科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 哲学
科目番号 0050 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 アン・トムソン. 2012. 『倫理のブラッシュアップ : 実践クリティカル・リーズニング応用編』. 斎藤浩文, 小口裕史(共訳). 春秋社. および配布プリント,引用の作法(PDF). 詳細は下記参照.
担当教員 高橋 祥吾

到達目標

【授業の目的】
哲学・倫理学における思考方法・推論の方法を身に付け,その方法を用いて自分で社会における諸問題について議論を形成し文章にすることができるようになることで,市民社会において必要な基礎的能力を身に付ける.

【目的達成のための行動目標】
1.作成のルールに従ったレポートが書けるようになる
2. 哲学・倫理学に関わる知識・理論・原則を理解し、文章に適用して記述することができる
3. 論証を中心に、文章を論理的に分析・評価することができるようになる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
レポート作成能力引用の規則を守り,正しい体裁のレポートが作成できるだけでなく,複数の引用スタイルでの記述ができる.引用の規則を守り,間違いのない引用や,正しい体裁のレポートを作成できる引用の規則を守れない.あるいは,レポートのレベルが著しく低い
哲学・倫理学の知識哲学・倫理学に関わる知識・理論・原則を答え,記述するだけでなく,その原則を具体的な事例に適用することができる.哲学・倫理学に関わる知識・理論・原則を答えることができる.および,その理論などを引用に頼らずに記述することができる.哲学・倫理学に関わる知識・理論・原則を答えることができない.および,その理論などを説明するために,引用や他人の説明に依拠することしかできない.
論証の分析・評価内容によらず,様々な文章を論理的に分析・評価することができる.論証を中心に、馴染みがないが短い文章あるいは,なじみがあるが長いを論理的に分析・評価することができるようになる。論証を中心に、文章を論理的に分析・評価することができない.

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【授業概要】
 哲学という学問にとって,論理的な議論というのはとても重要です.この授業では,論理的な議論(argument)のことを「論証」と呼んでいます.なぜ哲学にとって論証は重要なのでしょうか.それは哲学は時に非常に抽象的な事柄や,言葉そのもの(やその意味)を対象として取り扱うことがあるからです.哲学は,実験結果などに依拠して研究するということが難しいです.高専で中心的に学ぶことになる専門分野の学問は,ほとんどの場合,実験や観察が重要なウェイトを占めており,実験や観察の成果に基づいて論証を構築することができます.しかし,哲学には,実験の成果がないために,論証そのものを優れたものにすることが求められています.哲学と論証は深い関係があるのです.
 しかしながら,論証を必要とするのは哲学だけではありません.専門分野のどの学問でも適切な論証が求められますし,ビジネスなどでも「ロジカル・シンキング」などの名称で,適切な論証を構築できる能力は求められています.
 この授業では,哲学に必要な論証を作り上げる能力を養うことからはじめていく予定です.そのうえで,哲学・倫理に関する事柄を2年生のときよりもさらに詳しく学んでいくことを目指していきます.


【授業の意義】
論証をつくる能力は,論証を分析し,評価する能力を養うことでもあります.これらの能力は,哲学だけでなく,専門分野の授業,とくに卒業研究において必要とされる能力であると考えています.さらに,就職してから,仕事のなかで論理的に考えて文章を作成する能力が求められることも予想されます(本屋さんのビジネス書のコーナーには,論理的に考えること,問題解決力,ロジカルシンキングなど,この授業で訓練する能力についての本が置いてあります.これはいま働いているビジネスマンが必要としているという証拠のひとつでしょう).


授業の進め方・方法:
 教科書やプリントを用いながら講義を実施します.少なくとも前期は,授業はスライドを多用しますが,板書も利用するので,ノートの準備は忘れないようにして下さい.
スライドをそのまま印字して渡すことはしません.多くの場合,スライドの記述は教科書の内容を箇条書きでまとめたものであったり,問題の解答例であったりするために,手もとに配布する意義が薄いと考えています.したがって,授業前に一度教科書を読んでおくことが授業内容の理解につながります.またスライドは授業後にblackboardにアップロードを予定しています.

 スライドの内容をノートにそのまま書き写してもあまり意味がないと思います.書き写して意味があるようなスライド作成や板書は行うつもりがありません.そのため,ノートの取り方は工夫が必要です.板書内容以外にポイントとなるだろう点も授業中はノートにとる必要があるでしょう.スライドの場合も,スライドそのものよりも,授業で私が強調している点をメモすることが重要です.そして,授業後にまとめることが効果的でしょう.まとめるときは,教科書をしっかりと読み込みましょう.教科書の内容とスライドの内容を新しくノートにまとめていきましょう.

