国語総合Ⅱ

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 国語総合Ⅱ
科目番号 0032 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「国語表現」(教育出版),「国語表現 演習ノート」(教育出版)
担当教員 一色 誠子

到達目標

文章を的確に読み、考え、自らの意見を的確に表現できることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1文章を正確に読み取り、筆者見解に対して自身の意見を持ち表記することができる。文章を正確に読み取り、筆者見解に対して自身の意見を持つことができる。文章を正確に読み取り、筆者見解に対して自身の意見を持つことができない。
評価項目2文章構成の型を用いた構造的で、根拠に基づいた小論文を書くことができる。文章構成の型を用い、根拠を明示した小論文を書くことができる。文章構成の型を用い、根拠を明示した小論文を書くことができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
「話す」「聞く(聴く)」「書く」の表現力をつけるために必要な”考える力”を、様々な文章を「読み」「考える」ことで身につけていく。同時に、表現するために必要な基礎的事項をテキストを用いて学んでいく。最終的に、学んだことが実践に活かすことができるかどうかを表現すること〈小論文〉で確認していく。
授業の進め方・方法:
”考える力”を身につけていくために、テキストを用いて文章を正しく読み取っていく。適宜、グループワークも取り入れていく。授業では、その時間の学習の指針となり学習履歴となる「学習シート」を毎時間用意する。
注意点:
国語辞典〈電子辞書も可)は、毎時間携帯すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス:授業の進め方について
導入:読むこと、書くことに慣れる
シラバスを用いて授業の概要、到達目標、成績評価方法を理解できる。
短作文を書き、数人からコメントをもらい、現在の自分の表現力を客観的に見ることができる。
2週 言葉に変える I
高樹のぶ子「言葉―自己表現の強い武器」を通読し、筆者の論理展開を理解することができる。
3週 言葉に変える Ⅱ
「箇条書きを文章として表現する」ことを、短作文で実践することができる。
4週 言葉に変える III 「絵を言葉にする」ことを目的に、対象者を決め絵を文章で説明することができる。
5週 考えること/書くこと I 市川伸一「考えるために書く」を通読し、「書くこと」と「考えること」のつながりについて、自身の考えを主張することができる。
6週 考えること/書くこと II 井上史雄「盗まれた?靴」を通読し、文章の中で事例がどのように入れられているかを読み取り、分析することができる。
7週 待遇表現  敬語によるコミュニケーションと、待遇表現について理解することができる。
正しい敬意表現を練習問題を通して、理解を深めることができる。
8週 発想を豊かに/言葉を遊ぶ I オノマトペを取り入れた「フォトイラストで五七五」を作成することで、自己表現をすることができる。
文によるコミュニケーションを、リレー短文で実践することができる。
2ndQ
9週 発想を豊かに/言葉を遊ぶ II キーワードになる四枚のイラストに短い物語を作成することができる。適切な表現と正しい表記をすることができる。
10週 通信文を書き分ける 手紙の書き方(ビジネスレターおよびe-mail含む),手紙の敬意表現,ビジネスの敬意表現 を、実作を通して理解を深めることができる。
11週 メディア・リテラシー I 「情報の海を航海する――メディア・リテラシーの課題」を読み、メディアの特性を理解することができる。
 
12週 メディア・リテラシー II 「まわし読み新聞」①(グループワーク)を作成することで、自己の主張と、グループの合意形成を理解することができる。
13週 メディア・リテラシー III 「まわし読み新聞」② (グループワーク)を作成することで、自己の主張と、グループの合意形成を理解することができる。
14週 メディア・リテラシー IV 「まわし読み新聞」の発表をすることで、的確な説明とアピールをすることができる。また、コメントシート作成することで、他のグループの表現を認知することができる。
15週 期末試験
16週 期末試験答案返却と解説
小論文導入
前期末試験の解説により、前期の学習内容の理解を深めることができる。小論文の導入として、小論文と作文の違いについて理解することができる。
後期
3rdQ
1週  小論文入門 I ――小論文の基礎 「文章の構成」、「文章の型」について理解することができる。また、「構成ノート」の作成ができる。
2週 小論文入門 II ――小論文作成法 小論文を作成するために必要な、「マッピング・メモ」、「アウトライン」、「引用のルール」について理解することができる。
3週 小論文入門 III ――「論証」とは? 意見の裏づけとなる「論証」について理解し、例文を作成することができる。
4週 小論文入門 IV ――文章の設計図 「文章の設計図」を作り、小論文作成の準備をすることができる。
5週 小論文の作成(1回目) 小論文と作文の違いを意識し、「文章の設計図」をもとに小論文を作成することができる。
6週 表現を工夫する I 「論理的な文章を書くための文体と修辞」、「文のつなぎ方」について理解することができる。
7週 表現を工夫する II 文章のわかりやすさと推敲の要点について、理解することができる。
8週 読み、考え、書く I 松沢哲郎「『人間と動物』法との決別」を通読し、筆者の述べる論点を整理することができる。
4thQ
9週 読み、考え、書く II 松沢哲郎「『人間と動物』という二分法との決別」を再読し、筆者の主張に対しての自身の意見を述べることができる。
10週 読み、考え、書く III 四方田犬彦「『かわいい』論」を通読し、筆者の述べる論点を段落ごとに整理することができる。
11週 読み、考え、書く IV 四方田犬彦「『かわいい』論」で、意見の裏づけとして引用されている文学作品について理解をし、引用の意味を考えることができる。
12週 読み、考え、書く V 四方田犬彦「『かわいい』論」を再読し、筆者の見解に対しての自身の意見をまとめことができる。
13週 小論文作成準備 松沢哲郎「『人間と動物』』法との決別」、四方田犬彦「『かわいい』論」のいづれがを選び、意見文を書くための「文章の設計図」を作成することができる。
14週 小論文の作成(2回目) 意見の裏付けとなる根拠を明確にし、「文章の設計図」をもとに、小論文を作成することができる。
15週 後期末試験
16週 後期末試験答案返却と解説 後期末試験の解説により、前期の学習内容の理解を深めることができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。3
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。3
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。3
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。3
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。3
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。3
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。3
情報の収集や発想・選択・構成の方法を理解し、論理構成や口頭によるものを含む表現方法を工夫して、科学技術等に関する自らの意見や考えを効果的に伝えることができる。また、信頼性を重視して情報を分析し、図表等を適切に活用・加工してコミュニケーションに生かすことができる。3
他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。3
相手の意見を理解して要約し、他者の視点を尊重しつつ、建設的かつ論理的に自らの考えを構築し、合意形成にむけて口頭によるコミュニケーションをとることができる。また、自らのコミュニケーションスキルを改善する方法を習得できる。3
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解できる。また、それらを適切に用い、社会的コミュニケーションとして実践できる。3

評価割合

試験小論文グループワーク合計
総合評価割合702010100
総合的能力702010100