やその値の持つ意味を考察すつ基本を学ぶ。授業は講義を主体とする。教科書で不足している箇所については、資料を配布しながら進める。各自で電卓を用意して講義をうけること。授業内容を理解するために関連事項との結びつけ、予習復習が必須である。
この科目は学修単位科目のため、年間30時間の自学自習を必要とします。自学自習時間の目安は次の通りです。
事後学習(理解度チェックなど):10時間
課題の実施:8時間
試験勉強:12時間
注意点:
授業の内容について確認問題を提示することで、内容の理解度を確認しながら進めていく。
【関連科目】
電気回路、電子回路、コンピュータ制御、水力学、工学実験、制御工学、卒業研究
【評価方法】
(最終評価)=試験(50%)+課題(20%)+小テスト(30%)
自学自習の評価として小テストを授業内に複数回行い、その得点率に応じて小テストの総合評価を行う。
ただし、理解度の再確認のためにテストを実施した際には、満点を超えない範囲で評価に加える。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 計測の基礎事項
国際単位系
基本単位、組立単位、接頭語、原器と標準、トレーサビリティについて説明できる。
2週 国際単位系 測定における有効数字をルールに従って扱い、計算する事ができる。
3週 測定の種類,誤差の種類 直接測定と間接測定及び、偏位法、零位法、補償法ついて分類できる。
誤差の種類によって対処策を説明できる。正確さと精密さについて数値的に評価できる。
4週 測定データの統計的処理 代表値の処理、誤差の三公理とガウスの誤差論(正規分布、確率積分)について学状況に合わせて考慮して計算できる。
5週 誤差伝播の法則 間接測定法における誤差伝播の法則を用いた計算ができる。
6週 最小二乗法 直線近似、多項式近似、べき乗近似、指数近似、(周期が既知の)三角関数式近似式を求める事ができる。
7週 時系列データの処理 相関係数、相互相関、自己相関を使った測定データの評価ができる。
8週 前期中間試験(Webにて実施予定) 前期1ー7週までの講義で扱った内容に関する語句説明問題、計算問題を出題し、これまで行った講義の理解度を確認する。 試験1(20%)
2ndQ
9週 実験式 測定したデータを基に予測する式を立てる事ができる。
10週 計測システムの特性 計測システム構成と特性を表す項目について説明できる。
11週 目盛の拡大2 アッベの原理、くさび、てこ、モアレ縞、傾斜、光てこ、干渉による目盛の拡大の原理から装置の構成を説明できる。
12週 機械要素による測定1 ダイアフラム、バイメタル、ジャイロ、ロータリーエンコーダの原理について説明できる。
13週 機械要素による測定2 気体、液体、固体に関する測定原理について説明できる。
14週 機械要素による測定3 固体に関する測定原理について説明できる。
15週 前期末試験 前期9週以降の講義で扱った内容に関する語句説明問題、計算問題を出題し、その理解度を確認する。 試験2(20%)
16週 前期期末試験の解答と解説 前期期末試験の解答と解説を行う。
また、これまで理解の不足していた内容について、問題を解いて、理解度を再確認する。試験1,2内で評価する。卒業研究で使用している計測技術の原理についてレポートの作成を行う。課題(5%)
後期
3rdQ
1週 電気要素による測定1 電気抵抗、静電容量、可動コイル形計器、可動鉄片形計器、分流器、倍率器を用いた測定原理について理解して、回路設計できる。
2週 電気要素による測定2 電力量、有効電力、無効電力、力率の測定原理について説明でき、計算できる。
3週 電気要素による測定3 計装増幅器を用いた電気信号の拡大を計算により設計できる。
4週 量子化と標本化 サンプリング定理、標本化、量子化、量子化誤差について説明できる。
5週 AD変換 逐次比較型、追従比較型、並列比較型、二重積分型の手法でAD変換過程を計算できる。
6週 フィルタ処理1 アナログ式のフィルタ構造について指定された状況で良いものを選択できる。
7週 フィルタ処理2 デジタルフィルタについて指定された状況下で選択できる。
8週 後期中間試験 後期1ー7週までの講義で扱った内容に関する語句説明問題、計算問題を出題し、これまで行った講義の理解度を確認する。 試験3(20%)
4thQ
9週 後期中間試験の解答と解説 後期中間試験の解答と解説を行う。
ここまでに理解の不足していた内容について、問題を解いて理解度を再確認する。試験3の範囲内で評価する。
10週 画像計測 画像計測におけるキャリブレーションについて手順を説明できる。
11週 データの統計解析 母集団、サンプル、帰無仮説などの検定の基礎的事項について、してされた条件下で計算できる。
12週 温度、湿度の測定、測定の実用化物性要素による測定 接触式・非接触式の温度センサの原理、湿度センサの原理から指定された状況下で良いものを選択できる。
測定の実用化についてグループワークを行う。課題(10%)
13週 物性要素による測定 圧電効果、焦電効果、熱電効果、磁気センサを用いた測定原理から、計測システムにおける役割を説明できる。
14週 粘度の測定 細管粘度計、落球式粘度計、回転式粘度計、レオメータについて、指定された状況下で良いものを選択できる。
15週 後期末試験 後期9週以降の講義で扱った内容に関する語句説明問題、計算問題を出題し、その理解度を確認する。試験4(20%)
16週 まとめ ここまでに理解度が不足していた部分について、問題を解き再確認する。試験4の範囲内で評価する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御計測の定義と種類を説明できる。4前1,前3
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4前2
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4前1,前2
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4前1,前2,前3
電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4前3
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4前4,前5
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4前1,前2
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4前1,前2
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4後1
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4後1,後3
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4後4,後5
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4後2
電力量の測定原理を説明できる。4後2

評価割合

試験課題小テスト合計
総合評価割合80155100
基礎的能力605570
専門的能力105015
分野横断的能力105015