 また,前期授業の内容は,教科書の内容のエッセンスを効率良く提供する方針で授業を行います.そのため,詳細な説明は教科書に任せているため,教科書を熟読する必要があります.教科書の内容は充実していますが,すこし難しい部分があるため,下記に示す参考文献などを読むなど,理解を深める自学自習が必要だと思います.
 また日頃から難しい文章を読む訓練をするとよいでしょう.

【教科書やプリント等について】
メインの教科書は,次のものです.

アン・トムソン. 2012. 『倫理のブラッシュアップ : 実践クリティカル・リーズニング応用編』. 斎藤浩文, 小口裕史(共訳). 春秋社.

また,プリントを配布して必要事項を補足していきます.
さらに,総務省が発行している次の冊子も用います.

高校生向け副教材「私たちが拓く日本の未来」
http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/senkyo/senkyo_nenrei/01.html

上記のURLからPDFデータをダウンロードすることが可能です.

教科書の用途は,大きく分けて二種類あります.まず,授業中に実施する教科書内の練習問題に取り組むために使用します.第二に,学生が予習復習を行う時に読むために使用します(使用を期待しています).上でも述べていますが,授業中は教科書の内容を細かく検討することはなく,教科書に記載されている詳細な説明を授業中に繰り返すことはしません.授業中の説明をより容易に理解するためには,予習として教科書を読むことは効果的ですし,読んでおいた方が明らかに理解が進むと思います.また,授業後に不明な点を自分で復習するために教科書を読むのもよいでしょう.

レポート作成のために「文献引用の方法」(教員の自作PDF)を利用します.レポートの作成はこのマニュアルに従ってもらいます.

プリントは,いくつかのタイプがあります.多くは次の三つのどれかです.
1) 教科書の問題を解答するためのプリント.
2) プリントに記載した内容に即して授業をする. 
3) 授業で話す内容の参考資料.

3)のタイプのプリントが一番利用しづらいかもしれません.このタイプのプリントは,多くの場合,授業で話す哲学者の考えについてのレジュメや引用資料であることが多いです.わたしが授業中に解説している内容を裏付けるための資料として配布しています.

【課題について】
[授業内課題(提出必須)]
授業中課題(「哲学プリント」) 前期は演習問題に解答するプリントをやってもらいます.授業の最後に回収し,後で返却します.
休んだひとは,提出がないので評価できないため,たとえ公認欠席であっても0点になります.そのため後からでも出すことを推奨します.

[通常課題 授業外の宿題(提出必須)]
問題作成課題や,期末テスト対策問題を実施します.いわゆる宿題というものです.夏休みや冬休みのレポート作成が特に重要な課題となります.

[任意課題(提出任意)]
任意課題は,さらに上を目指すための課題だったり,実質的な授業の予習や復習になったりする課題です.


【レポート(小論文)について】
哲学・倫理に関する最終レポートを提出してもらいます.3000-4000字程度を予定しています.
ファイルは,wordファイルで提出してください。ファイル名を,学科の略称(me, ie, ca)+出席番号+名前(ローマ字)にしてください.(たとえばme55takahashi)

◎レポート作成スケジュール
 夏休み:ひとつレポートを作成
 夏休み後,授業で相互評価の実施
 冬休みまで:夏休みのレポートを利用したりして完成度を高めたものを用意.※引用を行っていることが必須
 冬休み:相互評価の実施(冬休みの宿題)
 冬休み後:相互評価をもらって修正
 学年末テスト前に提出.
 レポートの評価に,相互評価も含まれるということになります.評価者も評価されます.

レポートの評価に,レポート用のルーブリックを使います.
このルーブリックはblackboardにアップロードして公開します.授業中にプリントでも配布します.途中で提出してもらったレポートの内容等に応じて改訂することがあります.

【レポートのテーマや条件(暫定)】
レポートのテーマは哲学や倫理に関係する内容について,教員かいくつか指定したものから選んでもらいます.教科書に出てくるテーマを参考にするのもよいでしょう.
哲学や倫理に関係しないレポートでは評価ができません.また,「論証タイプ」のレポートを作成してもらいます.
レポートでは,「複数の出典から引用を二つ以上すること」,「何か書籍を一冊読み,その本から一回は引用すること」が条件にあります.

【レポートに関する質問について】
レポートを書く前に何を書いていいのかと質問するよりも,まずは書いてみましょう.そしてあなたが書いたものを持って質問にきて下さい.書いていない,つまりまだ存在していないレポートの良し悪しを評価する力などわたしにはありませんし,あなたの書きたいレポートの内容を予言することはできません.レポート課題の性質上,あなたはかなり自由にテーマを設定できます.まずは書いてみて,その上で何がわからないのか.何に困ったのかを明確にしてみて下さい.すでに示したルーブリックに基づいて,自己評価をしたりすることも有効でしょう.

【テストについて】
テストは前期末と学年末の二回実施します.中間テストは実施しません.代わりに特別時間割に授業があります.

【不正について】
テストの不正については,本校の規則等に準じます.
レポートにおいて剽窃が発覚した場合は,レポート以外の評価に関係なく単位を認めません.

【蔵書の貸し出し】
必要な範囲で科目担当教員の所有する蔵書を貸し出します.レポートの作成などに有効だと考えています.興味がある場合は研究室まで来て下さい.

【オフィスアワー】
基本的に,昼休みをオフィスアワーに設定しています.昼休みに研究室にいない場合もありますので,それ以外の時間でも担当教員が研究室にいれば,可能な限り対応します.

【参考文献・補助文献】
以下の文献の内容を授業では取り入れています.授業を構築するために私が利用した文献の一覧でもあります.したがって,これらの書籍を読むことは授業内容の理解につながりますので,必要に応じて読むことを推奨します.

◎論証の分析・評価関係
アン・トムソン. 2008. 『論理のスキルアップ : 実践クリティカル・リーズニング入門』. 斎藤浩文, 小口裕史(共訳). 春秋社.
野矢茂樹. 2001. 『論理トレーニング101題』. 産業図書.
野矢茂樹. 2006. 『新版 論理トレーニング』. 産業図書.
福沢一吉. 2002. 『議論のレッスン』. 生活人新書. 日本放送出版協会.
福沢一吉. 2017. 『論理的思考 最高の教科書』. サイエンス・アイ新書. ソフトバンククリエイティブ.

◎レポートの書き方関係
戸田山和久. 2012. 『新版 論文の教室: レポートから卒論まで』. NHKブックス. 日本出版放送協会.
山口裕之. 2013. 『コピペと言われないレポートの書き方教室』. 新曜社.

◎哲学・倫理学関係
マイケル・サンデル. 2011. 『これからの「正義」の話をしよう』. 鬼澤忍訳. ハヤカワ・ノンフィクション文庫. 早川書房.
ジェームズ・レイチェルズ. 2003. 『現実をみつめる道徳哲学 : 安楽死からフェミニズムまで』. 古牧徳生, 次田憲和(共訳). 晃洋書房.
佐藤 岳詩. 2017. 『メタ倫理学入門: 道徳そのものを考える』. 勁草書房.
Baggini, Julian, Peter S. Fosl, 2007. 『哲学の道具箱』.長滝祥司, 廣瀬覚(共訳). 共立出版.
Baggini, Julian, Peter S. Fosl, 2012. 『倫理学の道具箱』.長滝祥司, 廣瀬覚(共訳). 共立出版.
児玉聡, 2012, 『功利主義入門』, 筑摩書房(ちくま新書)
マッキンタイア, A., 1999, 『美徳なき時代』, 篠崎榮訳, みすず書房.
江口聡編(監訳). 2012. 『妊娠中絶の生命倫理』. 勁草書房.
ピーター・シンガー. 1999. 『実践の倫理』. 新版. 山内友三郎, 塚崎智(共訳). 昭和堂.
加藤尚武. 1997. 『現代倫理学入門』. 講談社学術文庫. 講談社.
伊勢田哲治, 2008.『動物からの倫理学入門』, 名古屋大学出版会.
森川友義. 2009. 『若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!?』. ディスカヴァー携書. ディスカヴァー・トゥエンティワン.
加藤秀治郎. 2013. 『日本の選挙 : 何を変えれば政治が変わるのか』. 再版. 中公新書. 中央公論新社.
西垣通. 2013. 『集合知とは何か : ネット時代の「知」のゆくえ』. 中公新書. 中央公論新社.
待鳥聡史. 2015. 『代議制民主主義 : 「民意」と「政治家」を問い直す』. 中公新書. 中央公論新社.
坂井豊貴. 2015. 『多数決を疑う - - 社会的選択理論とは何か』. 岩波新書. 岩波書店.
重田園江. 2013. 『社会契約論: ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ』. 筑摩書房.
ジョン・ロック. 2010. 『統治二論』. 加藤節(訳). 岩波文庫. 岩波書店.
ジャン・ジャック・ルソー. 2008. 『社会契約論 ; ジュネーヴ草稿』. 中山元(訳). 光文社古典新訳文庫. 光文社.
高橋昌一郎. 2008. 『理性の限界 : 不可能性・不確定性・不完全性』. 講談社現代新書. 講談社.
ジェームズ・スロウィッキー. 2009. 『「みんなの意見」は案外正しい』. 小高尚子(訳). 角川文庫. 角川書店.
東浩紀. 2015. 『一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル』. 講談社文庫. 講談社.
國分功一郎. 2013. 『来るべき民主主義 : 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題』. 幻冬舎新書. 幻冬舎.
児玉聡. 2020. 『実践・倫理学』. 勁草書房.

