数学ⅡA

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 数学ⅡA
科目番号 0028 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 情報電子工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 テキスト:新井一道他執筆 新「微分積分I」(大日本図書)問題集:新井一道他執筆 新「微分積分I」問題集(大日本図書)参考文献:Serge Lang,「Basic Mathematics」(Springer) Serge Lang,「A First Course in Calculus (Undergraduate Texts in Mathematics)」(Springer)Serge Lang,「Short Calculus: The Original Edition of “A First Course in Calculus” (Undergraduate Texts in Mathematics)」(Springer)Frank Ayres and Elliott Mendelson,「Schaum's Outline of Calculus (Schaum's Outline Series)」(McGraw-Hill)Gilbert Strang,「Calculus」(Wellesley-Cambridge)
担当教員 山本 拓生

到達目標

1. 初等関数の定義を把握し、基本的な性質の利用法について習熟する.
2. 関数の極限について理解し、種々の極限を求める事が出来る.
3. 初等関数の微分を計算し、種々の解析に用いる事が出来る.
4. 部分積分・置換積分を含む様々な積分に習熟し、各自の専門に応用する事が出来る.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 ・初等関数の扱い初等関数の定義を理解し、定義域を自ら把握できる。また、関数の性質を必要に応じて使い分ける事が出来る。初等関数の定義を理解し、比較的シンプルな関数に対しては定義域を自ら把握できる。また、三角関数・指数関数・対数関数の性質を把握し、簡単な計算を行う事が出来る。左記に準じない
評価項目2 ・極限の計算極限操作と代入の違いを理解し、右側・左側極限を必要に応じて計算できる。さらに初等関数の種々の性質を駆使して極限値を計算する事が出来る。極限操作と代入の違いを理解し、極限を必要に応じて計算できる。さらに初等関数の種々の性質を用いて簡単な極限値を計算する事が出来る。左記に準じない
評価項目3 ・微分とその応用導関数の定義を把握し計算する事が出来る。四則演算と微分の関係を理解し、導関数を定義に戻らず求める事が出来る。導関数を用いて関数の種々の解析が出来る事を理解している。導関数の定義を把握し簡単な計算する事が出来る。四則演算と微分の関係を理解し、導関数を定義に戻らず求める事が出来る。関数の第2次導関数までを調べ、グラフの凹凸まで含めた概形を書く事が出来る。左記に準じない
評価項目4 ・様々な積分の計算不定積分・定積分の定義を理解している。部分積分・置換積分を含む様々な積分手法に習熟し、各自の専門に応用する事が出来る。不定積分・定積分の定義を理解している。部分積分・置換積分を含む様々な積分手法に習熟し、簡単な積分計算を行う事が出来る。左記に準じない

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
一変数関数について微分法と積分法の基本的な概念や相互の関係を把握し、
基本的な関数の導関数や不定積分、定積分の計算に習熟する。さらに工学的な問題にも触れながら、
微分・積分法の応用について、その考え方、適用法を理解し修得する。

「微分を使って関数を解析する事」は、関数のグラフを考えた時に、「グラフを接線で近似する事によって関数を解析する事」である。
また「ある関数の不定積分を計算する」とは「微分するとその関数になる関数を探す」という事であり、
「ある関数の定積分を計算する」とは大まかな意味で「その関数とx軸で囲まれる図形の面積を求める」事を意味している。
本科目を受講する諸君には、受講後に上記のようなことを把握している事を望む。

数学をやる時はいつも
①今、何をやっているか? ②その変形をすると何を主張できるのか? ③変形の為にどんなルールを使えるのか?
を常に考える事が肝心要である。
授業の進め方・方法:
講義の基本的な流れは下記のようなものである
①前回の復習 ②板書を用いた内容の説明 ③例題の解答を示す ④演習
また、試験前には集中的な演習と、質疑応答の時間を設ける。

本講義ではスライドを用いず黒板で授業を行う。
また、各自が手書きのノートを作成する事を推奨する。
これは担当教員の経験から「数学をやるには、紙とペンを用意し、実際に書くことが最も重要」と考えられるからである。

