創造演習

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 創造演習
科目番号 0061 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 情報電子工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材
担当教員 髙山 泰博,浦上 美佐子,増井 詠一郎,荻原 宏是

到達目標

社会の諸問題を題材にしたニーズを発掘して情報電子工学分野の技術に関連した新規性のあるシステムを企画・設計できる。センサーから得たデータやAIなどの新しい技術を活用して独自性のある応用システムを提案・設計できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
アイデア創出ニーズを把握し,現状を調査して新規性のあるアイデアを創出する。アイデアを提示する。アイデアを提示できない。
システム提案書・設計書の作成アイデアをシステム提案書・設計書に分かり易くまとめる。アイデアをシステム提案書・設計書にまとめる。アイデアをシステム提案書・設計書にまとめられない。
システム提案のプレゼンテーションシステム提案内容を分かり易くプレゼンができる。システム提案内容をプレゼンができる。システム提案内容を上手くプレゼンができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
新規性のある情報システムを企画・設計する。設計したシステムの製作は5年生の「創造製作」で行う。
生活の中で「こんなものがあったら便利だろう,あるいは楽しいだろう,おもしろいだろう」と思えるようなニーズを発掘する。この段階で,チームでアイデアを出す方法を学び,アイデアをまとめていく過程を体験する。次に,センサーなどから得たデータを活用したり,認識技術などのAI技術など新しいを技術を活用したシステムの仕様を決定し,設計まで行う。設計するシステムには新規性とオリジナリティを求める。システムの中で使用するデータの性質を理解し,適切な可視化を行うなどによりユーザにデータの役割を自然に提示できるように考慮することが望ましい。なお,システムのテーマ選定・提案・設計は,知的財産への考慮など技術者としての倫理観に基づいて行うものとする。
この科目は,企業で実際に製品設計や開発に関わる実務を担当していた教員が含まれており,該当教員はその経験を生かして,創造的なシステム提案・設計に関する内容について学生の演習形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
1. 3~4名程度の開発チームに分かれ、アイデアを出し合う。
2. 開発するシステムをしぼる。
3. システム提案を行う。
4. システム設計を行い,そのシステムについて発表する。
5.実装の準備を行う。(実装は主に5年科目の「創造製作」で行う。)

作品を設計するための技術を確実に身につけるために、予習復習(授業外での設計作業など)が必須である。
注意点:
「創造製作」に向けて,年末までに製作に必要な物品等の手配を行うためのリストを作成する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 [第1週]  
授業の目的や進め方を説明する。
KJ法、ブレーンストーミング等のアイデアを出す方法を学ぶ。
アイデアチームを決める。
授業科目の位置づけを理解し,アイデア発想法の基本を理解できる。
2週 [第2週~第4週] 
(アイデア出し1)チームに分かれて、アイデア出しを行う。
アイデア発想のプロセスに基づいてグループ活動としてアイデアを出しをすることができる。
3週 (アイデア出し2)1つのチームで2~3個のアイデアシートを作成する。 アイデア出し結果を文章化(図を含む)することができる。知的財産論で学修した知的財産権に関しても考慮する。
4週 (アイデアのまとめ)アイデアシートをもとに開発テーマを決定してシステム提案図を作成する。 システムのアイデアのポイントを第3者に説明可能な図を作成することができる。
5週 [第5週~第9週] 
(提案書作成1) チームにおいて、システムを企画する。※授業中、担当教員が進捗状況を確認する。
アイデアを元に、数週間かけてシステム提案書を作成することができる。
6週 (提案書作成2)
 システムの特徴や差別化ポイントを明確化する。
従来技術との比較を適切に行うことができる。
7週 (提案書作成3)
 役割分担と開発スケジュールを明確化する。
グループ活動として役割分担とスケジュール設定を行うことができる。
8週 提案書作成4)チームごとにシステム提案書を作成し、提出する。 システム提案書を完成させることができる。
4thQ
9週 システム提案書をもとに中間発表を行う。 システム提案書をもとに,システムの特徴や差別化ポイントをわかりやすく説明できる。
10週 [第10週~第14週] システムの設計を行う。
(設計1) システム構成を明確化する。
<チームごとに設計書を作成する。>
※授業中、担当教員が進捗状況を確認する。
システム提案書を元に、数週間かけて設計書を作成することができる。
11週 (設計2) システム構成の重要箇所を詳細化する。 システム構成を段階的に詳細化することができる。
12週 (設計3) 細部も含め実装の方法を決定する。 システムの構成要素ごとの実装方法を決定することができる。
13週 (設計4) システムの開発に必要な物品(参考図書を含む)をリストアップする。 開発に必要な物品について発注に必要なリストを作成することができる。
14週 (設計5) 設計書をまとめるとともに,システム提案書を更新する。 設計書を完成させ,設計内容の進捗に合わせてシステム提案書を改訂できる。
15週 [第15週]
作品設計審査会(システムの設計に関するプレゼンテーションを行う)
※ 進捗状況に応じて発表会の日程などを適宜指示する。 
システム設計に関する発表を行うことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後3,後4,後8,後14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2後2,後5,後10
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後2,後5,後10
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後2,後5,後14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後5,後10,後14
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。2後1
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。2後1,後13
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3後2,後10,後13
合意形成のために会話を成立させることができる。3後2,後10,後16
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後2,後10,後16
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後2,後16
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後4
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後8
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3後14,後15
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3後14,後15
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後9,後14,後15
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2後9
複数の情報を整理・構造化できる。2後4,後8,後13
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2後4,後8,後13
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2後1
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3後1,後2,後3,後16
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2後3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2後4,後8
事実をもとに論理や考察を展開できる。2後3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2後4,後8
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性目標の実現に向けて計画ができる。2後7
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2後2,後5,後10
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。2後2,後5,後10
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2後2,後5,後10
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2後2,後5,後10,後14,後15
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2後2,後5,後10,後14,後15
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2後2,後5,後10,後14,後15
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。2後2,後5,後10,後14,後15
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。2後2,後5,後10,後14,後15
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている2後2,後3,後5,後10,後14,後15
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。2後2,後3,後14
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。2後14
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。2後14
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。2後14
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。2後14
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。2後14
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。2後14
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。2後14
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。2後14
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。2後14
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。2後14
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。2後14
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。2後14
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。2後8,後14
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。2後8,後14
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。2後8,後14

評価割合

システム提案書設計書プレゼン貢献度評価合計
総合評価割合40302010100
基礎的能力00000
専門的能力40302010100