【授業中の注意事項】
スマートフォン(携帯電話)などに関しては,必要に応じて許可する場合をのぞき,学校の規則に準じます.
授業中の私語は当然禁止です.授業で気になる点があって,となりの人と話したくなるときもあるかもしれませんが,私からは私語と区別がつかないことが多いです.ですので,不明な点があるときは,その場で質問して下さい.あなたがわからないことは,周囲のひともわかっていないかもしれないですから,その質問はみんなのためになります.

【授業の方針(ポリシー)】
特定の学生(たとえば成績不振者)に対して特別に課題をあたえるようなことはしません.課題を出す場合は,受講者すべてに対して出すようにしています.
提出が学生の意志に任されている場合に限らず,必須の課題であっても,提出を促したり,未提出の状況に対して忠告するようなこともしないです.その責任は学生が負うものであり,教員に促されて提出することは価値がないと考えています.また課題の評価には期限内に提出できることも含めています.わたしにしつこく急かされて提出するようでは,期限内に課題を提出する能力が身に付いていないと言わざるをえないですし,わたしが促してしまっては自発的に提出しようという能力が養われないと考えています.
逆に,提出が遅れたからといって,絶対に受け取らないということもあまりないです(受け取らない場合ももちろんあります).ただし,課題の評価は,期限内に提出できる能力も含めていますから,遅れたことに対する評価の低下はありえます.

注意点:
【評価について】
a) 2回の定期試験の点数の平均の35%
b) レポート(100点満点)の点数の35%
c) 授業中や宿題として課した各種課題の総計を100点満点に換算した点数の30%

以上,a), b), c)の合計を総合成績の点数とする.

・シラバスの内容(特に授業計画)は,実際の社会の動向など,状況に応じて内容や順番を変更する可能性があります.その場合はできるかぎり事前に連絡する予定です.
・office365,とくにWordを利用するので,使い方を把握しておくこと.Wordの使い方について授業で解説したりはしません.自分で調べましょう.脚注とインデントの方法は調べておきましょう.
・2年生のの「倫理」や1年生の「政治・経済」の授業の内容は前提となります.毎回の授業で話題になるわけではありませんが,教科書には2年生までの授業で出てきた人物や概念が出てきたりします.教科書や授業の内容を理解するためにも必要となりますので,過去の授業の内容を復習することは大切になります.過去の授業の内容に触れるのは,過去に学んだ内容をより豊かなものにするためです.

【再試験について】
レポート提出と試験によって評価する.再試験の試験範囲は前年度のシラバスに準じて設定されるので注意すること.試験範囲など再試験に関する事柄の詳細はメールやTeams、掲示などで知らせるので,メールやTeams、掲示に注意しておくこと.