*1 過去の定期試験の内容はBlackboardのコース「201535takuo.yamamoto」を参照されたい。
*2 再試験は年度に1度限り行う。9月末の補講期間に実施するのが慣例である。
*3 成績は基本的に定期試験のみで評価するが、レポート等を課すこともある
注意点:
1.数学は暗記科目ではない

100個の問題に対して100通りの解答法を暗記してはならない。
100個の問題を5通りの方法で解決できるなら良い勉強をしていると言ってよい。
また、それは実際に可能である。


2.他科目との関連(数学は工学の要であるから関連科目は多い)
数学IA、数学IB、数学IIB、数学IIIA、微分積分学Ⅰ・Ⅱ、
応用解析学概論、ベクトル解析、一般物理、力学、電磁気学、等多数

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 【内容】1年次の関数の復習
【方法】1年次に出会った4つの関数。すなわち、べき関数、指数関数、対数関数、三角関数の復習を行う。
1年次の関数の復習を理解し、種々の計算する事が出来る。
2週 【内容】関数の極限と連続
【方法】関数の極限が正(負)の無限大であるという概念を導入し、記号(±∞)の取り扱いと極限の意味を理解する。また、点における関数の連続・不連続を理解し、グラフ上におけるその特徴を確認する。中間値の定理を利用して、閉区間における方程式の解の存在が示されることを学ぶ。
関数の極限と連続を理解し、計算する事が出来る。
3週 【内容】微分係数と導関数
【方法】微分係数の定義に基づいて、べき関数x^nの微分係数を求める。さらに微分係数と接線の傾きについて触れる。また、導関数の概念を理解する。
微分係数と導関数を理解し、計算する事が出来る。
4週 【内容】三角関数と指数関数の導関数
【方法】いくつかの三角関数の極限を計算したあと、三角関数(sin、cosのみ)の導関数を三角関数の諸公式などを活用して求める。さらにネピアの数を定義し、ネピアの数を底とする指数関数の導関数を求める。
三角関数と指数関数の導関数を理解し、計算する事が出来る。
5週 【内容】和・差・積・商の導関数
【方法】関数の和・差・積・商の導関数の公式を求め、4回までに求めた3種類の関数(x^n、sinx、cosx、e^x)に適用してみる。またx^(p/q)、tanx等の導関数を求める。
和・差・積・商の導関数を理解し、計算する事が出来る。
6週 【内容】合成関数の導関数1
【方法】2つの関数の合成関数の微分の公式を証明し、自然対数logxを定義したのちその導関数を求める。また、担当を割り当てて板書で演習を行う。
合成関数の導関数を理解し、計算する事が出来る。
7週 【内容】演習
【方法】担当を割り当てて板書で演習を行う。
これまでの内容の演習問題を自力で解決する事が出来る。
8週 【内容】中間試験
【方法】以上の範囲で試験を行う。
これまでの内容で中間試験を実施し、講義内容の理解度を確認する。
2ndQ
9週 【内容】答案返却及び逆三角関数
【方法】答案の返却と説明を行う。また、1年生のときに学習した逆関数とその求め方について復習し、逆正弦、逆余弦、逆正接関数を求めそのグラフをかく。
逆三角関数を理解し、計算する事が出来る。
10週 【内容】合成関数の導関数2
【方法】逆三角関数の微分法と対数微分法を学ぶ。
逆三角関数の微分を理解し、計算する事が出来る。
11週 【内容】微分法まとめ
【方法】以上の範囲のまとめを行う。また、担当を割り当てて板書で演習を行う。
これまでの内容の演習問題を自力で解決する事が出来る。
12週 【内容】接線と法線及び関数の増減
【方法】導関数の符号の変化を調べて、その関数の増加、減少の状態を調べる。
接線と法線及び関数の増減を理解し、計算する事が出来る。
13週 【内容】極大・極小及び不定形の極限(ロピタルの定理)接線と法線及び関数の増減
【方法】極値の概念、ロピタルの定理を解説したのちグラフの概形を書きかたを習得する。
極大・極小及び不定形の極限(ロピタルの定理)接線と法線及び関数の増減を理解し、計算する事が出来る。
14週 【内容】関数の最大・最小
【方法】増減表を利用して、関数の最大値・最小値を求める。また、担当を割り当てて板書で演習を行う。
関数の最大・最小を理解し、計算する事が出来る。
15週 【内容】期末試験
【方法】前期中間試験以後学習した内容について試験をする。
これまでの内容で期末試験を実施し、講義内容の理解度を確認する。
16週 【内容】答案返却など
【方法】答案の返却と説明を行う。またロルの定理、平均値の定理、ロピタルの定理の証明の概略を学ぶ。
これまでの内容の全体像を俯瞰する事が出来る。
後期
3rdQ
1週 【内容】高次導関数・曲線の凹凸
【方法】関数の積の第n次導関数を求められるようにする。曲線の凹凸の判定や変曲点が求められるようにする。
