数学ⅠB

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 数学ⅠB
科目番号 0015 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 情報電子工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 前期:4 後期:2
教科書/教材 教科書:新訂基礎数学(斉藤斉、高藤節夫ほか4名著/大日本図書発行)、問題集:新訂基礎数学問題集(斉藤斉、高藤節夫ほか4名著/大日本図書)
担当教員 伊藤 祐太

到達目標

将来的に数学や工学を学んでいくために必要となる以下の基礎的な力を身に着けることを目標とする。
・整式の計算(展開、因数分解)や分数式の計算に習熟する
・無理数、絶対値、複素数の扱いに慣れる
・様々な方程式、不等式を解けるようになる
・集合や命題を通して論理的思考力を身に付ける
・点や直線に関する様々な図形問題を解くことができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
整式の計算(展開、因数分解)や分数式の計算に習熟する基本に加え、複雑な式の計算ができる。基本的な式の計算ができる。基本的な式の計算ができない。
無理数、絶対値、複素数の扱いに慣れる絶対値や複素数を含む複雑な計算ができる。無理数、絶対値、複素数の基本的な計算ができる。無理数、絶対値、複素数の基本的な計算ができない
様々な方程式を解けるようになる複雑な方程式が解ける。基本的な方程式が解ける。基本的な方程式が解けない。
様々な不等式解けるようになる複雑な不等式が解ける。基本的な不等式が解ける基本的な不等式が解けない。
集合や命題を通して論理的思考力を身に付ける与えられた命題について、必要条件、十分条件等を的確に判断できる。集合を自在に作ることができ、命題の真偽や逆、裏、対偶が答えられる。集合の基本的な計算ができない、命題の逆、裏、対偶が作れない
点や直線に関する様々な図形問題を解くことができる点や直線に関する様々な図形の問題が解ける。与えられた条件のもとで点の座標や直線の式が求められる。与えられた条件の元で点の座標や直線の式が求められない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前期は中学校で学んだことを復習し、それを発展させ、いろいろな式についての計算能力を十分に養う。方程式については解の性質を解明し、高次方程式、連立方程式の解法の原理など理論的な事項について学習する。数学IAですでに「関数とグラフ」を学んでいるので、方程式を解くことの意味や成り立ちを関数やグラフとも対応させながら学ぶ。文章問題や身の回りの問題から方程式を作成し、問題を解決する力も養う。前期後半は不等式についても同様の学習を行い、その解法にも習熟させる。後期前半は集合、命題の基本的な考え方について学習し、後期後半は「点と直線で表される図形」について座標平面上で様々なものを求めることができる力を養う。
授業の進め方・方法:
下記の授業計画において、前期は90分の講義を週2回、後期は週1回行う。
座学の講義が基本であるが、演習の時間には小テストや教科書の問題を輪番に割り当て板書してもらう。
「レポート」:定期的に問題集(教科書と同時購入)の問を解いて提出してもらう。また、これとは別に状況に応じてレポートを課すこともある。
注意点:
最終成績は、4回の定期試験(登校が難しい場合はレポート形式とする)の平均点×80% + 課題(20点)で算出する。
学生は各自で毎週の授業内容について予習(教科書に目を通す)、及び復習(教科書・ノートの見直し、問題集の問題を解く等)をすること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 整式の加法、減法、乗法~展開 整式の和、差が計算できる。整式の積を展開することができる。
2週 因数分解 因数分解の公式を用いて簡単な整式について因数分解ができる。2変数以上を含む整式などの様々な整式について因数分解ができる。
3週 整式の除法
最大公約数と最小公倍数
整式の除法の等式に従って、商と余りを計算できる。
4週 剰余の定理、因数定理と高次式の因数分解 剰余の定理を用いて、整式を1次式で割った時の余りを計算できる。因数定理を用いて4次までの簡単な整式の因数分解ができる。
5週 分数式の計算
繁分数式
分数式の四則計算ができる。
6週 実数、絶対値、平方根 実数の意味が理解でき、絶対値、平方根について基本的な計算ができる。
7週 復習・演習/前期中間試験 1-6週の授業内容について復習、及び教科書の問題を担当を割り当てて板書などで演習を行う。また試験週間には1-7週の授業内容について中間試験を行う。
8週 テスト返却、複素数、複素数の計算 中間試験の解説。
複素数の相等や共役、絶対値を理解し、複素数平面と対応づけて説明できる。複素数の加減剰余が計算できる。
2ndQ
9週 2次方程式の解の公式と判別式
解と係数の関係、2次式の因数分解
解の公式を用いて、一般的な二次方程式の解を求めることができる。判別式を用いて二次方程式の解の個数を調べられる。解と係数の関係を用いて、解についての簡単な整式を計算できる。一般的な2次多項式の因数分解ができる。
10週 色々な方程式 簡単な連立方程式を解くことができる。分数方程式、無理方程式を解くことができる。
11週 恒等式 方程式と恒等式の違いがわかる。恒等式の問題を解けるようになる。
12週 不等式の基本性質と1次不等式
2次不等式
1次不等式や2次不等式を解くことができる。
13週 色々な不等式
不等式の証明(1)
高次不等式、連立不等式などを解くことができる。
基本的な不等式の証明ができる。
14週 復習・演習 1-6週の授業内容について復習、及び教科書の問題を担当を割り当てて板書などで演習を行う。
15週 前期末試験 中間試験以降に学習した範囲について試験を行う。
16週 テスト返却 前期末試験の解説を行う。
後期
3rdQ
1週 不等式の証明(2)
相加平均と相乗平均の関係
様々な不等式について証明ができる。相加平均と相乗平均の関係を使って不等式の証明ができる。
2週 集合(1):共通部分と和集合
集合を作ることができ、共通部分、和集合をベン図で説明できる。
3週 集合(2):全体集合、部分集合、補集合
ド・モルガンの法則
全体集合、部分集合、補集合をベン図を用いて説明できる。ド・モルガンの法則を理解できる。
4週 命題(1):命題と集合 命題と集合の関係を理解し、様々な命題の真偽を判断できる。
5週 命題(2):仮定と結論
十分条件、必要条件、必要十分条件
与えられた条件について、十分条件、必要条件、必要十分条件を適切に判断できる。
6週 復習・演習
/後期中間試験
1-6週の授業内容について復習、及び教科書の問題を担当を割り当てて板書などで演習を行う。
また試験週間には1-6週の授業内容について中間試験を行う。
7週 テスト返却
命題(3):逆・裏・対偶
中間試験の解説
8週 命題(3):逆・裏・対偶(続き)
背理法
命題の逆・裏・対偶が作れ、簡単な命題の証明ができる。
4thQ
9週 第6章:図形と式
点と直線
2点間の距離を求めることができる。内分点の座標を求めることができる。
10週 直線の方程式 2点を通る直線の方程式を求めることができる。
11週 2直線の関係 2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。
12週 点と直線:応用問題 これまでの基本知識を用いて図形と式に関する応用問題を解くことができる。
13週 3角形の心 三角形の重心を求めることができる。
14週 復習・演習 中間試験以降に学習した範囲について演習を行う。
15週 後期末試験 中間試験以降に学習した範囲について試験を行う。
16週 テスト返し 後期末試験の解説を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2点間の距離を求めることができる。3後9
内分点の座標を求めることができる。3後9
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3後9

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80002000100
基礎的能力80002000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000