数学ⅢB

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 数学ⅢB
科目番号 0046 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 テキスト:「新線形代数」(大日本図書)
担当教員 義永 常宏

到達目標

行列および行列式の定義および演算、ベクトルの移動(線形変換)が行列として表現できること、固有値および固有ベクトルの意味とそれらの応用としての2次形式の標準化ならびに2次曲線の概形や行列のベキ乗について理解することを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
行列と行列式応用的な計算ができる。基本的な計算ができる。基本的な計算ができない。
線形変換線形変換と行列の関係を活用できる。線形変換を行列により表現できる。線形変換を行列によって表現できない。
固有値と固有ベクトル固有値・固有ベクトルを応用できる。固有値・固有ベクトルを求められる。固有値・固有ベクトルを求められない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
2年次に学んだベクトル、2次曲線の基礎に続き、行列・行列式などを学び、線形代数学的扱いに慣れ親しむ。線形代数的な手法は理工学ばかりでなく、社会科学などの分野にも広く使われる重要な考え方である。ここではその初歩から学ぶ。行列および行列式については計算能力を養い、それらを利用して連立一次方程式を解いたり、線形変換を行うことにより図形(ここでは2次曲線)の標準形を求めたりする。
授業の進め方・方法:
教科書に沿った講義形式で進める。また、理解度を確認する意味で、適切な単元ごとに家庭学習用の演習問題を課す。
注意点:
【関連科目】数学ⅡB(2年)、ベクトル解析(4年)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 行列の定義、和、差、数との積 行列の定義を理解し,行列の和、差、実数倍の各演算について学ぶ。
2週 行列の積 行列と行列の積について学び、積が成り立つときとそうでないときを理解する。
3週 転置行列、対称行列および交代行列 転置行列の定義を理解し、それと関連する対称行列および交代行列について理解する。
4週 逆行列 逆行列の意味・定義を理解し、2次正方行列における逆行列の求め方を学ぶ。
5週 消去法による連立方程式の解法
および行列の階数
(ガウスの)消去法を用いて連立一次方程式を解く。特に、解が複数存在したり、解が存在しないことがあることも学ぶ。また、行列の階数と連立一次方程式の解との関係について理解する。
6週 消去法による逆行列の求め方 消去法を用いて、(3次以上の)行列の逆行列を求める方法について学ぶ。
7週 逆行列と連立一次方程式 逆行列を用いた連立一次方程式の解法について学ぶ。
8週 行列式の定義 2次および3次の行列式について学ぶ。
2ndQ
9週 中間試験 1~7週で学習した内容についての試験を行う。
10週 中間試験解説および行列式の性質 中間試験問題解説の後、順列を用いた一般のn次行列式の定義および行列式の諸性質について学ぶ。
11週 行列式の展開、行列の積の行列式 行列式を小行列式に展開する方法および行列の積の行列式の性質について学ぶ。
12週 余因子行列と逆行列 余因子行列の定義とそれを用いた逆行列の求め方について学ぶ。
13週 正則行列の行列式およびクラメルの公式 正則行列であるための行列式の条件を学び、クラメルの公式による連立一次方程式の解法について学ぶ。
14週 行列式の図形的意味 平行四辺形の面積および平行六面体の体積の求め方を学び、それらを表すベクトルの線形独立性について学ぶ。
15週 期末試験 8、10~14週で学習した内容についての試験を行う。
16週 答案返却など 期末試験の答案返却および解説を行う。
後期
3rdQ
1週 線形変換の定義 線形変換(一次変換)の定義および行列との関係について学ぶ。
2週 線形変換の性質 線形変換の基本性質について学ぶ。
3週 合成変換 線形変換の合成変換の定義を学び、それが行列の積として表現できることについて学ぶ。
4週 逆変換 線形変換の逆変換の定義について学び、それが逆行列として表現できることについて学ぶ。
5週 回転を表す線形変換 平面上の原点を中心とする点の回転移動が変換であることおよびその公式ついて学ぶ。
6週 直交変換 直交行列で表される線形変換およびその性質について学ぶ。
7週 固有値と固有ベクトルの導入 これより行列の固有値と固有ベクトルを学ぶにあたり、図形を用いながら直感的に理解する。
8週 中間試験 1~6週で学習した内容についての試験を行う。
4thQ
9週 中間試験解説および固有値と固有ベクトルの定義 中間試験問題の解説の後、行列の固有値、固有ベクトルの定義について学ぶ。
10週 中間試験問題解説の後、行列の固有値、固有ベクトルの定義について学ぶ。 固有値と固有ベクトルの求め方について学び、いくつかの問題を通じて理解を深める。
11週 行列の対角化 行列の対角化の意味および対角化可能であるための条件について学ぶ。
12週 対称行列の対角化 対称行列は対角化行列として、直交行列を選ぶことができることを理解する。併せて、ベクトルの外積についても学ぶ。
13週 対角化の応用(1) 二次形式およびその標準形の定義、直交行列と回転を表す行列の関係、ならびにそれらに基づく二次曲線の概形について学ぶ。
14週 対角化の応用(2) 行列のn乗の求め方について学ぶ。
15週 期末試験 7、9~14週で学習した内容についての試験を行う。
16週 答案返却など 答案の返却および試験問題の解説を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
行列の和・差・数との積の計算ができる。3
行列の積の計算ができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000