回路計算の基礎となる複素数、フェーザ(ベクトル)についての基本的な知識を習得し、教科書の例題、練習問題、章末問題の回路計算ができることを到達目標とする。
概要:
交流回路を解析するのに必要な基礎電気数学を学ぶ。まず、三角関数を用いた方法、フェーザ(ベクトル)を用いた計算法を理解する。その後、複素数を用いると、電圧や電流の大きさと位相関係が同時に求まり、複雑な回路計算を容易に表すことができることを目標とする。
授業の進め方・方法:
座学の講義が主体であるが、演習問題による復習が成されていることを前提に講義を進める。学習シートにより、学習した事柄に関して理解度を確認する。
注意点:
回路系の科目の基礎であるので、回路系科目の全てが関連科目となる。授業の進み具合によって計画が多少前後する。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 3 | 後1 |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 3 | 後1 |
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。 | 3 | 後3 |
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。 | 3 | 後3 |
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。 | 3 | 後4 |
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。 | 3 | 後5 |
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | 後5 |
角を弧度法で表現することができる。 | 3 | 後2 |
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | 後2 |
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。 | 3 | 後12 |
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。 | 3 | 後2 |
一般角の三角関数の値を求めることができる。 | 3 | 後2 |
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。 | 3 | 後2 |
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。 | 3 | 後2 |
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。 | 3 | 後5 |
自然科学 | 物理 | 電気 | クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 3 | 後2 |
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 3 | 後1 |
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 3 | 後1 |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 3 | 後12 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 3 | 後1 |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 3 | 後1 |
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 3 | 後1 |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 3 | 後1 |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 3 | 後1 |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 3 | 後12 |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 3 | 後2 |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 3 | 後2 |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 3 | 後2 |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 3 | 後9,後10,後11 |
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 後14 |
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 後5 |
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。 | 4 | 後7 |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 3 | 後14 |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 3 | 後9,後10,後11 |
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。 | 3 | 後9,後10,後11 |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 3 | 後12 |
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。 | 3 | 後13,後14 |
網目電流法を用いて回路の計算ができる。 | 3 | 後14 |
節点電位法を用いて回路の計算ができる。 | 3 | 後14 |
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。 | 3 | 後14 |