・【関連科目】 倫理、技術者倫理

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 【授業内容】オリエンテーション、論証について
【方法】スライド使用.論証の規定を学び,いくつかの文章について論証かどうかを判定する問題を解く
【事後学習】
教科書 第1章の内容を読む
論証と論証でないものを見分けることができる
2週 【授業内容】道徳論証を見分ける
【方法】スライド使用 道徳論証とただの論証の違いを学び,その上でこの両者を判別できるように,関連問題を解く.
論証と論証でないものを見分けることができる
論証と道徳論証を見分けることができる
3週 【授業内容】
1.論証の構造
2.接続表現を判別する
【方法】スライド使用
1.合流論証と結合論証の特徴を学び,その両者を判定する問題を解く
2.文章中の空欄に接続表現を当てはめるタイプの問題を解く.
教科書 第1章
結合論証と合流論証を区別することで,論証の構造を把握できる.
文章において論理的に適切な接続表現を選ぶことができる
複数の主張の中から中心的主張(結論)を取り出すことができる
4週 道徳論証を分析する1
教科書 第1章(第2章)
暗黙の前提を理解できる.
分析の手順に従って、道徳論証を分析できる
5週 道徳論証を分析する2
教科書 第1章(第2章)
分析の手順に従って、道徳論証を分析できる
6週 道徳論証を分析する3
教科書 第1章,第2章
長い文章の分析を実施して,分析ができる.
7週 道徳推論を評価する1
妥当な演繹推論と論証の評価
教科書 第2章
妥当な演繹推論の考察を通じて,論証の評価との関係を把握できる.
道徳推論の評価についての概要を理解できる.
8週 道徳推論を評価する2
推論における誤謬
教科書 第2章
推論における誤謬を理解できる.
2ndQ
9週 道徳推論を評価する3
長い文章について論証の構造を要約する.
教科書 第2章,第3章
分析に必要な要約ができる.
10週 道徳推論を評価する4
教科書 第2章,第3章
実際に論証の分析・評価をできる.
11週 道徳推論を評価する5
長い文章の分析と評価を,グループに分かれて実施する.
教科書 第3章
長い文章に含まれる論証の分析・評価をできる.
12週 道徳推論を評価する6
前回に続いて長い文章の分析と評価を,グループに分かれて実施する.
教科書 第3章 付録2
長い文章に含まれる論証の分析・評価をできる.
13週 妥当な演繹推論と論証の評価
教科書 第3章
妥当な演繹推論と論証の評価との関係を理解できる
14週 これまでの復習
第1章〜第3章
ここまでの内容について,自分たちで問題を作り合い,それを解くことができる.
15週 期末試験 これまでの内容から出題する
16週 答案返却など 試験の解答と解説を行う
後期
3rdQ
1週 レポートを評価する 夏休みの宿題を自分たちで相互に評価できる
レポートの修正ポイントについて自分自身で把握して指摘できる.
2週 道徳原則と道徳理論1
功利主義
教科書 第6章 付録2
権利概念の解説と,功利主義についての利点と問題点を理解する.
3週 道徳原則と道徳理論2
義務論
教科書 第6章 付録2
義務論,とくにカント主義の立場について,利点と問題点,そして関連する概念を理解できる.
4週 道徳原則と道徳理論3
徳倫理
徳倫理の特徴を学び,義務論や功利主義との違いを理解できる.
5週 原則の評価と相対主義
教科書 第5章,第6章
各道徳原則や理論の評価についてのメタ倫理的な説明を理解できる.
相対主義の問題点と利点について、文化相対主義を中心に考え,相対主義の上手に使い方を理解できる.
6週 動物の倫理と功利主義1
教科書 付録2
教科書の情報に基づいて、功利主義者として適切な動物の倫理を導き出すことができる.
7週 動物の倫理と功利主義2
教科書 付録2
功利主義と他の道徳理論との特徴の差異を明らかにすることができる.
8週 感情と公平性
教科書 第7章
教科書に基づいて公平な評価についてのポイントをまとめることができる.
4thQ
9週 意思決定1
教科書 第4章
最適化戦略に基づいた意思決定を理解できる.
10週 意思決定2
教科書 第4章
最適化戦略に基づいた意思決定を、グループで話し合って実施する。
11週 民主主義と選挙 民主主義における権力と自由の関係,権力の制限について理解できる.
12週 選挙のパラドクス 多数決を疑う 選挙の意義を考えるために、投票によって生じるパラドクスを学ぶ.
陪審定理,ボルタルールなど,多数決による決定の方法を知り,民主主義における選挙の有効性を理解できる.
13週 日本国憲法を読む1
日本国憲法とその改正案を比較して,ポイントを把握できる.
14週 日本国憲法を読む2 日本国憲法の改正についての意見を分析・評価できる.
15週 期末試験 後期の内容を中心に、1年を通しての内容を問う。
16週 答案返却など 試験の解答と解説を行う

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3後11,後12,後13,後14
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3後11,後12,後13,後14
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3後11,後12
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3後6,後7
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3後6,後7
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3後6,後7
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。3後6,後7
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3後6,後7
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前3,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1
他者の意見を聞き合意形成することができる。3後9,後10,後14
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後9,後10,後14
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後1
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後1
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後1
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3後1
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3後1
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3後9,後13,後14
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3後9,後13,後14
事実をもとに論理や考察を展開できる。3後13,後14
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3後13,後14

評価割合

試験レポート相互評価課題ポートフォリオその他合計
総合評価割合353503000100
レポート作成能力0150100025
哲学・倫理学の知識等2050100035
論証の分析・評価15150100040