高次導関数・曲線の凹凸を理解し、計算する事が出来る。
2週 【内容】曲線の媒介変数表示
【方法】媒介変数を用いて、曲線の方程式を求める。媒介変数表示による関数の導関数 媒介変数で表された関数の導関数を求める。
曲線の媒介変数表示を理解し、計算する事が出来る。
3週 【内容】速度と加速度及び演習
【方法】速度と加速度の概念について学ぶ。また時間があれば簡単な運動方程式にも触れ、担当を割り当てて板書で演習を行う。
速度と加速度及び演習を理解し、計算する事が出来る。
4週 【内容】不定積分
【方法】微分法の逆演算として不定積分を導入し、微分法と関連づけながら計算方法を理解する。
不定積分を理解し、計算する事が出来る。
5週 【内容】不定積分の計算(1)
【方法】様々な不定積分の求め方を学ぶ。
不定積分の計算(1)を理解し、計算する事が出来る。
6週 【内容】不定積分の計算(2)
【方法】様々な不定積分の求め方を学ぶ。
不定積分の計算(2)を理解し、計算する事が出来る。
7週 【内容】不定積分の計算(3)
【方法】様々な不定積分の求め方を学ぶ。
不定積分の計算(3)を理解し、計算する事が出来る。
8週 【内容】中間試験
【方法】前期期末試験以後学習した内容について試験をする。
これまでの内容で中間試験を実施し、講義内容の理解度を確認する。
4thQ
9週 【内容】定積分
【方法】定義に基づいて定積分の基本性質を理解し、その利用に習熟する。
定積分を理解し、計算する事が出来る。
10週 【内容】微積分学の基本定理と定積分の計算(1)
【方法】微積分学の基本定理を証明した後、定積分の具体的な計算方法を学ぶ。
微積分学の基本定理と定積分の計算(1)を理解し、計算する事が出来る。
11週 【内容】微積分学の基本定理と定積分の計算(2)
【方法】微積分学の基本定理を証明した後、定積分の具体的な計算方法を学ぶ。
微積分学の基本定理と定積分の計算(2)を理解し、計算する事が出来る。
12週 【内容】置換積分
【方法】不定積分と定積分の置換積分を学ぶ。
置換積分を理解し、計算する事が出来る。
13週 【内容】部分積分
【方法】不定積分と定積分の部分積分を学ぶ。
部分積分を理解し、計算する事が出来る。
14週 【内容】色々な関数の積分
【方法】色々な関数の積分を置換・部分積分を用いて行う。
色々な関数の積分を理解し、計算する事が出来る。
15週 【内容】期末試験
【方法】後期中間試験以後学習した内容について試験をする。
これまでの内容で期末試験を実施し、講義内容の理解度を確認する。
16週 【内容】答案返却など
【方法】答案の返却と説明を行う。
これまでの内容の全体像を俯瞰する事が出来る。。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。2
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。2
導関数の定義を理解している。2
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。2
合成関数の導関数を求めることができる。2
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。2
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。2
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。2
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。2
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。2
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。2
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。2
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。2
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。2
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。2
微積分の基本定理を理解している。2
定積分の基本的な計算ができる。2
置換積分および部分積分を用いて、定積分を求めることができる。2
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。2

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
前期中間2525
前期期末2525
後期中間2525
後期期末2525