基礎コンピュータ工学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 基礎コンピュータ工学
科目番号 0002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報電子工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:TeC教科書(https://github.com/tctsigemura/TecTextBook)
担当教員 重村 哲至

到達目標

1. 命令表を見てハンドアセンブルができる。
2. 繰り返しとインデクスド・モードを組合せたプログラムを作成できる。
3. シリアル入出力を行うプログラムを作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 命令表を見てハンドアセンブルができる。全ての機械語とアドレッシング・モードの組合せでできる。一部の組合せでできない。多くの組合せでできない。
2. 繰り返しとインデクスド・モードを組合せたプログラムを作成できる。自在に組合せてできる。一部の組合せでできない。多くの組合せできない。
3. シリアル入出力を行うプログラムを作成できる。完全にできる。ヒントをもらえばできる。できない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
全てのデジタルコンピュータに共通の動作原理を理解するための基礎となる科目である。この科目で使用するために開発した専用のマイコンを使用しマイコンの使用者の立場でコンピュータの機能・動作を習得する。本科、専攻科の全てのコンピュータに関係する科目に関連がある。この科目は卒業時までに必修得である。
授業の進め方・方法:
前期中間試験までは講義主体に進める。その間は宿題(演習)により習熟度をチェックする。その後、前期末まではマイコンの組み立てとマイコンの操作方法等が中心になる。後期は授業の内容をマイコンの機械語プログラミングで確認しながら進める。この間は、作成したプログラム(宿題,演習)を提出することにより習熟度をチェックする。
注意点:
最終成績=試験の平均点×0.8+宿題評価点

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 1. 様々なコンピュータが用いられていることを理解する.
2. 世の中のほとんどのコンピュータはノイマン型と呼ばれることを知る。
2. この科目ではノイマン型コンピュータの動作原理を学ぶことを理解する。
2週 ビット 1. ノイマン型コンピュータは2進数を用いることを知る。
2. ビット、ニブル、バイト、組合せの数を理解する。
3週 2進数と基数変換 1. 2進数の表記、基数変換、ビット、バイト等を理解する。
4週 2進数の計算と2の補数 1. 2の補数を用いて負の数が表現できる。
2. 2進数で表現した整数同士の加減算ができる。
5週 2の補数の和差 1. 2の補数を用い符号付き2進数の計算ができる。
6週 小数や文字の表現と補助単位 1. 2進数で小数を表現できる。
2. ASCIIコードと文字の相互変換ができる。
3. UNICODEとUTF-8を知っている。
7週 論理演算と基本回路 1. AND, OR, XOR, NOT の論理演算ができる。
2. 簡単な組合せ回路の動作がトレースできる。
3. 真理値表、論理式で組合せ論理を記述できる。
8週 中間試験 1. 基本的な用語を答えることができる。
2. これまでに学んだ計算や変換等ができる。
2ndQ
9週 演習用コンピュータの構成と操作 1. 汎用レジスタ、PC、SP、フラグ、主記憶の用語を覚えている。
2. メモリにプログラムを2進数で打ち込むことができる。
3. プログラムを実行することができる。
10週 演習用コンピュータのプログラム実行 1. マイコン内部のブロック図と対比しながらCPUが機械語命令を実行する手順を説明できる。
2. ステップ実行を用いてプログラム実行の様子を観察できる。
11週 操作方法の確認 1. 教員の前で演習用コンピュータの操作をできる。
12週 フローチャート 1. 基本的なフローチャートを描くことができる。
2. フローチャートをdrawioで作成できる。
13週 ニーモニックと機械語命令,宿題の提出 1. ニーモニックを用いてプログラムが記述できる。
2. ニーモニックから機械語命令に変換できる。
3. エクセル上でコーディングシートを作成できる。
3. コーディングシートをWebClassで提出できる。
14週 転送命令と宿題の提出練習 1. CPUレジスタを介してメモリからメモリにデータをコピーするプログラムを作成できる。
2. フローチャート作成から提出までがスムーズにできる。
15週 期末試験 1. 中間試験の範囲の知識が定着している。
2. 演習用コンピュータの操作ができる。
16週 試験返却と計算命令 1. 足算命令と引算命令の役割が説明できる.
2. メモリのデータとメモリのデータの和や差を求めるプログラムを作成できる.
後期
3rdQ
1週 分岐命令とラベル 1. 分岐命令の役割が説明できる。
2. ラベルを使用しニーモニックでプログラムを表現できる。
3. ループするプログラムをステップ実行を使用してトレースできる。
2週 フラグと条件分岐命令 1. フラグの役割が説明できる。
2. 条件分岐命令の動作が説明できる。
3. 飽和演算プログラムが作成できる。
3週 条件分岐命令 1. 大きい方を選ぶプログラムが作成できる。
2. 0を判定するプログラムが作成できる。
4週 繰り返し処理 1. 1から10の合計を求めるプログラムが理解できる。
2. 繰り返しにより積を求めるプログラムが作成できる。
5週 比較命令 1. 比較命令の役割が説明できる。
2. 繰り返しにより割り算を計算するプログラムが作成できる。
6週 シフト演算命令 1. 左右・算術・論理シフトの実行結果を説明できる。
2. ビット回転プログラムを作成できる。
7週 演習 1. シフトを用いた高速な掛け算プログラムを作成できる。
8週 中間試験 1. 幾つかの用語を理解している。
2. ニーモニックから機械語に変換できる。
3. ここまでの機械語の動作を理解している。
4. フローチャートから機械語プログラムを作成できる。
4thQ
9週 試験返却と論理演算命令 1. 論理演算命令の実行結果を説明できる。
2. 奇数・偶数判定プログラムを作成できる。
10週 アドレッシング・モード 1. アドレッシングについて説明できる。
2. メモリ領域をクリアするプログラム等を作成できる。
11週 入出力 1. ブザーを鳴らすプログラムを作成できる。
2. データスイッチからデータを入力するプログラムを作成できる。
12週 シリアル入出力 1. PCとUSB接続しターミナルに'A'〜'Z'を出力するプログラムを作成できる。
2. ターミナルにエコーバックするプログラムを作成できる。
13週 演習 1. バイトデータを16進数に変換して出力するプログラムを作成できる.
2. 入力をシーザー暗号化して出力するプログラムを作成できる.
14週 演習 1. 配列中の奇数を数え上げるプログラムを作成できる。
2. 自身を書き換えるプログラムを理解できる。
15週 期末試験 1. ニーモニックから機械語に変換できる。
2. 各機械語命令の動作を理解している。
3. 各アドレッシングモードを理解している。
4. フローチャートから機械語プログラムを作成できる。
16週 答案返却など 試験の解答をする

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験宿題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000