概要:
コンピュータサイエンスに必要となる数学的な概念、記法、論法の基礎を学ぶ。
数学的な記号や図を用いて、考えていることを記述し、直観的なイメージを得たり、論理的に分析したり、説明する技法を身につける。それらの数学的な技法を電子情報通信分野の具体的な話題と関連させ、より理解を深める。
授業の進め方・方法:
講義は座学で基礎的な事項を学んだ後、できるだけ多くの演習問題にあたる。
前期は、講義の終わりに小テストを実施し、その日に学んだ基本的な事項が理解できているかを確認する。小テストはノートや教科書を参照しながら解いて良い。小テストの結果は最終成績に含まれる。
後期は、学習シートを使って理解の定着を図る。授業中に終わらない場合は、課題として課すことがある。学習シートの結果は最終成績に含まれる。
注意点:
最終成績評価式=定期試験60%+小テスト(前期)20%+学習シート(後期)20%
集合と論理(2年)、数学IIB(2年)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オリエンテーション 集合の復習、対応と直積 |
集合の復習および直積を理解する。
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2週 |
関係(1)関係とは何か、関係の合成、逆関係 |
関係とは何かが説明でき、いろいろな方法で表現できる。 合成関係、逆関係を求めることができる。
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3週 |
関係(2)同値関係
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同値の意味が言える
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4週 |
関係(3)同値関係 学習シートを用いて、「関係」の理解度をはかる。 |
ある関係が同値関係かどうかが言える。
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5週 |
写像(1)対応・部分写像・写像、逆写像、写像の合成 |
いろいろな対応があることを矢線図により理解する。写像とは何かを理解し、部分写像、逆写像、写像の合成が求められる。
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6週 |
写像(2)写像の性質(単射、全射) 学習シートを用いて、「写像」の理解度をはかる。 |
写像の性質(単射、全射)が図で示せる
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7週 |
中間試験 |
これまでの理解度をはかる。
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8週 |
試験の返却 関係、写像の振り返り
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これまでに理解できていない点を復習する。
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2ndQ |
9週 |
論理と証明 |
いろいろな証明法を用いることができる。
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10週 |
論理と証明(背理法) |
背理法を理解し、いろいろな証明法を用いて命題を証明することができる。
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11週 |
帰納法と再帰
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漸化式と帰納法の関係を理解し、証明できる。
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12週 |
演習 学習シートを用いて、「証明」の理解度をはかる。 |
いろいろな問題が証明できる。
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13週 |
グラフ理論(1)グラフとは
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単純グラフと多重グラフが描ける。グラフを隣接行列に表せる。
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14週 |
グラフ理論(2)グラフの連結性、周遊可能性 学習シートを用いて、「グラフの基礎」の理解度をはかる。 |
周遊可能な連結なグラフの条件が説明できる。
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15週 |
前期末試験 |
9週以降の理解度をはかることができる。
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16週 |
試験の返却・解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
グラフ理論(3)最短経路を求める |
ダイクストラ法により、グラフ上で最短経路を求めることができる。
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2週 |
グラフ理論(4)いろいろなグラフ |
いろいろなグラフが描ける。
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3週 |
グラフ理論(5)頂点彩色 |
グラフの頂点彩色ができる。
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4週 |
グラフ理論(6)平面的グラフ |
平面的グラフとは何かを理解し、領域の次数を求める。
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5週 |
グラフ理論(7)領域彩色 |
双対グラフが描け、元グラフの領域彩色ができる。
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6週 |
演習 学習シートを用いて、「グラフを活用したアルゴリズム」の理解度をはかる。 |
グラフを活用したアルゴリズムが理解できているかを確認できる。
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7週 |
グラフ理論(8)木の性質、全域木 |
木とは何かを理解し、最小全域木を求めることができる。
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8週 |
中間試験 |
後期7週目までの理解度をはかることができる。
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4thQ |
9週 |
グラフ理論(9)ネットワークフロー |
流量増大法、最小切断を理解し、ネットワークの最大流量を求めることができる。
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10週 |
代数系、2項演算 |
代数系の記号に慣れる。
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11週 |
単位元、逆元 |
単位元、逆元を求めることができる。
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12週 |
半群と群 |
半群、群の基礎を理解する。
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13週 |
順序関係(1) |
半順序と全順序を理解し、ハッセ図に描ける。
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14週 |
順序関係(2)
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最大限元、最小元、極大元、極小元を求めることができる。
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15週 |
期末試験 |
7週目(木の性質)および9週~14週の学習項目の理解度をはかることができる。
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16週 |
試験の返却・解説 |
答案を返却し、解説を行う。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 公民的分野 | 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。 | 3 | |
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。 | 3 | |
現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 3 | |
工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。 | 3 | |
グローバリゼーション・異文化多文化理解 | グローバリゼーション・異文化多文化理解 | それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。 | 3 | |
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。 | 3 | |
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。 | 3 | |
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。 | 3 | |
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。 | 3 | |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 3 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | |