物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理Ⅱ
科目番号 0052 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『物理基礎・物理』(数研出版)、『セミナー物理基礎+物理』(第一学習社)
担当教員 原田 徳彦

到達目標

 電磁気学、原子物理学に関する基本的な概念や原理・法則について理解し、これらの領域の具体的な事象について物理学的に考察することができる能力を身につける。
 演習については、教科書および問題集の例題を理解し、教科書の節末問題、問題集の基本問題の60%以上を解くことができる学力を身につける。到達度試験は正答率60%以上を目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
物理学の基本的な概念と原理・法則の理解電磁気学、原子物理学に関する概念が身についており,原理・法則を説明でき,様々な事象について物理的に考察することができる電磁気学、原子物理学に関する基本的な概念が身についており,原理・法則を説明でき,簡単な事象について物理的に考察することができる。電磁気学、原子物理学に関する基本的な概念が身についておらず,原理・法則を説明できない。
物理学の応用的な概念電磁気学、原子物理学に関する発展問題を解くことがでる。電磁気学、原子物理学に関する基本問題を解くことがでる。電磁気学、原子物理学に関する基本問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電磁気、原子物理に関する観察・実験などを通して、自然事象を物理学的に探究する能力と態度を養うとともに、物理学の基本的な概念や原理・法則の理解を通して、科学的な自然観を身につけ、科学技術の成果を科学的に判断し、その進歩に対応できる資質を高める。
授業の進め方・方法:
 物理学は自然事象を対象とする学問であり、観察、実験、デジタルコンテンツなどにより事象の具体的なイメージを形成することが必須である。理解を深めるための演習は適宜行い、一つの領域ごとに配布する学習シートにより、目標を明確にするとともに、interactiveな授業の展開を図る。
 授業は講義、演示実験が中心となる。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 静電気 摩擦電気
2週 クーロンの法則 クーロンの法則、電荷の単位
3週 電場 電場、点電荷の作る電場、電気力線、ガウスの法則
4週 電位と電位差 電位、電位差、点電荷のまわりの電位
5週 導体の電位 導体の電位、静電シールド
6週 コンデンサー(1) 電気容量、コンデンサー、静電エネルギー
7週 コンデンサー(2) コンデンサーの接続
8週 中間試験 1~7回の授業内容についての理解の確認
2ndQ
9週 電流回路(1) 電荷と電流、オームの法則、電圧降下、抵抗率
10週 電流回路(2) 電池の内部抵抗、電位差計、キルヒホッフの法則
11週 電流と仕事 ジュール熱、電力、電力量
12週 電流と磁場(1) 磁性体、超伝導
13週 電流と磁場(2) 電流による磁場、アンペールの法則、磁束密度、平行電流にはたらく力、電磁力
14週 ローレンツ力 ローレンツ力、磁場における電子の運動、ホール効果
15週 期末試験 1~14週の授業内容についての理解の確認
16週 答案返却など 物理学の課題
後期
3rdQ
1週 電磁誘導(1) 電磁誘導、誘導起電力
2週 電磁誘導(2) 自己誘導、相互誘導、交流の発生
3週 交流(1) 交流の実効値、抵抗、コイル、コンデンサーに流れる交流
4週 交流(2) 交流回路とインピーダンス
5週 電気振動と電磁波 電気振動と共振、ヘルツの実験、電磁波の反射、屈折、回折
6週 復習・演習(1) 力学の復習と演習、微分・積分の活用
7週 復習・演習(2) 電磁気学の復習と演習、微分・積分の活用
8週 中間試験 16~22回の授業内容についての理解の確認
4thQ
9週 電子と原子 真空放電、比電荷、電場・磁場における電子の運動、ミリカンの実験
10週 光の粒子性 光量子仮説、仕事関数、光電効果、光電管、X線、ブラッグ反射、コンプトン散乱
11週 物質の二重性 物質波、電子波、粒子と波動の二重性
12週 原子の構造(1) 原子核、質量分析器、ラザフォードの実験、原子模型
13週 原子の構造(2) ボーアの理論、水素原子エネルギー準位
14週 原子核と素粒子 放射能、放射線の種類(α、β、γ線、中性子線)、半減期、放射線の単位(Bq、Gy、Sv)、放射線の利用、放射線の検出、ウィルソンの霧箱、シンチレーション・カウンター、GMカウンター、自然放射能線の検出、原子核反応、質量欠損、原子力発電
15週 期末試験 1~14週の授業内容についての理解の確認
16週 答案返却など 物理学の課題

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
物理実験物理実験電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。1
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。1
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4
静電エネルギーを説明できる。4
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。4
電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。4
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。4
磁気エネルギーを説明できる。4
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。3
原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4

評価割合

試験レポート実力試験到達度試験合計
総合評価割合54201313100
基礎的能力40155868
専門的能力1233321
分野横断的能力225211