電気回路

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気回路
科目番号 0027 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報電子工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 柴田尚志「電気回路I」コロナ社 、必要に応じて資料を配布する
担当教員 室谷 英彰

到達目標

複合分野の基礎となる基本的素養を身につけるため、
1. 抵抗R、コイルL、コンデンサCの各素子における電圧と電流の関係を理解し、正弦波交流回路の計算ができる。
2. 瞬時値、フェーザ、複素数表示を理解し、正弦波交流回路の計算ができる。
3. 交流電力と力率を理解し、計算することができる。
4. エネルギーの消費と地球環境について説明でき、現用発電方式と再生可能エネルギーについて説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1抵抗R、コイルL、コンデンサCの各素子における電圧と電流の関係を説明でき、応用レベルの問題を解くことができる。抵抗R、コイルL、コンデンサCの各素子における電圧と電流の関係を説明でき、公式をあてはめる基礎的な問題を解くことができる。抵抗R、コイルL、コンデンサCの各素子における電圧と電流の関係を説明できない。
評価項目2瞬時値、フェーザ、複素数表示を説明でき、応用レベルの問題を解くことができる。瞬時値、フェーザ、複素数表示を説明でき、公式をあてはめる基礎的な問題を解くことができる。瞬時値、フェーザ、複素数表示を説明できない。
評価項目3 交流電力と力率を説明でき、応用レベルの問題を解くことができる。 交流電力と力率を説明でき、公式をあてはめる基礎的な問題を解くことができる。 交流電力と力率を説明できない。
評価項目4エネルギーの消費と地球環境について正しく説明でき、また現用発電方式と再生可能エネルギーについて正しく概要を説明できる。エネルギーの消費と地球環境について、または現用発電方式と再生可能エネルギーについて概要を説明できる。エネルギーの消費と地球環境について説明できない。また現用発電方式と再生可能エネルギーについて概要を説明でない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
交流回路の解析に必要な基礎的事項を理解する。特に抵抗、コイル、コンデンサの定性的な電気現象を理解する。また、交流電圧、交流電流の基本的概念と交流回路の動作を理解する。さらに、エネルギーの消費と地球環境について理解し、現用発電方式と再生可能エネルギーについても理解する。
授業の進め方・方法:
 座学の講義が主体であるが、随時簡単な実験や演習問題を解く機会を設ける。家での復習がなされていることを前提に講義を進める。適宜、レポート等により理解度を確認する。
注意点:
授業の進み具合によって計画が多少前後する。
成績評価式 =((前期中間試験+前期末試験+後期中間試験+後期末試験)÷4)×0.9+学習シート(10点)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電気回路、直流・交流、回路素子の基本的性質 電気回路の意義、直流電流と交流電流の違い、各種回路素子の基本的性質を説明できる
2週 オームの法則、直流回路の消費電力、起電力と電圧降下 直流回路におけるオームの法則、消費電力、起電力と電圧降下について説明できる
3週 抵抗の直並列接続、直流ブリッジ回路 直流回路における分圧および分流の関係、直流ブリッジ回路について説明できる
4週 Δ-Y変換、Y-Δ変換、重ねの理 直流回路におけるΔ-Y変換、Y-Δ変換、重ねの理を説明でき、それらを応用した回路計算ができる。
5週 キルヒホッフの法則(枝電流法、閉路電流法)、テブナンの定理、ノートンの法則
直流回路において、キルヒホッフの法則、テブナンの法則、ノートンの法則を応用した回路計算ができる。
6週 実験演習1 実験を行うことで各法則を確認し、説明できる。
7週 直流起電力および交流起電力の発生 現用(水力、火力、原子力)発電方式および再生可能エネルギーによる発電についての概要を説明できる。
8週 前期中間試験 指定した範囲で、理解度が確認できる。
2ndQ
9週 正弦波交流電圧および電流 正弦波交流の性質を説明できる。
10週 交流回路における抵抗の作用 抵抗と交流電圧、交流電流の関係について説明できる。
11週 交流回路におけるコイルの作用 コイルと交流電圧、交流電流の関係について説明できる。
12週 交流回路におけるコンデンサの作用 コンデンサと交流電圧、交流電流の関係について説明できる。
13週 実験演習2 実験でいろいろな波形を観測した後、理論値との関連について理解し、説明できる。
14週 演習 前期に学習した内容についての復習
15週 前期末試験 指定した範囲で、理解度が確認できる。
16週 答案返却など
後期
3rdQ
1週 RLおよびRC直並列回路 RLおよびRC並列回路、RLおよびRC直列回路の回路計算ができる。
2週 RLC直列回路、インピーダンスとアドミタンス、直列および並列共振 RLC回路の回路計算ができ、インピーダンス、アドミタンス、共振について説明できる
3週 交流回路の電力 簡単な交流回路の瞬時電力および平均電力が計算できる
4週 実験演習3 実験による位相差と共振についての観測を通して、それらについて理解し、説明できる。
5週 フェーザ表示と複素数表示 交流電圧および交流電流のフェーザ表示と複素数表示を説明できる。
6週 RLC回路の複素数表示による計算 R回路、L回路、C回路、RLC直並列回路について複素数表示を用いた回路計算ができる
7週 交流回路網の計算 いくつかの交流回路網ついて複素数表示による回路計算ができる
8週 後期中間試験 指定した範囲で、理解度を確認できる。
4thQ
9週 交流電圧源と交流電流源、交流ブリッジ回路、Δ-Y変換 交流電圧源および電流源、交流ブリッジ回路について説明でき、交流回路においてΔ-Y変換を応用した回路計算ができる
10週 交流回路における重ねの理、キルヒホッフの法則、テブナンの定理、ノートンの定理 交流回路において、重ねの理、キルヒホッフの法則、テブナンの法則、ノートンの法則を応用した回路計算ができる。
11週 複素インピーダンス、複素アドミタンス、複素電力 複素インピーダンス、複素アドミタンス、複素電力について説明できる
12週 相互誘導現象、相互誘導回路 相互誘導現象を説明でき、相互誘導回路の回路計算ができる
13週 相互誘導回路の等価回路、理想変圧器 相互誘導回路の等価回路を用いた回路計算ができ、理想変圧器について説明できる
14週 演習 後期に学習した内容の復習
15週 後期末試験 指定した範囲で、理解度を確認できる。
16週 答案返却など 前期末試験の解答と解説から、再確認と修正ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前2
分数式の加減乗除の計算ができる。3前3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3後6
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3後6
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3後6
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3前11
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前7
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3前5
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3後3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後3
角を弧度法で表現することができる。3後1
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後1
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3後1
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3後1
一般角の三角関数の値を求めることができる。3後1
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3後1
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3後1
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3後6
自然科学物理力学物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後11
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後11
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後11
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3後12
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後11
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3後10
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3後11,後12
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3前7
電気電場・電位について説明できる。3前2
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3前3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3前4
ジュール熱や電力を求めることができる。3後9
化学(一般)化学(一般)放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3後11
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2前6,前13,後4
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2前6,前13,後4
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。1前6,前13,後4
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2前6,前13,後4
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2前6,前13,後4
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前5
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3前5
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3後9
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3前7
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3前9
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3後1,後2,後3,後5
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3前10,前11,前12,後6
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4前14
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3後1
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3後2
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3後3,後5,後6
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3後9
電力水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4後11
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4後11
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4後11
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4後12
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4後10
情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。3前5

評価割合

試験演習レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力201030
専門的能力601070
分野横断的能力000